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猫好きなら知っておきたい『猫にまつわる最新研究』3選!三毛猫の毛色の秘密とは?


最新の研究によると、猫の毛色に大きく寄与するO遺伝子が、X染色体上のARHGAP36遺伝子の特定領域で塩基が欠失することによって形成されることが明らかになりました。この欠失がユーメラニンの合成を抑制し、フェオメラニンを合成させることが分かりました。また、京都大学の研究により、猫のアンドロゲン受容体遺伝子の長さがゴロゴロ鳴る行動と関連していることが示されました。さらに、東京農業大学の研究では、猫が嗅覚を使って人間を識別することが確認されました。

1.三毛猫・サビ猫・茶トラ猫の毛色の秘密

サビ猫

既知の内容|性別と深い関連性を持つ「O遺伝子」

愛猫家の間ではよく知られている、猫の毛柄に関する不思議な現象があります。それは、「三毛猫とサビ猫はほとんどがメスである」ということ、そして「茶トラ猫の多くがオスである」ということです。

猫の毛柄に関する遺伝子は複数あります。その内基本の毛色を決める遺伝子は、黒系の色を作るB遺伝子、白猫にするか否かを決めるW遺伝子、1本で複数色の層を持つアグチ毛を作るA遺伝子、そして茶色(オレンジ色)の毛を作るO遺伝子の4つです。

猫の毛柄に関連する遺伝子のほとんどは常染色体上にありますが、O遺伝子だけは性染色体のX染色体上にあります。そして、常染色体上にB遺伝子があってもX染色体上にO遺伝子があると、毛は茶色になります。毛が黒くなるのは、常染色体上にB遺伝子がありX染色体上に茶色い毛を作らないo遺伝子があるときだけなのです。

このO遺伝子がX染色体上にあることは、120年以上も前から分かっていました。しかし、O遺伝子そのものがどれで、具体的にどのように働いているのかについては、ずっと謎のままでした。

なお、三毛猫やサビ猫が黒い毛と茶色い毛を混在して持てる理由は、1961年に提唱された、「メスの細胞ではペアとなるX染色体の内の片方がランダムに選ばれて不活性化(機能抑制)される」という仮説で説明されてきました。

今回の研究で解明されたこと

2025年5月16日、アメリカのCurrent Biology誌に、これまで謎だったO遺伝子が具体的にどの遺伝子で、どのように働いているのかが解明されたという論文が掲載されました。

O遺伝子の正体は、X染色体にあるARHGAP36遺伝子の変異だったのです。このARHGAP36遺伝子内の特定の領域にあるべき約5,000の塩基が欠失した状態がO遺伝子で、その細胞の部位のユーメラニン(黒色素)の合成を抑制してフェオメラニン(赤味を帯びた色素)を合成するようにシフトさせていたということが分かりました。

実際に猫のDNAを解析して、三毛猫やサビ猫は2本のX染色体の片方のARHGAP36遺伝子領域内に塩基の欠失があり、茶色い毛の部分のX染色体は欠失のある方が活性化されていることが確認されています。

日本とアメリカの研究者が別々に研究を進めほぼ同時に発表!

実は、Current Biology誌の同じ号には、ここでご紹介した内容に類似した2本の異なる論文が掲載されています。九州大学とスタンフォード大学の論文です。それぞれが独立して行った研究で、同じ結論がほぼ同時期に導き出されたということです。このことからも、猫の毛柄に関する謎が世界的に注目されていることが分かります。

2.家畜化が変化させた猫のゴロゴロ鳴き

母猫に甘える子猫

既知の内容|

イエネコを祖先のリビアヤマネコと比べると、形態的にはあまり変わらず、食性も肉食性のままです。しかし行動面では大きな変化がみられ、社会性が必要な人や他の動物との暮らしの中で、さまざまなコミュニケーションを行うようになりました。

動物の行動特性には環境要因と遺伝要因の2つがあり、人や犬の場合、アンドロゲン受容体(※)遺伝子が行動特性と関連していることが分かっています。しかし、猫に関する研究は遅れていました。

※アンドロゲン受容体:男性ホルモンである「アンドロゲン」と結合することで、その作用を活性化させるタンパク質。生殖機能の発達や筋肉増強などに関係する。

今回の研究で解明されたこと

アンドロゲン受容体遺伝子が猫の行動特性にも影響を与えているのかどうかを研究したのは、京都大学などの研究者たちです。研究論文は、国際学術誌のPLOS Oneに、2025年5月28日付けでオンライン掲載されました。

研究は、飼い猫のDNAのアンドロゲン受容体遺伝子解析と、質問紙による飼い主からの飼い猫の行動特性評定で行われました。その結果、アンドロゲン受容体が短いタイプの遺伝子を持つ猫は、長いタイプの猫よりも喉をゴロゴロ鳴らす傾向が高いことが分かりました。この傾向は特にオスで顕著で、メスの場合は見知らぬ人への攻撃性が高まることが分かりました。

論文では、この遺伝子が猫の「音声コミュニケーション」と関わっている可能性が高いことが示唆されたと結論づけています。またイエネコのアンドロゲン受容体遺伝子は、他の11種のネコ科動物と比較すると長いことも分かりました。このことから、人と暮らして家畜化が進んだことで、遺伝子が変化してきた可能性があると結論づけています。

ゴロゴロと喉を鳴らすコミュニケーションは、猫同士の親和表現や、子猫が母猫に世話を催促する際に使われる、「生存手段」的な意味合いを持っています。しかし、飼い猫は生後すぐに人からの世話を受けられるため、生存手段としての「ゴロゴロ鳴き」の必要性が減ったことで、この遺伝子タイプの変化につながった可能性も考えられます。

3.飼い主のニオイを嗅ぎ分ける飼い猫

指先のニオイを嗅ぐ猫

既知の内容|猫の嗅覚の活用法

犬と比較すると研究対象としては数が少ない猫ですが、それでもこれまでの研究で、猫が人の声を聞き分ける、人の視線から食べ物の位置を推測できる、嗅覚で人の感情を察知して行動を変えられるといったことが分かっています。

しかし、猫が人を識別する際にも嗅覚を使えるかどうかについての研究はありませんでした。

今回の研究で解明されたこと

今回「猫がニオイで人を識別できるか」という科学的実験を行ったのは、東京農業大学の研究チームです。論文は、2025年5月28日付けのPLOS Oneにオンライン掲載されました。

猫に、飼い主のニオイ、飼い主と同じ性別の見知らぬ人のニオイ、そして無臭の綿棒が入った3種類のチューブを提示したところ、見知らぬ人のニオイのチューブを嗅ぐ時間が優位に長いという結果が得られました。

このことから、行動の理由までは解明されていないものの、研究チームは「猫は人間の識別に嗅覚を用いている」ことを科学的に結論づけました。

まとめ

三毛猫

この世は不思議で溢れかえっています。その不思議を解明しようと、科学者たちは日々研究や実験を行い、長年の謎を解き明かそうとしています。私たち愛猫家にとって、大好きな猫たちもまた、謎に溢れた存在です。大好きな猫たちと、これからも長く良い関係を続け、共に快適に暮らしていけるよう、今後の科学者による猫の研究に大いなるエールを送りたいですね!


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