生成AIの進化が加速する中、膨大な計算を支えるデータセンターの電力消費量が深刻な課題となっています。しかし、その常識を覆す革命的なプロジェクトが始動しました。KDDIとHPEが共同で、最先端の液冷技術を駆使したAIデータセンターを大阪に建設。この取り組みが、日本のAI開発を加速させ、サステナブルな未来を切り拓きます。
日本のAIイノベーションを支える新拠点
KDDIとHPEは、2026年初頭に大阪府堺市で「大阪堺データセンター」を開設すると発表しました。このデータセンターは、NVIDIAの最新GPU「Blackwellアーキテクチャ」を搭載したAIインフラを提供し、生成AIモデルの開発や大規模言語モデル(LLM)の学習を強力に支援します。
このプロジェクトの最大の注目点は、環境負荷を大幅に低減する「液冷技術」です。従来の空冷式に比べて冷却効率が格段に高く、AI計算で発生する膨大な熱を効率的に処理します。これにより、電力消費を抑えながら、高い性能を維持することが可能になります。
次世代のAIインフラがもたらす3つのメリット
このデータセンターの誕生は、日本のAI開発を次なるステージへと引き上げます。
- スタートアップの成長を支援: 高価なAIインフラを自社で持つことが難しかったスタートアップや企業も、クラウドベースで最新のコンピューティング能力を利用できるようになります。KDDIのビジネスプラットフォーム「WAKONX」を通じて提供される予定です。
- サステナビリティへの貢献: HPEが長年培ってきた液冷技術のノウハウを活用することで、環境に配慮したデータセンター運営を実現。AI開発の加速と同時に、持続可能な社会への貢献を目指します。
- グローバルな競争力強化: 世界最高水準のAIインフラを国内で提供することで、日本の企業がグローバルなAI競争で優位に立つための基盤を築きます。
KDDIとHPEは、今回の協業を通じて、エネルギー効率を高めながら、業界をリードするAIインフラと革新的なサービスを提供していくとのことです。この挑戦は、AIと共存する持続可能な未来への大きな一歩となるでしょう。
詳しくはKDDIまで。
レポート/DXマガジン編集部 海道