近年、労働環境や職場のあり方が大きく変化し、特に「残業」に関する意識も世代間で異なることが明らかになっています。株式会社アイデムが行った調査によれば、30代以下の若手は残業を「経験の一環」と捉える一方で、40代以上は「人手不足」を深刻に感じていることがわかりました。
調査結果によれば、30代以下の回答者の36.3％が「残業することでより多くの仕事が経験できる」と答えたのに対し、40代では「職場に人が足りていない」との意見が47.2％に上りました。この結果から、若年層は残業を成長の機会と考えやすいのに対し、中高年層は職場環境に対するネガティブな印象を持つ傾向があることが見て取れます。特に40代は、仕事の過負荷を感じていることが多く、健康への影響も懸念されています。
残業をしたいかどうかについての調査では、全体の43.8％が「どちらかといえば、したくない」と回答しました。また、正社員希望の30代以下ではしたい」または「どちらかといえば、したい」が62.5％に及ぶ一方、40代以上ではこの割合が減少する傾向にあります。このことは、若い世代がスキルアップや収入増加を目指して積極的に残業を受け入れる意欲があると同時に、40代以上はワークライフバランスへの配慮が強まっていることを示すものです。
調査では、パートやアルバイトを希望する理由も明らかとなりました。「自分の都合のよい時間に働きたい」という回答が55.0％に達し、特に女性においては生活との両立を重視する傾向が強いことが示されています。このように、働き方に対するニーズが多様化している中で、企業側も柔軟な雇用形態を提供することが求められています。
正社員を希望する人たちの多くは、将来の安定を重視しており、その割合は67.3％にも上ります。特に女性は、他の雇用形態よりも収入が得られると感じているため、正社員としての雇用を求める傾向が見られます。このように、雇用形態による期待や意欲が異なることにより、残業に対する意識や希望も変わってくるため、企業はこれを考慮に入れる必要があります。
この調査結果は、世代ごとの「残業」に対する意識が大きく異なることを示しています。特に、30代以下の若手が残業を成長の機会と捉える一方で、40代以上は職場の人手不足を痛感し、残業に対する負担を感じていることが浮き彫りになりました。これらの違いを理解し、企業は労働環境の改善に取り組むことが求められています。
詳しくは「株式会社アイデム」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部小松
