突然の災害…犬はどうする?
みなさんは、地震など大きな災害が来た時のことを、どれくらい想定しているでしょうか?
「想定」と言っても、やはり実際に経験してみないとわからないことも多いですし、漠然と考えることしかできない…という人もきっと多いかと思います。
しかし、ある程度のことを細かく想像しておかなくては「いざ」という時に行動することは難しいのもまた事実です。
「犬も一緒に避難する」とだけを決めていても、それはまだ十分とは言えません。
みなさんもご存知のように、災害は予告なしに突然やってきます。
災害時にも大切な愛犬を守れるよう、これからお話することをぜひ一緒に考えてみてくださいね。
災害に備えて今すぐ考えたいこと
まずは、災害に備えて飼い主さんやご家族のみなさんが考えておきたいことについて、ご紹介していきます。
これは今すぐにでも考えられる、そして今から考えておいたほうがいいことです。
お時間のある時にぜひご家族のみなさんで考えてみましょう!
考えたいこと1:自分たちの避難フロー
「災害に備える」と聞くと、非常食・簡易トイレ・保存水などが入った防災リュックを準備することから始める人も多いかと思います。
「備えあれば憂いなし」の言葉通り、確かにそれも大切ですよね。
ただ、資格保有者の視点からお話すると、まず行いたいのは「災害時、犬を含めた自分たち家族の避難フローを考えて作ること」です。
言葉だけではわかりづらいかと思いますので、実際に我が家のフロー図をお見せしますね。
(自分用にノートに書いてあるものなので、汚い字ですがご了承ください…)
我が家には猫が1匹いるので、愛猫を連れての避難ルートにはどのようなものがあるのかを考え、フロー図を作成しました。
- 自分がどこにいる時に災害が発生するのか
- 自分やペットの安全確保の方法
- 避難をするかどうか
- 避難所はペットの受け入れができるのか
どこで、誰と被災し、その後どのように過ごすのか…?
それはやはり実際に地震などが起きないと、わからないことですよね。
そのため、何通りものフローを予想し、考えておくことが重要なのです。
また、その家庭によっても家族構成やペットの頭数なども違います。
ネットで調べればなんでも出てくる便利な世の中ですが、こればかりはどこを探しても出てこないので、“自分たちだけの”フロー図を作成しましょう。
さらに、近年では犬や猫の受け入れを行う避難所も増えてはいますが、アレルギーの人や動物が苦手な人もいるため、飼い主と一緒に過ごせるかどうかは避難所によっても違います。
もし、愛犬と別々の場所で過ごすことになった際、それを受け入れるのか、車中泊などを選択するのか…など、「細かい」と感じる部分まで考えておくと、後で「こんなはずじゃなかった」と焦ることも幾分減るかと思いますよ。
考えたいこと2:愛犬の食料確保
先ほども少し触れたように、災害に備えて防災リュックを準備しているご家庭も多いかと思います。
では、そのリュックの中に、愛犬のご飯はどのくらい入っているでしょうか?
人の場合には炊き出しなどもありますから、多少はどうにかなることもあるでしょう。
一方で、愛犬のご飯は一般的な炊き出しでは出てこないことも多いですし、ペット用の支援物資が届いたとしても、犬は食べ慣れないご飯だとお腹を壊してしまうこともあります。
災害時にはお店も閉まっていることがあるため、食べ慣れているご飯を飼い主さんが準備しておくと安心です。
犬用フードは重さもありますし、愛犬のご飯を優先したら他のものが持ち出せなかった…となってはいけませんが、最低でも7日分は確保しておくといいかもしれません。
持病のあるワンちゃんの場合には、薬も忘れずに準備しておいてくださいね!
考えたいこと3:愛犬の衛生面
また、食料と同じように準備しておきたいのが「愛犬の衛生を保つためのグッズ」です。
もし、愛犬も一緒に避難所で過ごすことができたとしても、うんちやおしっこなどが正しく処理できないと、他の避難者の迷惑となりトラブルに発展することも考えられます。
繰り返しになりますが、中には犬が苦手な人やアレルギーを抱えた人もいますから、犬連れの避難では「みんなが気持ちよく過ごせる工夫」が重要です。
- ペットシーツ
- マナーウェア
- シャンプータオル
- エチケット袋
愛犬の衛生を保つことは周囲の人へのためだけではなく、愛犬の健康を守るためにも大切なことです。
愛犬のご飯と併せて、愛犬の衛生面を保つためのアイテムもきちんと準備しておきましょう!
考えたいこと4:迷子札などの装着
大きな災害が起きると、建物が壊れた拍子に犬などのペットが混乱して逃げ出してしまうことも多くあります。
環境省によると、2011年の東日本大震災では災害によって迷子となり保護された犬が1768頭もいたのに対して、飼い主へ返されたのは758頭だったそうです。
つまり、約6割の子は飼い主さんのもとへ帰れないままだったのですね…。
さらに、ここで注目したいのは「飼い主さんの元へ帰ることのできた子たちのほとんどが首輪に迷子札や鑑札などをつけていた」という事実です。
近年では「愛犬や愛猫に首輪をつけるのは可哀想」といった声も多く、首輪をつけない飼い主さんも多い印象です。
一方で、迷子になった時のことを考えると、やはり首輪や迷子札はつけておいたほうが安心と言えるかもしれません。
- 飼い主の名前
- 連絡先
急な災害時のためにも、これらのことを書いた迷子札を着用させておくことをオススメします。
また、連絡先を家の電話番号にしていると、飼い主さんが避難している場合に連絡を受けられない場合もあり得ます。
電話番号を書く際には、なるべく携帯電話の番号にしておきましょう。
災害時には愛犬の心と体のケアも忘れずに
愛犬のために備えておきたい防災準備についてお話しましたが、もうひとつ災害時に忘れてはいけないのが「愛犬の心と体のケア」です。
犬の場合、人のように「なぜ地震などの災害が起きるのか」を理解することは難しいですよね。
そのため、被災した犬は人以上にストレスを抱えることも珍しくはありません。
愛犬の不安な気持ちを少しでも拭ってあげるために、飼い主さんは災害時にはいつも以上に愛犬とコミュニケーションをとることを心がけてください。
散歩に行けない場合には運動不足に陥る可能性もあるので、可能な範囲内でおもちゃで遊ばせたり、飼い主さんの手を使ってマッサージしたりして、血行を促してあげるといいでしょう。
同行避難している場合には、犬が苦手な人たちへの配慮も忘れずに、愛犬の健康を保っていってくださいね。
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