1992年に発売されたスーパーファミコン用ソフト「スーパーマリオカート」。シリーズの初代作品ながらその高い完成度から、間もなく20年を迎える現在も色あせぬ名作として知られています。
そんなマリオカートをテーマにした刺繍作品に挑戦したのは、ツイッターユーザー・さきイカさんです。タイトルロゴに加え、ゲームに登場する8人が一堂に会する「キャラクターセレクト」の画面を再現した作品は、プレイしたことがある人であれば誰もが「懐かしい!」と感じるはず。
さきイカさんは過去にも、自身の好きなゲームやアニメをモチーフにした刺繍のファンアート作品を多数制作しており、その制作過程や完成品をツイッターにて公開しています。
今回、モチーフに選んだ「スーパーマリオカート」も、さきイカさんが大好きなゲームであることに加え、幼少時によく兄と遊んでいたという、思い入れの深い作品。「何か大きな作品を作りたいな」と思案していたところ、思い出のスーパーマリオカートを再現してみようと思い立ち、制作を開始しました。
作品を作るうえで、さきイカさんが特にこだわったのはやはりその「再現度」。ゲーム画面をよく見ながら起こした図案を元に、1ドットずつ丁寧に刺繍を行っていきます。
なんでも、同じカートでもキャラによって色が絶妙に違ったり、タイヤの大きさが違ったりと、ゲーム画面を細かく見ることでの発見も多かったのだとか。まさかそんな違いがあったとは、言われるまで筆者も全く気が付きませんでした。
また、通常であればキャラクターセレクト画面ではマリオをはじめとするキャラクターたちは横向きに表示されており、使用キャラを決定した際に前を向く仕様ですが、さきイカさんの作品では全キャラクターが前を向いています。
これは「せっかく刺繍にするならキャラをよく見せたいな」と、さきイカさんがアレンジしたもの。両腕を上げる「ドンキーコングJr.」や口を大きく開く「クッパ」など、動きのあるキャラクターの表情を良く見る事が出来ます。
およそ9か月の期間を経て、ついに完成した作品は、まさにゲーム画面そのままの再現度。何度プレイしても飽きることなく、日が暮れるまで兄弟や友人と対戦を繰り返したあの日の記憶と共に、BGMが脳内再生されてしまうほどの仕上がりとなっています。
大きさ約25cm四方という大作を完成させた今の心境をうかがうと、「終わってしまって寂しいです」と、さきイカさん。
制作工程において刺繍をしている時間が最も楽しく、終わってしまうとその達成感からすぐにしまってしまうことが多いのだそうですが、今作は額装をして自宅に飾っているというほどお気に入りの作品になったとのことでした。
<記事化協力>
さきイカさん(@Sakiika_CS)
(山口弘剛)