猫が急にご飯を食べなくなる5つの原因
猫がご飯を食べないと、健康上の問題が心配ですし、なにより原因が分からないというのは、飼い主にとっても精神的な負担になります。
ここでは、猫がご飯を拒否するときの一般的に考えられる原因を5つ紹介します。
1.フードの問題
猫が突然食べなくなったときは、フードに「飽きてしまった」か「新しいのはイヤ」のどちらかが考えられます。
長期に渡って、同じものを与え続けていると、猫は飽きてしまうということがあるからです。
逆に、急な食事の変化を好まず、新しいフードに切り替えると突然ご飯を食べなくなるケースもあるので、切り替えるときは要注意です。
購入したフードのブランドは変更していなくても、原材料の一部や製造方法がリニューアルされていることもあります。
2.食事中のイヤな記憶
食事中にイヤな思いをした経験から、食べるのを拒むようになることもあります。
たとえば、同居しているほかのペットからのちょっかいや不快な匂いや音、訪問者のインターホンでも、食欲不振の原因になることがあります。大きめの地震も考えられます。
猫は飼い主が思っているよりも、食事中の警戒心は強くなるため、一度経験した感情には、強いインパクトが残ります。
そのため、猫が自分で「実害はない」と理解できるまで食べてくれないかもしれません。食事中の環境が問題となっているのであれば、思い切って食事をする場所を変えてみるのも良いかもしれません。
3.おなかが空いていない
猫は季節や気温によって、食事の量に増減がある場合があります。例えば天気や気温の変化によっては、食べることよりも眠っていたいこともあるでしょう。運動量の変化なども気候によってあることもあります。
また、単におやつを食べたせいで、お腹が空いていないのかもしれません。
食べたものにもよりますが胃を通過するのに、2~4時間かかることが一般的といわれています。
健康的な問題がなければ、数時間経てば空腹を感じるはずですので、時間を置いて様子を見てみましょう。
4.お口が痛い
ウイルスや腎疾患による脱水などが原因となり、猫は口内炎になりやすいといわれています。
3歳以上の猫のうち、80%以上が歯肉炎などの口腔疾患を持っているといわれるほどです。
通常、歯周病や歯肉炎・口内炎になると強い痛みや違和感が発生するので、元気がなくなるのが普通です。
しかし、なかには痛みに強い子がいて、ふだん通りの生活をしつつ、食事だけを避けることもあります。
猫がやたら頻繁に口まわりを気にするときには注意が必要です。
5.消化器官の不調
猫が急に食事を拒否するもっとも一般的な原因は、健康上の問題でしょう。
どの内臓疾患でも食欲不振は起こりますが、なかでも消化器系の不調は、突然の食事拒否に直結します。
たとえば、急性胃腸炎や膵炎、急性の肝臓や胆のうのトラブルは急激に悪くなります。
また、食べないだけでなく嘔吐や下痢なども併発します。連続して吐いたり、元気がなくうずくまったりしてご飯を食べないのであれば、病気を疑う必要があります。
受診が必要なケース
前述の5つの原因の中で、できるだけすぐに病院へ行きたいのは、口腔疾患と消化器系疾患です。
もし、開口やよだれ、口まわりの過剰なグルーミングなどがあれば、歯肉炎などがあるかもしれません。
また、消化器疾患は、ご飯を食べないこと以外に下痢や嘔吐、元気がなく寝てばかりいるなどの症状が見られることがあります。
24時間食べることをボイコットしたら、念のため、動物病院で検査を受けるようにしましょう。絶食が続くと猫の肝臓はダメージを受けて、より状態が悪くなる特性を持ちます
判断がつかない状況では、決して何日も様子を見ないようにしてください。
健康上問題ないときの対策
猫の食欲不振で病院に行き、検査の結果「特に問題ありません」と言われたら、おうちでのケアが必要になります。しかし、大丈夫といわれても、そのままご飯を食べてもらえないと困ってしまいますね。
あくまでも参考ですが、次のような対策を試してみてください。
食事の変更はトライアンドエラー
前述したように、フードを変更したばかりなら、一旦元のフードに戻して食欲を取り戻してみる方がよいでしょう。
新しいフードに切り替えるときは、これまでのフードに1〜2割混ぜて少しずつ割合を増やしていきます。慎重派の猫には10日くらいかけて、ゆっくり慣らしてあげるとよいでしょう。
ただし、どうしても好きではない場合は、諦めてほかのフードにすることも大切です。
いまは各メーカーからおいしいフードが出されています。いろいろと試してみて、よく食べるものを知っておくと将来的にも役立ちます。
安心できる食事環境を整える
何かイヤな思いがきっかけでご飯を食べないとわかったケースでは、安心できる環境を再現していく必要があります。
- これまでと違う場所で食べさせる
- 置き餌はやめて定時給餌にする
- 同居ペットは時間をズラして食べさせる
- 食事中だけ部屋を分ける
- 食べ終わるまで近くで見守る
これらを試してみてください。
2~3日しても食欲が戻らない場合は、「前回大丈夫と言われたから」とあきらめずに、もう一度病院へ相談にいくことも必要です。
一度受診をした際に、次の治療や処置へと進むステップはどの段階で判断すればよいかということをあらかじめ聞いておくと安心です。
まとめ
猫が突然ご飯を食べなくなった理由を知っておくことは、無駄な心配をせずに、適切に対応するためにはとても大切です。
猫は身体に問題があると、エネルギーの消耗を抑えるために食事を摂らなくなります。どこかに痛みがあればなおさらです。
もし、丸一日何も食べない状況になったら、念のため動物病院を受診しましょう。元気にしていてもどこかに不調があるかもしれません。
また、健康上問題のない猫でも、食にこだわりがあると好みの問題で食べないこともあります。
いつまでも心配していると精神的にも消耗しますから、何より猫の健康を守るために適切なケアを提供することが大切です。
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