猫にもある社会性

猫は、犬と比較されて「単独生活を好むため社会性が低い」と言われがちです。確かに犬と比較すれば、社会性が低いというのは間違いではないでしょう。しかし、猫に社会性が備わっていないというわけではありません。
実際、外で暮らしているメス猫たちが、協力し合って子猫を育てているケースがあることや、オス猫が子育てに協力しているケースもあることなどが知られています。
また、猫と飼い主さんが見つめ合いスキンシップを重ねることで、人間の母子間に見られるような愛情や信頼の絆が形成されるという研究報告もあります。
相手が猫であるということを意識し、猫の習性に配慮しながらコミュニケーションを図ることで、飼い主さんの愛情や、危険だからやめてほしいといったことを愛猫に伝えることは、十分に可能です。
愛猫にあなたの気持ちを伝える方法

1.優しい表情、声のトーン、口調で話しかける
猫が、自分の名前や「ご飯」などのいくつかの単語の意味を理解していることは、大学などの研究報告から広く知られるようになりました。そのため、愛猫に飼い主さんのほとばしる猫愛を伝える手段として、"話しかける"という方法は、十分に有効です。
ただ気を付けたいのは、覚えてほしい言葉は同じ単語を使って何度も繰り返すこと、そして表情や声のトーン、口調は明るく優しい調子にすることです。猫は、単語を音として捉え、その際の飼い主さんの表情や声のトーン、口調などから、総合的に理解していると考えられているからです。
ポジティブな気持ちを伝える時には、やや高めの声色を使い、人間の赤ん坊に話しかけるように、ゆっくり丁寧に話すと良いでしょう。また、猫同士がよく行なっている「目を見つめながらゆっくりと瞬きをする」行動を真似るのも、愛情を伝える効果が高いです。
2.飼い主さんのニオイを嗅がせる
猫は、多くの情報を"ニオイ"から得ます。自分の縄張りや仲間に自分のニオイを擦り付ける"マーキング"も、ニオイという情報を活用する手段の一環です。愛情を伝えるためには、まず飼い主さんのことを知ってもらう必要があります。愛猫が近づいてきた時には、愛猫の気がすむまでご自身のニオイを嗅がせてあげると良いでしょう。
人差し指をそっと伸ばして愛猫の鼻先に差し出すと、クンクンとニオイを嗅いできます。これは、猫にとっての挨拶ですので、積極的に挨拶をしてあげましょう。
3.喜んでくれる部位を撫でる、ブラッシングする
猫は、セルフグルーミングといって自分で自分の体を隅々まで舐めたり舐めた肉球で撫でたりして毛繕いを行います。こうすれば、お風呂に入らなくても全身を綺麗な状態に保てるのです。
多頭飼育の場合、自分ではなかなか届かない部位を、猫同士で舐め合っているのをよく見かけます。飼い主さんも、愛猫の耳の付け根や顎の下、頭、首などを積極的に撫でたりブラッシングしてあげましょう。愛猫は、飼い主さんの愛情を感じ取ってくれるはずです。
4.一緒に遊ぶ
猫の1日の過ごし方を見ていると、多くの時間をうつらうつらとして過ごしています。これは狩をするための体力を温存するために身につけた猫の習性だと言われています。つまり、猫にとって1日のうちで大切なのは、狩をして食事をすることなのです。
人と一緒に暮らしている猫にとっても、狩は大切な行動の1つです。飼い猫にとっての狩は、飼い主さんと一緒に行う"遊び"です。猫じゃらしやボール、レーザーライトなどのおもちゃは獲物の代わりで、この擬似的な獲物を捕まえる遊びが、現代の猫にとっての狩というわけです。
飼い主さんが一緒に狩ごっこをして遊んであげると、猫は狩猟本能が満たされ、ストレスを発散できて心の安定を得られます。またお互いの信頼関係や愛情の絆も深まると言われています。
愛猫に「やめて」と伝える方法

1.タイミングを損なわない
猫は時として、危険なことや家の壁・家具などを傷つけるなどの困った行動をすることがあります。その時に「それをやってはいけない」ということを教えることは、愛猫の安全を守るためにも、お互いに快適に暮らすためにも必要なことです。
その時に大切なのが、タイミングです。やって欲しくないことをしようとしたその瞬間に「やめて」と伝えるのが理想ですが、間に合わない場合でも、行動の直後でなければ伝わりません。やめてほしい行動をした後数秒以内に、少しきつめの口調で1回、「ダメ」などのやめてほしいことを伝える短い言葉を使って伝えましょう。
留守中の粗相やいたずらに対して叱ったり、いつまでもくどくどとやめてほしいことを説明しても、愛猫には全く伝わりません。
2.言葉以外で伝える方法
猫は、自分の行動の結果として「嫌なことが起きる」ことを学習すると、その行動をしなくなります。この方法を利用することで、猫にして欲しくないことを伝えることも可能です。
例えば、飼い主さんの気を引こうとしていたずらをしているような場合は、「無視する」という行為をすることで「いたずらをしても効果がない」と学習します。
また「ダメ」などの言葉の代わりに、猫が驚くような不快な音を聞かせることでやめさせることもできます。ただしこの場合は、不快な音を飼い主さんが出していることに気づかれないように気をつけましょう。
3.感情的にならない
愛猫に「してはいけない」ことを伝える際に、感情的に声を荒げたり怒鳴ったり、ましてや手を出したりするのも、意味がありません。
「してはいけない」という意図が伝わらないばかりか、ただ怖がらせてしまうだけで、これまで築いてきた信頼関係を壊してしまうことも多いです。
まとめ

猫と会話をすることはできませんが、いつも同じシチュエーションで同じ言葉を使って話しかけると、猫はその単語の意味を理解し、覚えてくれます。このことを利用すると、自分の気持ちを「好き」などの単語で愛猫にストレートに伝えることも可能です。
また、猫の習性を理解することで、表情や声のトーン、口調、瞬きなどの方法を使って、ほとばしる愛情を伝えることもできるようになるでしょう。ただし、あまり愛情がほとばしり過ぎてしまうと、過干渉となり嫌われてしまうかもしれませんので、気を付けましょう。
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