Googleは4月17日、広告プラットフォームの健全性を保つための取り組みをまとめた「2024年広告安全性レポート(Ads Safety Report)」を公開した。
報告書では、AI技術、特に大規模言語モデル(LLM)を活用した不正広告対策の強化により、2024年中に数十億件にのぼるポリシー違反広告を未然にブロックした実績が明らかにされた。
Googleは、従来の機械学習モデルより少ないデータで脅威を特定できるLLMを導入。50以上の改良を加えたこれらのモデルにより、詐欺的な支払い情報やなりすましなど、違反の兆候をアカウント設定段階で検出し、対策の迅速化と精度向上を実現した。
これらの技術的強化により、同社は広告が表示される前に3920万件以上の広告主アカウントを停止。これにより、数十億件のポリシー違反広告が消費者に届くのを未然に防いだ。
特に、AI生成による著名人のなりすまし広告への対応が進んだ。Googleは専門チームを立ち上げ、「虚偽表示ポリシー」の改定を含む対策を講じた結果、これらの詐欺広告を掲載した広告主アカウントを70万件以上永久停止し、報告件数は90%減少した。
本人確認制度の拡大も進められ、現在では200以上の国と地域をカバー。これにより、Google上で表示される広告の90%以上が確認済みの広告主によるものであるという。
同レポートでは、2024年におけるGoogleの広告ポリシー運用の成果として、以下の数字が示された
・削除された広告:51億以上
・制限された広告:91億件以上
・停止された広告主アカウント:3920万件
・13億件のパブリッシャーページに対して広告制限またはブロックを実施
・22万件以上のパブリッシャーサイトに対してサイト全体の対応を実施
・広告およびパブリッシャーポリシーに30以上の更新を実施
選挙関連広告についても、透明性を高める取り組みが継続され、8900以上の選挙広告主を新たに確認。未確認のアカウントから表示された1070万件の選挙広告が削除された。
Googleは「広告の安全性をめぐる状況は常に変化しており、このようなダイナミックな状況の中で、私たちは最先端技術とパートナーの協力により、すべての人にとって安全なオンライン体験を実現するため取り組んで参ります」とし、今後も業界全体との連携を深めながら、不正広告への対策を強化していく姿勢を示している。
https://x.com/NewsFromGoogle/status/1912536383098655107
<参考・引用>
Our 2024 Ads Safety Report shows how we use AI to safeguard consumers.