デジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、企業の競争力を保つための鍵となるのが、若手社員の就業意欲です。株式会社オロが実施した「働く人の意識調査2025」によれば、全国の若手社員392名のうち57.9%が「DXが進んでいる企業」を志望すると回答しています。今回は、この調査結果をもとに、若手社員にとってのDXの重要性や、その影響について深堀りしていきます。
調査によると、「DXが進んでいない企業では働きたくない」という回答が22.4%、さらに「DXが進んでいれば魅力を感じるが、決定的ではない」という回答が35.5%を占めています。この2項目を合わせると、57.9%の若手社員が企業のDX対応を就職や転職の判断基準と認識していることがわかりました。
これは、単なるトレンドとしてのDXではなく、実際に就業意欲に深く関わっていることを示しています。一方で、「DXの進み具合はあまり気にしない」という回答も23.7%あり、アナログな企業でも問題ないと考える人も18.4%存在しています。つまり、DXが進んでいるかどうかが全てではなく、個人の価値観による部分も大きいと言えるでしょう。
特に興味深いのは、既婚者や子育て世代のDX志向が顕著であることです。調査では、既婚者の73.4%、子ども有の層では80.0%が「DX志向」としてカテゴライズされており、未婚者の50.7%や子ども無の51.4%と比較すると、明らかなが見られます。

これは、ライフステージが進むにつれて、業務の効率化や時間の柔軟性が求められるようになることを示唆しています。特に育児や家庭と仕事の両立を重視する世代にとって、DXは選択する企業の重要な要素であると言えるでしょう。
次に、DXが進まない企業に対して若手社員が抱くネガティブな印象について考えてみます。以下の理由が挙げられています。
1. 時代の変化に対応できない会社に感じる –31.7%
2. 古い体質・年功序列の文化が残っている –29.1%
3. 時代に合った仕事の進め方を学べない –27.3%
4. 業務が非効率で、残業や長時間労働が常態化している –27.3%
これらの結果は、企業のDXの遅れが単なるIT導入の問題ではなく、企業文化や成長機会、働きやすさへの不信感に直接関連していることを示しています。若手社員にとって、働きやすい環境を求める際にDXの進展が重要な指標となっていることは間違いありません。
若手社員のDXに対する意識やその影響について考察しました。57.9%の若手社員が「DXが進んでいる企業」を志望している背景には、ライフステージや働き方の変化が大きく影響しています。企業は、若手社員のニーズを理解し、DXを通じて柔軟で効率的な働き方を実現することが求められています。
詳しくは「株式会社オロ」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松