東京都大田区にある町工場「ハタノ製作所」。金属の溶接を主とした製造業を営んでいますが、代表の「ハタノ」さんには、実はもうひとつの顔があります。
それは、ネジを活用したフィギュア「ねじのどうぶつ ネジマル」を生み出す、クリエイターとしての顔。金属の形や質感をそのまま生かしつつも、躍動感あふれるポーズは、まるで命が宿っているかのよう。
今回、ハタノさんが自身のXで紹介したのは、新作に当たるネジマル「コネコ」。2月22日の「猫の日」に合わせて企画制作したもので、ネット通販サイトminneのショップにて1300円(税込み)で販売予定となっています。
過去にはサイズ違いの「ネコ」も制作しましたが、既存の作品と比較して小さなものがあると相乗効果でかわいがってもらえることが多く、バリエーションのひとつとして簡略化した小さなデザインを作ることにしたのだそう。
ミニサイズながら、猫らしいしなやかな曲線は健在。わずかに背中部分を丸めていたり、プラス型のネジ穴を猫の口に見立てていたりと、さまざまなこだわりや工夫が見て取れます。「ネコ」と並ぶと、まさに本物の親子であるかのよう。
ハタノさんがこうした作品を作るようになったのは2013年ごろから。見習いの頃に、細かい溶接作業の練習として、はじめに「イヌ」を作ってSNSにアップしたところ、多くの方から反応があり、そのうち「他の動物も見てみたい!」と要望を受けて様々な種類の動物を作るように。その後、オンライン販売を2021年に開始しました。
作品は犬や猫だけでなく、ウサギやキリン、ゾウに至るまで幅広くラインナップ。どの作品も、ありふれたネジや金具が主役になって、生き生きとした表情になるよう、足や耳の長さ・角度に気を配って作られていることが伝わります。
また、細い金属の棒(溶接棒の切れ端)をパーツに使っているので、作品を購入した方がケガをしないよう、バリ取り作業を丁寧に行なっているとのこと。安全性にもしっかりと配慮されています。
材料自体はシンプルながら、創意工夫に満ちたかわいい「ネジマル」たち。作品はネット通販のほか、大田区や秋葉原の店舗でも一部商品を取り扱いしており、新作の「コネコ」も現在販路を調整中なのだとか。今後の続報に期待しましょう。
<記事化協力>
ハタノ@大田区町工場さん(@hatano_works)
(山口弘剛)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛 | 配信元URL:https://otakei.otakuma.net/archives/2024021002.html