1.逃げる
地震が来る前、猫が慌てて逃げだしたという報告が多数挙がっています。人間が揺れに気が付く前にどこかへ走って行くため、飼い主にとっては「猫が突然走り出した」という状況です。
このような猫の様子はSNSやブログで紹介されることもありますが、多くの猫は棚の上や2階など高い場所に向かって逃げるようです。
扉をカリカリ引っ掻いて部屋を出ようとしたり、母猫が子猫を咥えてどこかへ逃げたり、中には、家を飛び出してそのまま迷子になってしまった猫までいるようです。他にも、いつも家に遊びくる野良猫たちが、地震数日前から姿を見せなくなった、という声も。
『地震前に野良猫が姿を消す』という話は有名ですが、家の中で飼われている猫も、安全な場所に避難しようとしているのかもしれません。
2.隠れる
地震前に愛猫が必死に身を隠したという経験を持つ人も多いようです。家の外に出られないことを理解している猫は、頑丈な家具やベッドの下など、なるべく身を守れる場所に向かう傾向があるようです。
2018年6月、とあるネコカフェでの地震前の様子がSNS投稿され話題となりました。動画には、揺れる直前の猫たちの様子がおさめられています。不安そうな顔でキョロキョロしたりウロウロ歩き回る猫がいる一方、窓辺のキャットタワーから速やかに大きな棚へと移動する猫の姿も見られました。
猫は、家の中で最も安全な場所や快適な場所を見つける能力に長けているといいます。また、猫が地震を察知したときの行動は、猫の性格によっても変わってくるといえるでしょう。
3.鳴き続ける
阪神淡路大震災で地震前に愛猫に異常行動があったと感じた人のうち、約47%が「異常に鳴いた」と回答したというアンケート結果があります。
この結果からは、少なくない数の猫が地震を察知して異常な声を発していたことが推測できます。しかも、多くの猫が「2~3日前から鳴き声が変わった」というのですから驚きです。
また、記憶に新しい東日本大震災でも、「動物達の異常行動による地震予知」を研究している矢田准教授の飼い猫が異常行動を起こしたそうです。阪神淡路大震災のアンケート結果と同様、2匹の保護猫が2日前から妙な声で鳴き始めたというのです。
この鳴き声が何を意味するのかは、今もって分かってはいません。しかし極めて落ち着かない様子で鳴いていたという報告から、恐怖や不安、警戒という気持ちがあったと想像できます。
4.歩き続ける
昨今、地震前に猫の活動量の変動に関する検証が『一般社団法人 地震予兆研究センター(EPRC)』により行われました。
関東の猫30匹を対象にしたこの実験では、地震2~3日前から活動量に明らかな増加が認められたそうです。
なお、検証結果では『今後さらに規模を拡大して検証を行っていく必要がある』と締めくくられていますが、この結果から、地震前の猫が混乱状態に陥る様子を想像させられます。
前述したネコカフェの動画でも、地震直前にウロウロと歩き回る猫の姿が確認できます。さらに地震前の飼い猫の様子を撮影した別の投稿では、突然猫が耳を立て、眼をまん丸に見開き、いそいそと2階に上がっていく様子が紹介されています。
猫が地震が来る前に意味もなくウロウロ歩き回るのは、突然の異常にどうしていいか分からず困惑しているからかもしれません。
また、単に歩き回るだけでなく、突然攻撃的になってしまう猫もいるようです。心配した手を差し伸べた飼い主の手に噛みついたり、「シャー!」と威嚇するような声を上げる猫の姿も確認されています。
まとめ
猫が地震前に異常行動をするのは、『人間には感知できない揺れや磁場の変化、静電気などを感知しているからだ』といわれています。
猫以外の多くの動物でも地震前の異常行動が報告されていますが、警戒心が強く繊細な猫はとくに鋭く察知するのかもしれません。
万が一のときに猫の安全を確保できるよう備えておくことも、飼い主の役目ではないでしょうか。
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