「人と被らないカバンが背負いたいから」と、ダンボール製のカバンを作ってしまったのは、ダンボール造形作家のしょうたダンボールマンさん。
SNSに投稿した写真には、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場するデロリアンの形をしたダンボール製のカバンが写っています。これは作品のファン以外にも欲しくなるのではないでしょうか。
しょうたダンボールマンさんが初めてダンボール製のカバンを作ったのは、2019年の1月。19歳の時でした。それまでは亀の甲羅や楽器のカバンなどをダンボールで作っていたものの、デアゴスティーニの制作物に強い憧れがあったそうです。
音が鳴って光り、エンジンもリアル……。誰が見ても高いクオリティーで、「こんなギミックがありながらカバンとしても背負えたらいいな」と思い、作るようになったといいます。
その後も日々、試行錯誤を重ねて必死に作り続け、完成させた車のカバンの数は7個。現在はホワイト・フレイトライナーというトラックのカバンを作っているとのことです。
SNSに投稿したのは2019年4月24日に完成した「デロリアンDMC12バック(バック・トゥ・ザ・フューチャー)」という名前のカバン。これは他の作品と同時進行で作りつつ、1日約3時間の作業量で約1か月かけて完成させたそう。
■ こだわったのは「重量」
今回こだわった部分はカバンの重量。このカバンは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主人公マーティ・マクフライを模した人形(勿論ダンボール製)が乗れるようになっていたり、アクセルやブレーキ、ハンドルやタイヤなどが可動式になっていたりします。
他にもライトギミックが多数あり、プロトニウムを入れる原子炉と蓋が開閉可能なミスターフュージョンがマグネットで付け替え可能。
これだけの機能を搭載しながらも、カバンが重いとペットボトルなどの荷物を入れた時に肩が凝ってしまうので、約1kgにおさえたのだとか。
さらにカバンの強度にもこだわっています。歩いている時はカバン、話しかけられた時は作品として説明するので、何十回も開閉したり、人とぶつかったりしても壊れにくいように改良しているそうです。
「カバンについて説明して、喜んでもらえる瞬間が1番嬉しい」と、しょうたダンボールマンさん。声をかけてくれた人の笑顔が原動力になるのだとか。
他にも、子どもなどから「どうしてブレーキ光らないの?」など、忌憚(きたん)のない意見や指摘を受けることも嬉しく、日々の成長に繋がっているので「すごく大事なこと」と語っていました。
なお、今回紹介したしょうたダンボールマンさんの「デロリアンDMC12バック(バック・トゥ・ザ・フューチャー)」は、3月2日に広島のエキキターレで開催される「ヒロシマ・ルクト」というイベントで展示されます。
<記事化協力>
しょうたダンボールマンさん(@6VpkrnaasTK0Yas)
(佐藤圭亮)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 佐藤圭亮 | 配信元URL:https://otakei.otakuma.net/archives/2024020703.html