大阪・関西万博の会場で、会場参加者が遠隔地へ「ログイン」して現地を歩き、買物まで完結する実演が行われます。会場からコマンド操作や音声で、現地でスマートフォンを持つギグワーカーや遠隔ロボットに指示を出し、東京・浅草や米ロサンゼルスの日本人街へリアルタイム接続する試みです。約9000km離れた現地をその場で散策し、気に入った商品を選んでその場で購入、配送まで体験できるイマーシブコマースのデモが注目されています。
展示のポイント

来場者は大阪のヘルスケアパビリオン内で操作端末を使い、現地の人に話しかけたり店に入り商品をチェックするなど主体的な体験が可能です。ロサンゼルス側は日本時間の9:00–12:00(現地17:00–20:00)に一部公開され、浅草は展示期間中を通して実施予定です。現地の通信状況によりログイン先は変更される可能性がありますが、東京都の協力を得て実運用に近い形での購入・配送の検証が進められています。遠隔操作できる分ロボットも稼働し、人とロボットが分身リソースとして併用される可能性が示されます。
この取り組みは、移動に伴う時間・コスト・健康上の制約を減らし、場所にとらわれず目的達成を可能にするという理念に基づいています。実演には、既に体験した国内外の参加者から「まるで現地にいるようだ」「身体的制約なく参加できた」といった声が上がっており、万博での実証はサービス化に向けた重要なステップになります。分身による現場体験とイマーシブな購買が同時に示される今回の出展は、移動の格差解消に向けた現実的な一歩と言えるでしょう。
技術で移動の制約を越える挑戦が、万博という実証舞台で一歩前進しました。今後はインフラ強化と運用ルール整備が実用化の鍵となります。
詳しくは「toraru」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權