中途入社者の定着率を巡る実態調査が、エン・ジャパン株式会社によって2024年に実施されました。この調査には451社が参加し、直近3年間に中途入社した従業員の定着に関する情報が集められました。調査結果によると、2割の企業が定着率100%を達成しており、最も高い業種は「商社」であった一方で、最も低いのは「コンサルティング」という結果が出ています。特に、コンサルティング業界では、離職率が高い傾向が見られることが明らかになりました。
また、中途入社者が最も早期離職につながる期間は「3ヵ月未満」であり、特に「運輸・物流・倉庫」分野でこの傾向が強いことがわかりました。このような早期離職に繋がる要因として、入社前の情報不十分や人間関係の構築が上げられます。入社初期の際に、期待と現実のギャップが生まれると、離職の大きな原因となるため、企業は早期の期待値設定が重要です。
調査結果には、中小企業と大企業による定着率の違いも触れられています。一般的に、大企業での「3ヵ月未満」の早期離職の割合が高く、中小企業よりも高い離職率となっている点が課題として浮き彫りになりました。一方、企業が定着率向上に向けた対策を講じる姿勢も顕著で、6割の企業が今後の定着率向上に注力することを示しています。
具体的な施策としては、入社前の社内見学や社員面談、直属の上司によるフォローアップといった取り組みが多く見られます。これらの施策が期待を具体的に伝えることで、入社後のギャップを感じにくくし、定着率向上に寄与することが期待されています。また、中途入社者への業務量の適切な配分も重要で、業務負荷が軽すぎてもストレスを感じる場合があるため、業務のバランスが必要です。
今回の調査結果から、企業は中途入社者の定着に向けた具体的な対策を検討する必要があることが明らかとなりました。今後の人材戦略において、定着率の向上は人材育成や企業文化の確立にも不可欠な課題であり、企業の持続可能な成長に向けた重要な要素となるでしょう。詳しくは「エン・ジャパン株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部糸井