TOKYO, Nov 30, 2021 - (JCN Newswire) - 株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、日本国内の電力安定供給を担う電力広域的運営推進機関*1(以下、広域機関)から、将来の供給力を取引する容量市場の実需給期間向けシステムを受注しました。容量市場は、将来必要となる電力の供給力を予め確保することで安定供給を実現することを目的として、2020年に新設されました。本システムは、その初回の実需給年度となる2024年度からの一連の業務を統合的に運用・管理し、市場管理者となる広域機関、発電事業者、小売電気事業者などの利便性向上に向け構築するものです。
容量市場創設の背景
2016年4月から開始された電力の小売全面自由化を受けて、事業者間の競争が促進され、電気料金の抑制が期待される一方、今後、再生可能エネルギーの導入拡大などに伴い、市場価格の低下が進むことで、電力設備の維持費などの回収が不透明となり、将来の電源投資を断念することが考えられます。このような環境の中、発電所の閉鎖が進んでいった場合、将来的に需要に対して供給力が不足し、電気料金の高騰につながる懸念もあります。
このような背景を受け、一連の電力システム改革の一環により、将来見込む供給力を取引する容量市場が、新たに創設されました。将来にわたって必要な供給力を予め確保し安定供給を実現することで、発電所の新設や維持など投資回収の見通しを明確化し、電力取引価格の安定化に寄与するとされています。
今回受注したシステムの概要
容量市場では、4年後の実需給期間に必要と想定される供給力について、広域機関が、日本全国の発電所を対象に一括して市場管理者としてオークションを開催し、小売電気事業者の窓口として買い手となる一方、発電事業者は売り手として応札し、落札電源や約定価格が決定されます。
実需給期間においては、オークションの結果に従って、小売電気事業者は供給力確保に必要な費用(容量拠出金)を支払い、発電事業者は、所定の供給力を提供し、その対価(容量確保契約金)を受け取ります。
今回受注したシステムは、昨年開催された初回オークションの4年後となる2024年度以降、実需給期間における一連の業務において中核となるシステムです。広域機関と発電事業者間で定める供給力提供に関する契約から、計画管理や供給指示、未達成時のペナルティ徴収、容量拠出金や容量確保契約金額の支払・受取といった費用回収など、統合的に運用・管理し、新市場における業務効率化や利便性の向上に貢献します。
今後について
日立は、これまで、中央給電指令所にて培った系統監視システムや系統安定化システムをはじめ、広域機関システムや需給調整市場向けシステムなど、電力取引を支援するさまざまなシステムの導入実績を有しています。今後も、日立は、長年培ってきたシステム構築技術・ノウハウを活用して、再生可能エネルギーの活用や高効率な電力需給を実現する次世代の電力インフラの実現、需要家への電力の安定供給に貢献していきます。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2021/11/1129.html
日立製作所について
日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献します。「環境(地球環境の保全)」 「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」に注力しています。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステムの6分野で、OT、ITおよびプロダクトを活用するLumadaソリューションを提供し、お客さまや社会の課題を解決します。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。
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