あなたは猫のウンチの「正常な状態」をご存知ですか?
もちろん猫の個体によって、ウンチの正常な範囲は異なりますが、4~5kgの成猫の場合、ウンチの回数は1日に1回程度。大きさは男性の人差し指の太さ以内でトータルで10cm弱程度だと言われています。
猫のウンチはおしっこと違って強烈なニオイはありません。犬と比べると割と硬めでコロンとした感じが多いようです。
老猫になるとややパサパサして石のように硬いウンチをする時もありますが、これも正常の範囲内です。逆に離乳期の猫の場合は柔らかめなのが特徴と言えるでしょう。
愛猫が下痢をしたとき。一番多く考えられる理由が「フードを変えた」ときですが、それや病気以外でも猫が下痢をすることがあります。
猫の下痢を侮るなかれ。特に発育期の猫が激しい下痢を続けた場合、腸のひだが変性して消化機能を助ける細菌の集まりが正常な状態に戻れなくなることがあるそうです。その結果、一生ウンチがゆるいままになってしまうことも。
今回は、猫が下痢をするときに考えられる7つの理由をご紹介します。
①食べ過ぎ
特に子猫の場合、自分で食事量をコントロールすることを知らず、あるだけ食べてしまって下痢をすることが良くあります。
フードを出しっぱなしに山盛りお皿に置いておくと、子猫の場合は食べすぎる傾向があります。その猫の体重に合わせた適量を与えるようにしましょう。
②ストレス
いきなり新しい猫がやってきたとき。自分のテリトリーに知らない猫が出現した場合、猫は精神的にストレスを感じます。
喧嘩をするわけでもなく、お互いに知らん顔で平和に過ごしているように見えて、ウンチが下痢気味だった場合はストレスサイン。しばらく隔離して様子をみるか、病院で相談したほうが良いでしょう。
③発情期
あまり知られていませんが、猫は発情期が近づくとウンチがゆるくなることがあります。猫によりますが、ウンチの回数も1日に3回くらいに増えて、水のような下痢便が1週間程度続くことも。
これは発情によるホルモンの変化が影響している下痢だそうです。心配な場合は病院で整腸剤を処方してもらうと止まる場合もあるそうです。
④人の食べ物
特に下痢便になりやすいのが牛乳です。牛乳に含まれる乳糖を消化できない「乳糖不耐性」の猫は、人用の牛乳を飲むと下痢をします。
それでも牛乳を欲しがる猫もいますから、その場合は猫用の牛乳を与えると良いでしょう。

⑤伝染病
1日に10回程度など、頻繁に噴射するように激しい下痢をしたり嘔吐する場合は伝染病の疑いがあります。
完全室内飼いでも、ウィルスは飼い主さんの服や靴について室内に侵入します。室内飼いでも予防のためにワクチン接種は考えたほうが安心です。
また、寄生虫によって下痢をする場合もあります。おかしいと思ったら早めに病院を受診してください。
⑥薬の影響
抗ガン剤、猫白血病など、薬を継続的に服用しなければならない生活を送っていると、猫が下痢をすることがあります。
猫は肝臓の仕組みが人とは違うため、病気の治療に使える薬の種類や量の見極めが難しいそうです。下痢が続く場合は薬を変えるなど、先生に相談すると良いでしょう。
⑦季節の変わり目
特にこれは老猫に多いようですが、夏の暑さが始まる時期や冬の訪れなど、ちょっとした気温の変化や季節の変わり目の時期に猫が下痢をすることがあります。
高齢な猫は自分で体温調節が難しくなり、温度の変化を受けやすくなります。寒いときはホットカーペット、暑い季節はクーラーをつけるなど、室内の温度調節に気を配りましょう。
また季節によってフードの種類や量を変えるなど、こまめに調整してあげてください。
■最後に
猫の下痢を甘くみてはいけません。もともと猫はあまり水分を摂らない動物です。下痢が長期化すると、体内の水分量が減り、他の病気になってしまう可能性もあります。
猫の下痢は1日はまず観察して様子を見ましょう。2日以上続くようなら動物病院を受診した方が安心です。
また猫の下痢は、誤食によって起こることもあります。ひも状のもの、食品用のラップ、薄いボタン、プラスチックのおもちゃなど、猫が誤食しやすいものを部屋に置かないことが大切です。