月間100時間の業務がAIで浮いたら、現場は何を取り戻すのか。バレッグスがAI専門チームを社内に置き、アルべと「伴走」して企画・開発・実装を内製化した現場起点のDX手法を紹介します。属人的業務をテクノロジーで再設計する鮮烈な試みです。
内製チームが回す現場密着のDX

バレッグスは「つながりを大切に、この街の暮らしを豊かに。」という使命の下、AI専門チームが自社でAI物件提案システムを構築しました。優秀な営業担当の思考ロジックをAIに落とし込み、顧客の希望条件から多角的に物件を抽出し、提案メールを自動生成します。その結果、月間で約100時間のメール作成業務を削減し、スタッフは対面での高度な接客に集中できるようになりました。
また、社内で蓄積した会話データをAIで解析し、従来見落としていた顧客ニーズや交渉のポイントを抽出しています。加えて、問い合わせ振り分けや契約書の一次生成などワークフローの自動化も内製チームが実装しました。これらは現場の例外処理や運用ルールを織り込んだ設計になっており、迅速な改善サイクルを回せる点が特徴です。
伴走するのはAI専門の株式会社アルべです。アルべは最新ツールや戦略に関する情報と助言を行い、実行責任はバレッグス側に残します。両社は厳格な情報管理体制も整備しました。生成AIの外部利用は書面で事前承諾を必須にし、個人情報や機密情報の取り扱いを業務委託契約で明確化しています。こうしたガバナンスにより、安全性と現場主体のスピードを両立させています。
内製化は投資を伴いますが、現場知見を迅速にプロダクト化する力を与えます。バレッグスの事例は不動産業の現場起点DXの有力なモデルと言えます。
詳しくは「株式会社バレッグス」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權