雨が降りはじめた深夜、どこまらともなく「にゃーん、にゃーん」というか細い声が……。
あなたはきっと、懐中電灯を片手に外に飛び出して行くはず。そうです。猫との出会いは突然です。あなたの運命の相手は、深夜、早朝、あなたの家の軒下あたりで待っているかもしれません。
私の経験上、猫はとてもベストなタイミングでやってきます。仕事が一段落したとき、前に暮らしていた猫の1周忌が終わったとき、あなたの心の穴を埋めるように、鳴き声であなたに合図を送って来ます。
「人は猫を知っているようで知りません。 逆に猫はよく人のことを知っています。」
という名言を語っているのは動物写真家・岩合光昭さん。あなたが猫を拾ったのではなく、猫があなたをロックオンしたのかも。それならもう面倒を見るしかありませんよね。
野良猫を突然拾ってしまった!そのときあなたがまずするべき事をご紹介します。
■子猫の場合
外で子猫を見かけたら。誰かが意図的に捨てたのではない限り、そばに母猫がいるはずです。子猫が鳴いているのを見かけたら、まずは母猫がいないかちょっと様子を観察してください。
何らかの事情で母猫とはぐれたか、捨てられたと判断したら、すみやかに確保して暖かい寝床と食事を用意しましょう。
明るい場所で、子猫の状態を確認します。怪我していたり、様子がおかしい、ノミがいる場合はすぐに動物病院へ連れて行きます。子猫は体力がないので、すみやかに行動してください。
そしてやりがちなNG行為が、子猫に「牛乳」を与えること。成猫の場合は牛乳を好む猫もいますが、通常猫に牛乳を与えると下痢の原因になることが多いのです。子猫には「猫用のミルク」もしくはヤギミルクなど、猫が飲んでも大丈夫なミルクを与えた方が安心です。
■迷い猫の場合もある
拾った野良猫がとても人懐っこい、人間を警戒しない場合、考えられる原因は2つ。どこかで飼われていた「迷い猫」か、地域で世話をされたことがある「地域猫」です。
地域猫できちんと避妊・去勢されている場合は、片方の耳が桜の花びらのようにカットされた「さくら耳」をしているかも知れません。
迷い猫なら、首輪をしていた跡があったり、首の後ろにマイクロチップが埋め込まれている可能性も。今頃飼い主さんが血眼になって探しているかも知れません。
この場合は、最寄り保健センター、保健所に問い合わせて猫を探している人がいないか確認することが大切です。猫の写真を撮って、保護した場所、時間、猫の特徴を描いたチラシを作り、家の周りと近所の動物病院に貼ってもらっても良いでしょう。
猫は日本では「物」扱いなので、猫を拾った場合は「拾得物」となります。最寄りの警察に猫の飼い主が届け出ているかも知れません。交番に猫のチラシを持っていき、保護していることを伝えるのもマストです。
■動物病院でやるべきこと
健康な猫だったとしても、やはり動物病院で診察はしてもらいましょう。獣医の先生が知っている猫かもしれませんし、猫がいなくなって探している人は、かかりつけの動物病院にも連絡していることが多いのです。
動物病院で「猫を拾ってしまった」といえば、簡単な健康診断とマイクロチップの有無を調べてくれるはずです。マイクロチップが装着されていれば、飼い主がいる可能性は高いでしょう。反対に、マイクロチップもなく、ノミがいて健康状態があまり良くない猫の場合は野良猫の可能性あり。
その場合は、あなたが新しい飼い主さん候補ですよね。避妊・去勢、ワクチンの接種など、獣医の先生と相談しながら準備をする必要があるかも知れません。
■最後に
野良猫を突然拾ってしまったとき。猫は「拾得物扱い」ですから、半年飼い主さんが現れなかったらその猫はあなたと暮らす権利が発生します。
まずお願いしたいのは、猫を拾ったら、「自宅で保護」して欲しいと言うこと。警察や保健センターに保護してもらうと、数日で処分されてしまう可能性があります。
日本は動物殺処分0を目指して頑張っていますが、それでも全ての猫が処分を免れるわけではありません。
もし自宅でどうしても飼えない時は、動物保護団体の連絡先を教えてもらい、どうするか相談するのもアリです。
猫は福を呼んでくれる賢い動物です。野良猫があなたを見つめて鳴いていたら、それはもう運命だと思いますよ。。。