最近の企業環境では、キャリア自律の重要性が増しています。多様な働き方が求められる現在、社員一人ひとりが自らのキャリアを考え、柔軟に対応できることが企業の成長に寄与します。このような背景の中、新入社員は今後どのようなキャリア形成を望んでいるのでしょうか。調査結果によると、今後担いたい役割は「専門家」「管理職」「未定」「志向ない」がほぼ同率で、ここで注目すべきは「キャリア志向なし」が23.3%に達し、過去最高となった点です。男性は「管理職志向」が高い一方、女性は「特に志向なく、楽しく仕事をしたい」という傾向が強いことも明らかになりました。また、過去12年間のデータと比較すると、キャリアへの志向が徐々に変わってきていることも確認されました。

管理職になりたい理由として最も多かったのは「人を束ねて大きな仕事をしてみたい」36.6%であり、仲間との連携を重視する意見が増加傾向にあります対照的に、経営者として成功したいという意欲は減少していることから、リーダーシップに対する見方が変わりつつあることが示されています。専門職としての志向を持つ新入社員の理由の中で、多くの人が「いざというときに専門性を活かしたい」と回答しました。これは、専門職へのニーズが高まる現代社会を反映しているでしょう。

リーダーに対するイメージ調査では、「リーダーシップが求められそう」との回答が最も多く、希望するリーダー像が明確化しています。その際、リーダーになりたいという意欲がある一方で、リーダーに対する期待や不安も同時に存在していることが明らかです。新入社員が会社に期待するキャリア形成支援のニーズにおいて、最も重要視されているのは「上司に相談できる機会」です。これは、成熟した職場環境が求められていることを示唆しています。
本調査の結果は、2025年度の新入社員が抱くキャリアに対する考え方が多様化していることを示しています。特に「管理職志向」や「専門職志向」の減少が目立つ一方で、楽しんで仕事をする意欲が高まっている点が重要です。企業はこれらのデータをもとに、より柔軟なキャリア支援を考える必要があります。新入社員にとって良い環境を整え、成長できる機会を提供することで、組織の発展にも寄与できるでしょう。
詳しくは「ALL DIFFERENT株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松