TOKYO, Sep 5, 2022 - (JCN Newswire) - 三菱重工業は、タイ最大の独立系発電事業者(IPP)であるガルフ・エナジー・デベロップメント社(Gulf Energy Development PCL)と三井物産株式会社の合弁事業会社が運営する天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電所に納入したM701JAC形ガスタービンで、実稼働時間(Actual Operating Hours:AOH)8,000時間の達成を実現しました。
これにより、2018年6月に8,000時間運転を達成した60Hz対応モデルのM501JAC形に続いて、50Hz対応モデルでも8,000時間の実運転を突破、50Hz地域と60Hz地域の両市場において、最新強制空冷方式のJAC(J-series Air-Cooled)形が、業界内で信頼性の証明とされている指標を打ち立てたといえます。
さらに、当社の高砂製作所(兵庫県高砂市)内で稼働する実証設備複合サイクル発電所(通称第二T地点)で、2020年7月以来長期実証運転を続けてきたM501JAC形ガスタービンも、このほど実稼働時間8,000時間突破を再現。JAC形ガスタービンの信頼性をより強固なものとしています。
タイのGTCC発電所プロジェクトは、チョンブリー(Chonburi)県とラヨーン(Rayong)県に、M701JAC形8台で構成される総出力530万kWに及ぶ2ヵ所の発電所を建設・運営するものです。このうち、8,000時間を突破した納入1号機は、首都バンコクの南東約130kmのチョンブリー県の発電所で2021年3月末から稼働しているもので、同発電所ではすでに3台のM701JAC形が稼働中です。
一方、第二T地点は、60Hz対応のM501JAC形と高効率蒸気タービンを組み合わせた出力56.6万kWの最新鋭GTCC発電実証設備です。第二T地点では、長期的な安定的稼働に対する技術的裏付けについて、地域の電力網に接続された状態で検証を進めています。第二T地点の長期実証運転は、TOMONI HUB(Analytics and Performance Center)から行い、プラント運用の自動最適化、トレンド分析・予兆診断を通じた信頼性保証など、インテリジェントソリューション「TOMONI®」に搭載された各種アプリケーションによる検証を行っています。また、第二T地点は、整備を進めている高砂水素パークの主要設備として、水素製造から発電、エネルギー貯蔵を含めた総合的なエネルギーマネジメントの検証にも活用される予定です。
当社の上席シニアフェローでエナジートランジション&パワー事業本部長を務める土師 俊幸は、今回の記録達成につき次のように述べています。「両プラントでJAC形ガスタービンが高い信頼性と高効率を両立し、実稼働時間が8,000時間に到達したことを誇りに思います。水素燃料の利用により高効率でクリーンなエネルギーを安定的に供給できるJAC形ガスタービンは、カーボンニュートラル社会の実現に向けて今後重要な役割を果たすものと確信しています」。
JAC形ガスタービンは、ガスタービン入口温度1,650℃の高温で、発電プラントとして発電効率64%という世界最高水準の効率を達成しています。JAC形を含むJ形ガスタービンシリーズは、2009年の市場投入以来、国内外で順調に受注を拡大しており、その受注累計は92台に達しました。うち52台が商業運転中で、累計運転時間はJ形シリーズ全体で170万時間超に達しています。
三菱重工は、M701JAC形とM501JAC形の両方で実運転時間8,000時間という信頼性の指標を確立したことを弾みとして、最新機種であるJAC形ガスタービンの普及に一層の力を注ぎ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定確保とエナジートランジション戦略を背景とする環境負荷の低減に貢献していきます。
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