幼少期からの模型好きが高じて、趣味でモデラー活動をしているMARさん。偶然買った48分の1スケールのロボットのパイロットフィギュアを作ったのがきっかけで、現在はそれに収まるような、小型サイズのフィギュアを中心にものつくり活動をされています。
先日は、アニメ「聖戦士ダンバイン」に登場するキャラクターのファンアートを紹介しました。
「1/72のマーベルに沢山反応いただきましたので他の同スケールのダンバインのキャラクターを。ほぼエポパテ製です」
この日、MARさんがTwitterに紹介したのは、先の「聖戦士ダンバイン」に登場する「ショウ・ザマ」「シーラ・ラパーナ」「トッド・ギネス」「黒騎士(バーン・バニングス)」をモデルにした自作フィギュア。サイズはいずれも72分の1スケールで制作しています。
フィギュアの横には、バンダイのロボットフィギュアシリーズ「ROBOT魂」で販売展開されている「ダンバイン」「ビルバイン」「ビアレス」「ズワァース」の姿が。ダンバインの代わりにビルバインでアニメ第27話「赤い嵐の女王」のワンシーンを彷彿させるような「原作再現」のシーラを除けば、それぞれショウ(ダンバイン)・トッド(ビアレス)・黒騎士(ズワァース)の搭乗機の組み合わせとなっています。
制作経緯は、先述ROBOT魂の聖戦士ダンバインのフィギュアに、搭乗パイロットを並べたくなったためというMARさん。初めにシーラ・ラパーナを制作した際、そう思うようになったんだとか。
本作は、基本的にエポキシパテを用いて制作されています。事前にモデルを実寸サイズで下絵を描き、サイズやプロポーションをチェックし、それを72分の1スケールへ落とし込んでいきます。
とはいえ、例えば身長170センチのキャラクターなら、2センチ強で再現しなければならないのが「72の1」。
「細かったり、薄くて破損しそうなパーツは、紙などで作ることもありますね」と文字通りの細心の注意を払いながら、ボディ部分を形成。顔部分には、モデルキャラとより判別できるように「表情」を加えています。
ただ、指の腹にちょこんと乗っかるような造形に、それを反映させていくのは至難の業です。「正直かなり厳しい作業ですね」と、MARさんも高難易度であることを認めています。
一方で、「やはりキャラクターに表情があると、フィギュアとしての完成度があがりますので」と、塗装は筆塗りで、目などは0.0.2ミリのペンで描き込み。
今回投稿した「シーラ・ラパーナ」や、以前に投稿した「マーベル・フローズン」などの女性キャラには、顔と髪を別個に作り、髪の被り具合で表情を調整しているんだとか。こだわりが凄まじい……。
そこから、剣などの装飾部分も作り完成した「72分の1スケール ダンバインキャラクターフィギュア」。いずれも自立可能で、極力被りが出ないよう、各キャラのポージングにも違いを出しています。
元々メーカー品が存在しなかったのも制作のきっかけだったそうですが、あくまでファンアートであるものの、ここまで再現性を高めているのは、「モデラーMAR」としてのこだわりです。
ちなみにMARさん、ダンバインキャラ以外にも様々な「ミニミニチュア」を作られています。モデル題材は多種多様。サイズは今回の72分の1スケールが中心ではあるものの、35分の1や144分の1も手掛けます。その結果、作品の中には5円硬貨の穴に入るようなものも存在。
それでいて、いずれの作品も再現性の高さもウリ。「あ、これ〇〇だ!」と容易に判別できるものとなっています。皆様、よく目を凝らしながらご覧になってみてください。
<記事化協力>
MARさん(@tnahc0127)
(向山純平)