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猫にも『くすぐったい』という感覚はある?足の裏やワキ…人とは違う感覚?


猫が「くすぐったい」と感じるかどうかは、科学的には不明確ですが、一般的には猫を含むいくつかの動物が「くすぐり」に反応を示すことが知られています。愛猫をくすぐった時の反応はさまざまで、一部は無反応だったり、気持ちよさそうにしたり、逆に驚いて抵抗することもあります。このような反応の違いは、くすぐる部位や力加減、猫の心理状態、および飼い主との関係性によって異なるようです。ラットの研究では、くすぐりと社会的な遊び行動には強い関連性があることが示されています。したがって、「くすぐり」を通じて愛猫とのスキンシップを深めることが可能かもしれません。ただし、猫の個体差を考慮し、その猫に合ったスキンシップを心掛けることが重要です。

猫にも「くすぐったい」という感覚はある?

研究室のラット

人は、くすぐられるとなぜか笑ってしまいます。実は「くすぐられて笑う」ことが科学的に確認されている動物は、人を含む一部の霊長類とラットのみなのだそうです。

ラットは、ポジティブな感情の時には50KHzの、ネガティブな感情の時には22KHzの声を出すことが分かっています。尤も、人が聞き取れる周波数は20Hz〜20KHzなので、実際にラットの声を聞くことはできません。

2016年にドイツのフンボルト大学のミヒャエル・ブレヒト教授と石山晋平研究員が、『ラットの体性感覚皮質におけるくすぐったさと相関する神経の活動』という論文を発表しました。

「ラットの背中やお腹をくすぐったり優しく撫でたりすると50KHzの笑い声を発する」「くすぐられたラットはさらにくすぐることを要求するような行動をとる」「ラットが不安な状況の時にくすぐっても反応が鈍い」「くすぐったさと社会的な遊び行動には強いつながりがある」ことなどが分かったそうです。

さらにこの論文では、『科学的なエビデンスはないものの、一般的にイヌ、ネコ、ブタ、ハリネズミなどの哺乳類だけでなく、サメ、マスなどの動物も、くすぐりに対し反応を示すことが確認されている』としています。

もしかすると「くすぐる」ことで、愛猫と新たなスキンシップを図れるかもしれません。

実際に猫をくすぐったときの反応

くすぐられる子猫

過去に筆者が愛猫をくすぐった経験では、猫が示す反応はさまざまでした。

  • 無反応
  • 目を閉じて気持ち良さそうな表情をする
  • くすぐっている手に抱きついてくる
  • 驚いて固まる
  • 逃げようとする
  • 抵抗する 等

上記は、実際に筆者が我が家の3匹の猫に対してくすぐった時の反応です。厳密な研究を目的としていたわけではありませんので、その時々でくすぐった部位や力加減は異なります。

猫たちは、喜んだり嫌がったり何も感じていなさそうだったりと、本当にさまざまな反応を示しました。これは、くすぐった部位やくすぐった時の刺激の強さ、くすぐられた時の猫の心理状態、猫と筆者との関係性などが影響していたのでしょう。

人の場合、ワキの下をくすぐられるとかなり強く反応するケースが多いのですが、我が家の猫たちは、ワキの下に当たる前脚の付け根あたりをくすぐっでも、反応しないことが多かったです。人と猫とでは、やはり敏感な部分が異なるようです。

また、猫の個体差も大きいと感じました。例えば肉球は猫にとってとても敏感な部位なので、軽く撫でるとかなりくすぐったいのではないかと思うのですが、肉球を軽く撫でられながら眠るのが日課の猫もいれば、肉球を触ろうとしただけで抵抗する猫もいました。

愛猫との関係性を深めるスキンシップ

お腹をくすぐられる猫

冒頭でご紹介した論文では、『科学的エビデンスはないものの、猫もくすぐられると反応を示す』とされていました。しかし、「猫にはくすぐったいという感覚はさほどないようだ」と言っている別の動物学者もいらっしゃいます。

猫がくすぐったいと感じているかどうかは、結局のところ、猫に直接確認してみる以外には分からないということです。

ただし、くすぐったい感覚と社会的な遊びに強い関連性があるのではないかというラットの研究は、相手との関係を深めるためにスキンシップが大切であるということを、改めて教えてくれているのではないかと思われます。

くすぐったいと感じるであろうごく軽いタッチから少し強めのタッチまでを、猫が嫌がらない部位に対して試してみることで、その猫にあった撫で方を見つけられるでしょう。その子に最適な撫で方でスキンシップを図ることで、愛猫との関係をさらに深めることができるのではないでしょうか。

まとめ

足先をくすぐられる子猫

人間関係においては「嫌い嫌いも好きのうち」というケースが稀に見られます。しかし、人と猫との関係においては「嫌い嫌いは大嫌い」のようです。飼い主としては、できるだけ愛猫から嫌われないようにスキンシップを図っていく必要があるのです。

くすぐったいのではないかと思うようなスキンシップを好む猫もいれば、もっとワイルドにワシャワシャと撫でられたいという猫もいます。

愛猫と良い関係を築くためには、個々の猫と向き合い、その猫にあった撫で方を見つけ、決して嫌がられないスキンシップを図ることが大切なのだと思います。


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