愛猫の体が不自由になったとき。愛猫が高齢になって自宅介護が必要になったとき。あなたはどうしますか?
いつか必ずやってくる愛猫の看病・介護。飼い主さんにとって「大きな課題」でもあります。愛猫の老後をどのように看取るのか、晩年の過ごし方について、一度は考えておきましょう。
老いや病気が原因で、猫は今まで自分でできていたことができなくなります。フードが食べられなくなったり、上手にトイレが使えなくなったり、寝たきりになることもあるでしょう。
飼い主さんにとっては辛い生活かも知れませんが、猫にとってもストレスや痛みが伴うことも。しかし猫の介護で大切なのは、飼い主さんの体や心のケアです。頑張りすぎない、そして後悔しないで猫を看取るために必要な3つの心構えを紹介します。
■自分の経済状況を把握する
いうまでもないことですが、猫の医療費は個人負担。手術、入院となれば高額な医療費が発生します。
猫の治療費や介護の費用をどうするかは飼い主さんによって様々です。しかし猫を介護することによって飼い主さんが経済的に破綻してしまっては元も子もありません。
自分の経済状況を把握しておき、どこまでお金がかけられるのか考えておきましょう。
私の周りには猫が10歳になったから月々3000円ずつ「猫貯金」をしている、という人もいますし、猫のための「老猫ホーム」を検討している人もいます。
ニューヨークにある「老猫ホーム」「長期滞在型猫」用の施設「サンシャインホーム」は、2004年にオープンした後、2008年までは定員いっぱいの入居者で運営されているとか。
全国各地から問い合わせが殺到しているそうです。日本でも保護猫団体や猫用のホテルなどが同様の施設を運営しています。そのような施設を利用するのも良いのではないでしょうか。
■手抜き、を悪いことと思わない
介護は24時間365日続きます。認知症になった猫の夜泣きで不眠症になった、という飼い主さんの話も聞いたことがあります。
あなたが猫を愛する気持ちはよく理解できますが、そのせいで体を壊してしまっては猫と共倒れになってしまいます。
介護が必要な猫を受け入れてくれるペットシッターや動物病院を上手に利用して、たまには「息抜き」をすることは大切です。
猫のために手抜きをするなんて、と思わず、疲れ切らないうちに人に頼るようにしましょう。
■愛猫の体の基本データを知っておく
愛猫の健康状態が良くなったのか悪くなったのか、その物差しとなるデータを知っておくことは大切です。
普段の食事の量やおしっこの回数、ウンチの色や硬さ、体重などは記録をしておくと良いかも知れません。
また、病気になると、いつ病院へ連れて行ったら良いかの目安が必要となります。愛猫の平均体温と脈拍数、呼吸数などは把握しておくと良いでしょう。
■愛猫の基本データの測り方
愛猫の健康状態を知っておくために、日頃からチェックしておきましょう。
・猫の呼吸数の測り方
猫の胸やお腹に手を当てて、呼吸の上下の動きを15秒間測り、4倍します。健康な猫の呼吸数は20~30/分。猫が口で呼吸するときは異常時です。病気の猫が喘ぐような呼吸をした場合は病院へ急ぎましょう。
・猫の脈拍数の測り方
猫の内ももに手を当てて、脈拍を15秒間測り、4倍します。健康な猫の脈拍数は120~140/分。リラックスした状態の時に測ってください。脈が早いと心臓疾患の疑いが。極端に遅い場合は脱水の恐れもあります。
・猫の体温の測り方
耳で計る体温計は簡単で便利です。より正確に計りたいときは肛門に入れて計りますが、慣れないと猫が急に動いたりして危険です。病院の先生にやってもらったほうが安心です。猫の平熱は38~39度程度。高熱や低体温の場合は病院で相談してみてください。
■最後に
愛猫を看取るとき。経験者に話を聞くと、どんなに精一杯介護をしても、亡くなった後に、ああすれば良かった、こうしてあげれば良かったと後悔するとか。
自分を責めてペット鬱にならないように、いざという時の心構えは大切です。そしてどんな方法で看取ったとしても、愛猫があなたのことを恨んで死んで行くことは絶対にないはず。
今のこの時間を大切にして猫との暮らしを楽しむことが、何よりも猫にとっては幸せなのではないでしょうか。