こんなお困り事はありませんか?
「インターホンが鳴ると、猫が慌ててどこかに隠れてしまい、いつまで経っても姿を現さなくなる」ということはありませんか?筆者の飼っている猫は、インターホンの音がすると飛び上がるほど驚いた後、あっという間に隠れてしまい姿が見えなくなります。
その後、来客が帰ってしまうまで一切姿を現さず、気配さえも消してしまいます。ずっと飲まず食わずで、トイレにも行きません。来客の帰宅後も、自分から姿を現すまでは、どこに隠れているのか全く分からず、心配し続けるしかありませんでした。
すぐに帰る来客ばかりではありませんので、愛猫の健康のためにもなんとかしなければと考え、対策を考えることにしました。
猫がインターホンを嫌がる理由
まずは、猫がインターホンの音を嫌がる理由について調べてみました。
1.突然大きな音が鳴る
猫が嫌がる音の中には、掃除機やドライヤーといった家電品も含まれます。しかしこれらの音は、飼い主さんが使用する際に発生するため、飼い主さんの行動を見ていれば、音の発生を予想できます。
しかし、全く何の前触れもなく音が出るのがインターホンです。予想できないタイミングに音がするため、驚くのは致し方ないことだといえるでしょう。
2.来客の合図だと知っている
猫は、物事の関係性を記憶して自分の次の行動を決定する、高い学習能力を持っています。そのため、飼い主さんがどんなに隠そうとしても、「動物病院に連れていく気だ!」などと見抜かれてしまい、苦労している飼い主さんは多いはずです。
つまり、猫はインターホンが来客のサインだということを知っているため、音に驚くだけではなく、その後の来客を予想して身を隠すと考えられます。
筆者の飼っている猫と違い、見知らぬ人に会っても臆することなく仲良くなろうと近づいていける社交性のある猫なら、おそらく隠れるようなことはないでしょう。子猫時代の社会化の重要性をひしひしと感じる瞬間です。
3.過去に嫌な経験をしたことがある
猫は、過去に経験した大切な出来事を忘れません。危険な目に遭ったり、死ぬほど嫌な思いをした経験は忘れず、危機回避策をとるようになります。そのため、来客で嫌な思いをした猫は、その後もずっと来客を嫌うようになります。
筆者の家で飼っている猫もそうでした。まだ小学校低学年だった甥が遊びにきた際、子猫だった愛猫を追いかけ回してこたつの中に追い詰めたことがあります。
もちろん甥に悪気はなく、ただ一緒に遊びたかった一心だったのですが、猫にはそれが伝わりませんでした。
それ以来、甥が大人になった後も、決して甥には近寄ろうとしませんでした。インターホンの音は来客を告げる音であると同時に、甥との怖かった経験を想起させる音でもあるのかもしれません。
慣れさせるためにできること
来客中は身を隠し、飲水も排泄もしなくなる状況をなんとかするために行なった、筆者の家での対策をご紹介します。
専用の隠れ家を作る
来客を通すのは居間までとし、その奥の部屋の隅に、猫の身体にジャストサイズの小さな段ボール箱を置き、猫の隠れ家にしました。出入り口は箱の側面に設け、居間からは見えない方向に向けました。
また隠れている間は絶対に覗かず、無理矢理引っ張り出さないように徹底しました。隠れ家の入り口付近で来客からは見えない位置に、トイレと水飲み皿も設置しました。
来客は怖くないと覚えてもらう
親しい友人や離れて暮らしている家族に協力してもらい、筆者の家に訪問した時には、必ず隠れ家に近づかないようにしてもらいました。また、猫を怖がらせるような大きな音を立てたり、大声を出さないようにもお願いしました。
妹や両親が宿泊する場合は、常に猫に無関心でいるように頼みました。何度か経験する内に、お陰で妹や両親の来訪時には隠れなくなりました。見知らぬ来客の時は隠れますが、隠れ家が分かっているため安心して接客できるようになりました。
インターホンを鳴らさないようにする
高齢になって脳炎を患った愛猫は、目覚まし時計のアラーム音などを契機に発作を起こすようになりました。そのため、インターホンを鳴らさないようにしようと考えました。
方法は簡単で、玄関のドアに「インターホンを鳴らさずにドアをノックしてください」と書いた紙を貼り付けただけです。
宅配便の配達員なども張り紙に従ってくれたため、少なくともインターホンの音で発作を起こすことはありませんでした。ノック音もよく聞こえたため、生活に不便は生じませんでした。
まとめ
愛猫を家族に迎え入れた時、私にはまだ猫に関する知識が乏しく、社会化という言葉も知らなかったため、非常に臆病な猫に育ててしまいました。
それが原因で、ことさらインターホンの音に敏感な猫にしてしまったと後悔し、ストレスを少しでも減らそうと、隠れ家を作ったり、少なくとも特定の来客に関しては、猫にとって無害な存在であることを学んでもらうようにしました。
ある程度は成功し、愛猫のストレスも少しは和らげられたと思っています。これは全て、相談に乗ってくださった獣医師や看護師の方々、そして猫の行動について研究を重ねている専門家の著作のお陰です。
猫との暮らしで困っていることがあるのなら、ぜひ専門家を頼ってみてください。
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