1.食後の毛づくろい

いかにも満足気にゴハンを食べ終えると、ほとんどの猫はせっせと毛づくろいを始めます。猫にとって毛づくろいは、起きている時間の約3割を費やすほどの大切な習慣です。
猫の毛づくろいには清潔感の維持や体温調節、ストレス解消などの役割がありますが、食後に関しては、口まわりを含め、身体についた食べ物の匂いを消し去ることが主な目的です。
野生の現場では、身体に獲物の匂いが残っていると、天敵やライバル、あるいは、獲物となる小動物に自分の居場所を察知されてしまいます。命の危険だけでなく、狩りにも悪影響が出ます。
生存上のさまざまなリスクを回避するために、猫は食後、毛づくろいすることによって、自分の身体にまとわりついた匂いを「キレイ」にします。
愛猫のかわいらしい毛づくろい姿に、実は、生と死を賭けた野生時代の厳しい掟がいまだに息づいているとは、意外な驚きです。
毛づくろい中の愛猫は、まさにサバイバル術を実践している最中であり、たとえ飼い主さんであろうとも、決して邪魔して欲しくありません。
愛猫が毛づくろいを始めたら、遠い野生の記憶へアクセス中と考えて、飼い主さんは、ひと通り終わるまで温かく見守ってあげてください。
2.入眠前の儀式(穴掘り、ふみふみなど)

みなさんが寝る前に本を読んだり、音楽を聴いたり、好きな人の顔を思い浮かべたりするように、猫にも入眠前のマイルールがあります。
猫の入眠ルーティンで代表的なのは、「穴を掘る」や「ふみふみ」です。
「穴を掘る」は、別名「ホリホリ」とも呼ばれ、たとえば、飼い主さんの布団を両前脚でせっせと掘ったあげく、気持ち程度にできた窪みに身体をすっぽり収める行動を指します。私たち人間で言うところのベッドメイキングのようなものです。
ちなみに、猫が残ったフードを「ホリホリ」しようとするのは、他の猫に奪われないように隠すため、あるいは、好みに合わないなどの理由が考えられます。いずれにしても、野生時代から続く習性です。
一方、「ふみふみ」(英語では「kneading」。パンをこねるの意味)は、猫が両前脚を交互に動かして、毛布などの柔らかい布地をつかんだり、離したりするしぐさのことです。子猫時代の名残で、両前脚をグーパーさせると、母猫のおっぱいが出やすくなります。
「ホリホリ」も「ふみふみ」も、毛づくろいと同様に、猫の本能に深く根差した行動です。作業中の愛猫を妨害すれば、猫パンチや引っ掻きなどの反撃に遭うかもしれません。
おうちでのんびり暮らしていても、猫には昔から続く「野性風味」が残っています。飼い主さんはそのことを常に忘れないようにしましょう。
3.窓辺の見物

飼い主さんが思っている以上に、愛猫が大切にしているマイルールは、「窓辺で過ごすひととき」です。
猫が好んで窓辺で過ごすのは、日光浴のためだけでなく、窓の向こうで起こるさまざまな出来事・現象を眺めることで、心地よい刺激をもらえるからです。
庭に鳩が降り立てば、目つきがより鋭くなって、食い気味にその様子を観察します。興奮状態になると、「カカカッ」「ケケケッタ」という鳴き声を出すこともあります。「クラッキング」と呼ばれるもので、いわば、狩猟本能のスイッチが入ったときの音です。
登下校の小学生や立ち話するご近所さん、郵便配達のバイク、クリーニングに出した服をどっさり持ち帰る人など、窓辺でまったり過ごしていたら、日々、いろいろなシーンが起こって、愛猫も興味が尽きません。
窓辺でのひとときは、ある意味、愛猫が外の世界に夢中になっている状況です。そんなときに、背後から突然、飼い主さんに身体を触られると、愛猫はびっくりしてしまいます。特に、クラッキング中に手を出すと、野生モード全開で引っ掻かれてしまうかもしれません。
窓辺で外を見物する愛猫は、脳内で仮想フィールド世界を探検しているようなものです。もしかぶりつきで眺めていたら、飼い主さんは甘えたい気持ちをぐっとこらえ、愛猫の好きなようにさせてください。
窓辺の見物に加え、猫にとってもうひとつの大切なルーティン、「おもちゃ遊び」も並行して習慣化すると、精神的にも肉体的にも、愛猫は健康状態を維持できます。
まとめ

飼い始めの方は特に、自分の何気ない行動が原因で、愛猫を怒らせてしまった苦い経験があるかもしれません。とにかく、猫は邪魔されることをひどく嫌う動物です。
今回は、猫の多くが大事に考える「自分ルール」を3つ紹介しました。簡単に言うと、「食後の毛づくろい」「入眠前のホリホリ&ふみふみ」、そして「窓辺の見物」です。
どれも猫本来の習性に関わるものであり、だからこそ、むやみに邪魔されると、途端に怒ってしまいます。
愛猫が上記の3つの行動に没頭していたら、決してかまうことなく、「大人の余裕」を装って、静かに見守ってあげましょう。
■関連記事
・何気なく猫の『右脇腹』を見ていた飼い主さん→ふと既視感を感じたと思ったら…驚きの『模様』が2万いいね「めっちゃ達筆」「すごく綺麗」
・2匹の猫と新しく生まれた赤ちゃん→だんだんと距離が縮まってきて…あまりにも尊い光景に感動する人が続出「本当に優しいなぁ」「尊すぎるよ…」
・『猫は絶対飼わない犬派のパパ』が元ボス猫と出会った結果…自宅を見てみると→『まさかの変化』が24万再生「素敵すぎる」「愛に泣いた」
・猫が甘噛みをする6つの理由としつけ方法
・テーブルに乗ろうとした猫→注意したら……思わず笑った『予想外の姿勢』が2万5000いいね「スキージャンプw」「飛び立つところw」