口の中の粘膜に炎症が起きる病気を「口内炎」と言います。実は猫の口内炎は猫がとても辛い思いをする深刻な病気。
人の口内炎は、水疱がポチッと数個できて、痛みはありますが数日で治るのが普通です。しかし猫の口内炎は、口の中全体が真っ赤になるほどのひどい炎症が起きて、激しく痛み、何年間も治らないことが多いのだとか。
ほっておくと食欲が低下し、様々な病気の原因となって、最悪命にかかわることもあるそうです。
猫の口内炎は予防と早期発見が大切。
今回は、猫が口内炎になる理由と早期発見する方法を調べてみました。
■猫が口内炎になる理由
まず猫の口内炎の特徴とは、
・のどや口峡部など、歯垢、歯石が付かない部分にも炎症が起こる。
・ウィルス感染している猫に多い。(特に猫カリシウィルス、猫免疫不全ウィルス、猫白血病ウィルス)
・歯石、歯垢が多く付着している猫に多い。
・中年齢、5歳以上の猫に多い。
と言われています。猫が口内炎になる理由は、まだはっきりとはわかっていません。しかし猫自身の免疫システムの異常(アレルギーと同じような過剰反応)が関係していることは間違いはないようです。
なぜなら、のどや口峡部など、歯垢、歯石が付かない部分にも炎症が起こりますが、歯石、歯垢が多く付着している歯をすべて抜歯すると治るケースが多いからです。
また、ウィルス感染している猫と、歯石、歯垢が多く付着している猫に多いことから、ウィルスや細菌の存在も関係していると考えられます。
■口を見なくても分かる!口内炎を早期発見する方法
猫が口内炎になると、まず変化が現れるのが「食べ方・飲み方」です。口内炎になると、口の中全体が痛くなることが多いため、下記のような症状が見られます。
・フードや水に口をつけようとしてやめる。
・食べながらフードをボロボロこぼす。
・食べながら首を横に振る、声をあげる。
「13歳になった愛猫コトラは、食べながら首を傾けたり、時々首をプルプルっと振る様子が見られるようになりました。ひどい時はその後急にどこかへ走り去り、残りのフードを食べませんでした。」
猫の口内炎はひどく痛むのが特徴です。フードや水を食べようとも飲もうともしなくなったときはかなり重症ですから、すぐに病院へ連れて行きましょう。
■口臭がする
猫の口臭も口内炎の早期発見のポイントです。匂いの変化は、初期に気付きやすいポイントですから覚えておくと良いでしょう。
口内炎をはじめ、口の中のトラブルが生じると、ツンとした口臭がするようになります。これは、口の中の細菌の匂い。猫が近くに来た時や抱っこしたときにいつもと違う匂いがしないか意識的にチェックすることを習慣にしてください。
■見た目から分かる!
「ももこが3歳の頃、口の両端が濡れて汚れていることに気付きました。また、血の混じったヨダレが口からぶら下がり、毛布にべったりと付いていました。」
猫の口内炎は、見た目にも変化が現れます。
・ヨダレが出ている、口の周りが汚れたり荒れたりしている。
・前足が汚れている、まだ毛が薄くなった。
・あくびをしたときに口の中が赤く見える。
このようなときは要注意。そして行動にも変化が現れます。痛みがあると猫は何度も前足で口周りを触ったり、ガムを噛むようにクチャクチャとすることもあります。また、下記のような症状にも注意してください。
・あまり動かなくなる。
・毛づくろいをしなくなる。
・口回りを気にして首を振ったり、前足で触ろうとする。
これらの行動は、口内炎に限らず、何らかのトラブルのサインです。早めに動物病院でチェックしてもらいましょう。
■猫の口内炎を予防する方法
猫の口内炎を予防する方法は、まずは口内の細菌を減らすこと。できれば毎日のデンタルケアがオススメです。
歯ブラシで歯磨きできれば理想ですが、猫が嫌がる場合は無理をせず、猫が好むデンタルペーストをちょっと舐めさせるところから始めるのも良いでしょう。
また、ウィルス感染を防ぐために定期的にワクチンを接種したり、なるべく猫にストレスをあたえないこと、栄養バランスの良い食事を与えること、そして何より、完全室内飼いにすることが大切です。
ほとんどのウィルスは、感染した猫と喧嘩やグルーミングをすることで感染します。愛猫が外で感染した猫と接触しないように、完全室内飼いを徹底し、脱走しないように注意することも大切です。