1.「療法食」は獣医師さんの診断と指導に基づいて選ぶ

はじめに注意したいのは、「総合栄養食」と「療法食」の違いです。
通常の「総合栄養食」とは、必要な栄養素がすべてそろっているフードです。水といっしょに適量を与えれば、猫が健康で生きられるように作られています。
一方、「療法食」は、病気を患った猫の症状や状況に寄り添って、栄養バランスを調整したフードです。普通の「総合栄養食」と比べると、病気の違いによって、含まれる栄養成分が大きく変わってきます。
たとえば、重い慢性腎臓病用の「療法食」では、腎臓への負担を軽くするため、リンやタンパク質などの栄養成分が制限されています。
仮に、健康的な猫が上記の腎臓病用の「療法食」を食べ続けると、必要なタンパク質やリンなどが足りなくなり、栄養不足に陥った結果、免疫力や筋力の低下、毛ヅヤの悪化などの症状を引き起こしてしまう恐れがあります。
「療法食」を選ぶ際には、愛猫の健康のためにも、自己判断を避けることが肝心です。飼い主のみなさんは、かかりつけの獣医師さんの診察と指導をもとに、ふさわしい「療法食」を選択してみてください。
2.飼い主さんの判断でやめない(与える量をちゃんと守る)

「療法食」の最大の目的は、病気の進行を遅らせ、症状を緩和させることにあります。
もし飼い主さんの判断で「療法食」を途中でやめると、取り返しのつかないくらいに症状が悪化してしまう危険性があります。
一例を挙げると、膀胱炎や尿石症などの病気で、「療法食」を中断した場合、病気が再発したり、症状が一向に改善されないケースがあります。
この状態を放置していると、最悪の場合では、命に関わる「尿路閉塞(特にオスに多い)」に発展するリスクがつきまといます。
「療法食」をいったんやめて、一時的に排尿時の痛みがなくなったり、血尿が良くなったりしても、必ずしも回復に向かっているとは限りません。
「療法食」の効果を最大限に発揮するためには、獣医師さんの指示に従って選んだ食事を継続することが何よりも大切です。同じ観点から、「療法食」を愛猫に与えるときには、決められた量をきちんと守るようにしましょう。
3.「療法食」中のおやつは基本的にNG

確かに「療法食」は猫の病気を改善させる手段ですが、嗜好性という面では、やはり、おやつなどの「一般食」には敵いません。そのため、「療法食」へ段階的に切り替えたとしても、食が進まなくなる猫もいます。
愛猫想いの飼い主さんの親心としては、少しでも食べてくれればと願い、「療法食」といっしょにおやつを与えたくなるかもしれません。
ところが、「療法食」は、病気に合わせて栄養バランスが注意深く調整されたものです。「療法食」以外の食べ物を食べると、栄養面での配慮が無効化してしまい、適切な治療効果が期待できなくなります。状況によっては、さらなる症状の悪化も避けられません。
万が一、愛猫が「療法食」をなかなか食べてくれなかった場合、自己判断は避け、まずは、かかりつけの獣医師さんに相談してみてください。おやつを与える際にも、適切なおやつの種類や量、タイミングについても指示を仰ぐことが不可欠です。
まとめ

老齢になるにつれて、ほとんどの猫が何らかの病気にかかり、「療法食」のお世話になります。「療法食」を愛猫に与える際の注意点を予習しておくと、いざというときにも慌てなくて済みます。
今回の記事では、獣医師さんへの相談・指示を前提に、「療法食」を扱う心得として、「自分で選ばない」「途中でやめない」「おやつとの併用は基本的にNG」、3つのポイントを紹介しました。
猫がかかりやすい慢性腎臓病、尿路結石などを防ぐためにも、日頃の適切な栄養摂取、水分補給が欠かせません。
本文で紹介した内容が、大切な愛猫の健康に役立つことを心から願っています。
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