歯を抜いたほうがいい4つのケース!!メリットやデメリットは?

抜歯は人間でも身構えてしまうもの。それが愛猫のこととなると尚更ですよね。しかも、猫の歯を抜く場合は全身麻酔が必須になります。
"果たしてそこまでして抜く必要があるのだろうか"そんな不安を抱える飼い主さんのために、ここでは『抜いたほうがいいケース』を4つ紹介いたします。
合わせて歯を抜くメリットやデメリット、ご家庭で気をつけてほしいことなども詳しく解説していきます。
1.歯周病

猫は虫歯にこそなりませんが、食事による歯の汚れは回避することができません。
歯並びなどにもよりますが、特にウエットフードやペースト状のおやつは定着しやすく、それが歯垢となり、そのまま固まると歯石になります。
この状態が続くとやがて、、口腔内環境の悪化を伴い細菌が増殖することで歯肉や歯周組織に炎症を起こすようになります。それが歯周病です。歯周病がかなり進行すると歯を支える骨が溶けて破壊されてしまいます。
いわば土台ともいえる骨を失った歯は自立することが困難になり、グラグラと揺れ動くようになってしまいます。
重度の歯周病は違和感や痛みを伴うことがあるため、口腔内環境の改善が必要です。その過程でボロボロになった歯を抜く必要があります。
2.外歯瘻

上の歯が歯周病によって細菌の繁殖を起こし膿がたまった場合、その上にある皮膚を突き破って頬骨のほうに膿が流れていきます。
これを外歯瘻(がいしろう)といい、個体差はありますが強い痛みや違和感を伴うことがあります。歯周病と同様に該当する歯を抜歯し、炎症を鎮める治療が必要になります。
外歯瘻では歯のぐらつきはもちろんのこと、痛みや違和感から攻撃的になることもあります。
食事が食べにくい様子がある・次第に食欲がなくなり怒りっぽくなったなどの異変があれば動物病院を受診してください。
歯周病においても、外歯瘻においても定期的な歯磨きが予防に繋がります。猫専用の歯ブラシもしくは乳児用の歯ブラシで優しく磨いてあげましょう。(最低でも週2〜3回、毎日磨けることが理想)
3.歯の破折

交通事故や家庭内での怪我が原因で歯が折れてしまう状態のこと。折れたまま放置すると歯の内部に細菌が侵入しやすくなり、歯髄炎や根尖膿瘍(歯根に膿が溜まる状態)に繋がりやすくなります。
そのため、歯の状態によっては抜歯が必要になるでしょう。
必須である全身麻酔に不安がある飼い主さんも多いと思いますが、術前検査といって必ず全身状態をくまなくチェックします。
その結果が良好であることを確認したうえで手術の日程を決め、場合によっては抜歯に取りかかる前に再度検査を行います。このように細心の注意を払いながら慎重に行うため、比較的安全です。
抜歯を行った際は、歯の掃除も並行して行わるケースも多いです。やはり綺麗な状態を維持するためには歯磨き習慣を身につけることが大切です。
4.乳歯遺残

本来であれば、生後3ヶ月〜6ヶ月頃に抜け落ちる乳歯がそのまま残り、その隣に永久歯が生えた状態を『乳歯遺残(にゅうしいざん)』といいます。
猫では珍しいのですが、この稀なケースが起こると歯並びが悪くなったり、歯と歯の間に汚れが定着して歯周病を招く恐れがあります。
将来的に歯周病になるリスクが高い場合には、遺残した乳歯と隣合った永久歯を抜く場合があるのです。
猫は元々食事を丸呑みする習慣があるので、抜歯後も極端に食べにくくなる心配はありません。ただし、状況によっては柔らかいタイプのフードに変更したり、粒が小さなものに切り替える必要性が出てきます。
そして、先ほどから繰り返し登場している歯磨きのような口腔ケアも意識しなければなりません。よって獣医さんの指導の元、日々お口の中を清潔に保てるようにケアをしてあげましょう。
まとめ

今回は、猫の抜歯について紹介いたしました。ここで再度、ポイントを整理していきます。
まず抜歯が必要になるケースは、歯周病・外歯瘻・歯の破折・乳歯遺残などです。その他にも、口内炎の原因が歯にある場合は抜歯することがあります。
それぞれの治療方針は猫の全身状態や現在感じている症状、負担などをすべて合わせて考慮してどの方法が最善かを検討します。
他の疾患でも抜歯という選択肢が見られることもありますが、抜歯の必要性や治療方針としての優先順位などをしっかりと話し合うことをおすすめします。
歯を抜く最大のメリットは、痛みや不快感からの解放です。再び食べる喜びを味わうことができるようになり、健康状態が良くなる可能性も高いです。
デメリットとしては、全身麻酔による多少のリスクが残ること、そしてそれまでと同様のフードが食べられなくなる可能性があることです。不安なことは遠慮なく獣医さんに相談し、納得したうえで抜歯をお願いすると良いでしょう。
抜歯後の注意点としては、これまで以上に口腔ケアに力を入れてほしいということです。デンタルケアについては動画サイトでも情報を得ることができますので、獣医さんの指導をベースに参考にしてみると良いでしょう。
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