IT業界における人材不足が深刻化する中、早期離職の問題は企業にとって大きな課題となっています。調査によると、IT人材の採用担当者の約4割が早期離職が「増加した」と実感しています。調査によれば、IT人材採用担当者の60%以上が「採用時の見立てとギャップがあった」と感じており、これは企業の採用戦略における重大な問題を示しています。特に、スキルや経験が期待よりも不足していたとする意見が39.1%を占め、業務内容や志向とマッチしていないケースも少なくありません。このギャップが早期離職を引き起こす要因の一つと考えられています。

企業は、このギャップを解消するために多様な取り組みを進めています。約60%の企業が選考プロセスの改善を行っており、具体的な施策としては、採用イベントや会社説明会、カジュアル面談の実施が挙られます。また、AIを活用したマッチングの試みも進んでおり、これにより候補者と企業とのミスマッチが軽減されることが期待されています。特に目を引くのは、早期離職が「入社3月以内」に集中している点です。その理由として、技術的な成長が感じられない、またはアサイン案件が希望と異なるといった不満が多く挙げられています。これらの要因は、入社後の環境が候補者の期待に沿っていないことを示すものです。

多くの企業がIT人材の定着率向上を目指しており、66.2%の企業がそのための施策を実施しています。キャリア面談やメンター制度、社内勉強会などが評価され、多くの企業がその効果を実感しています。定着率を高めるためには、スキルアップや適正な評価制度の整備が不可欠であることが浮き彫りとなっています。
IT人材の早期離職は、企業にとって深刻な課題であり、改善に向けた取り組みが急務とされています。採用時の見極め、入社後のキャリア支援、そして成長環境の整備が、定着率の向上に資する重要なポイントです。企業は今後も、これらの課題に向けて戦略的に取り組む必要があります。
詳しくは「レバテック株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松