のんびり暮らしているように見えて、猫もココロにストレスを感じているのかも。猫が問題行動を起こす時は、猫の体に異変が起こったり、ストレスを感じているときです。
実際に起こった事例をもとに、『しぐさでわかるネコの健康と病気』の著者、東京大学大学院農学生命科学研究科助教授、竹内ゆかり先生の回答を参考にした対策法をご紹介します。
■攻撃的な行動に困っています
「親戚の人が遊びに来た時、親戚の子供が猫を抱こうとしたら威嚇して引っかこうとしました。普段は猫は家族にこんな行動はしませんが、この攻撃的な行動は治らないのでしょうか。」
猫も性格によっては他の動物や人間との接触を嫌うことがあります。ましてや見ず知らずの人間にいきなり触られるのは恐怖に感じることもあるでしょう。
動物が相手に恐怖を感じた時、威嚇したり攻撃的な行動をするのは当たり前の反応です。怖がりの猫の攻撃行動は徐々に慣れされるしかありません。
怖がりの猫と暮らしているときに来客がる場合は別の部屋に猫を移動させるなど対応が必要です。
■トイレ以外の場所で排泄する
「私に赤ちゃんが生まれ、病院から家に帰ってしばらくの間、猫がトイレ以外の場所で排泄する
ようになりました。これは新しい家族が増えて一時的にストレスを感じているのでしょうか?」
ストレスを感じた猫が排泄で異常を示すことがあります。トイレに行く回数が増えた、逆にほとんど行かなくなった、トイレ以外の場所で排泄するようになった……などなど。
トイレの場所が変わって、落ち着いて排泄できない場所になった場合もトイレを嫌って他の場所で排泄することがあります。
猫がよく排泄をする場所を観察して、そこにトイレを置いてあげるのも方法の1つです。
■外へ出たがる
「外に出られないと家中を歩き回ったりドアの前で尻尾を左右にパタパタと大きく振ったりします。そんなときは外に出してあげると急いで庭に走ります。やはり猫はずっと家の中にいることはストレスなのでしょうか。」
その猫がもともと家内育ちがそうでないかによって猫の問題行動は違ってくるでしょう。外の世界を知っている猫は家の中に閉じ込められれば当然ストレスを感じます。
しかし完全に室内飼いの猫の場合、外へ出さないことを徹底した方が良いです。一度外の世界を知った猫は再び外へ出たくなり、その欲求自体がストレスになります。
■布などを食べる
「我が家の猫はとても寂しがり屋です。留守番をさせられるのがとても嫌らしく、家の中に1匹だけにすると留守の間にビニールや布などを食べちぎっていたりします。やめさせる方法はありますか?」
猫が布を食べてしまう行動はよく聞きます。(ビニールを食べることはあまりありません)猫が食べ物以外のものを食べてしまう時は、猫草などを与えると治ることもあるようですが、ストレスが原因の時は対応が異なるかもしれません。
留守番のストレスが布を食べる原因かどうかはわかりませんが、飼い主さんがもっと猫と遊ぶ時間を増やしてみるのも方法の1つです。
■スプレー行為をするようになった
「新しくオス猫を飼い始めたところ、今までいた先住猫(オス)がスプレー行為をするようになりました。完全室内飼いですが、去勢手術をすれば治りますか?」
猫は新しく来た猫を「侵入者」と感じてそのストレスから自分のテリトリーを示すためににおい付け行動(スプレー行為)をすることがあります。去勢するとこの行為はほとんどなくなります。(しかし0%ではありません。)
猫同士が良い関係を築けない場合は、部屋を分けて飼うなどの対策が必要です。
■最後に
猫の問題行動。飼い主さんは悩んでしまいますよね。徐々に慣らしていけば治ることもあれば、ストレスの元を特定して対応が必要な場合もあります。
また、その問題行動が、猫の性格やストレスによるものではなく、病気が原因で起こしていることも考えられます。
問題行動は病気ではない、と思いがちですが、最近はこの問題行動を専門的に治療する動物病院も増えています。
猫専門の病院もありますから、猫の問題行動に悩まれてたときは、専門家の意見を聞いてみてはいかがでしょうか。