猫の歯磨きは、本当に難しい……(泣)という飼い主さんは多いようです。私も愛猫の歯磨きは本当に苦手。しかし先日、猫の健康診断で動物病院へ連れて行ったところ、先生から
「3歳を過ぎた猫の、約8割ぐらいの猫が歯周病にかかっているね。」
という話を聞いて反省しました。猫の歯磨き、飼い主が手抜きをすると先生にはすぐにわかってしまいます。
猫の歯周病は治療が本当に大変。歯周病は歯垢中の細菌が原因となって歯茎から炎症が起こる病気。猫の場合は治療に全身麻酔を使うことも良くあるそうです。
猫が歯周病になると、その痛みからフードが食べられなくなったり、細菌が歯茎の炎症部分から血管を通って全身に運ばれ、内蔵疾患を引き起こす可能性もあると言います。
健康の基本は歯磨きから?今回は、猫の歯磨きが苦手な飼い主さんでも、簡単に歯磨きができる方法をご紹介します。
■猫の歯の特徴を知ろう
成猫の歯は、「切歯(門歯)」が12本、「犬歯」が4本、「臼歯」が14本と、3種類の歯が上限で合わせて30本生えてています。
猫の切歯(門歯)はとても小さくて数ミリ程度しか外に出ていませんが、1説によると、獲物の肉をはぎ取る時にこの小さな歯がとても役に立つのだとか。
犬歯は猫の歯の中で一番長い歯で、これが獲物を仕留めるときの武器。そのため鋭く尖っています。
臼歯は人でいうと奥歯に当たる歯です。肉をかみ切るためにギザギザした形に尖っています。
■猫の歯で歯周病になりやすい部分はどこ?
猫が歯周病になりやすい部分は、犬歯の後ろ、専門用語でいうと、第3前臼歯と第4前臼歯。この部分の歯は他の歯よりも大きいこともあり歯周病になりやすいと言われています。
また、ある動物病院の獣医師によると、
「私の経験から言わせてもらうと、猫の上の第2前臼歯と下の第3前臼歯は猫の特有の病気である歯顎部吸収病巣という歯が溶けてします病気になりやすいです。」
とのことでした。
この歯顎部吸収病巣という病気は、一見みたところはわかりにくいのですが、歯茎が赤く腫れて
その部分の歯が溶けてしまう病気なのだとか。猫はこの病気になると歯がぐらついて硬い食べ物が食べられなくなってしまうので、抜歯することもあるそうです。
■長生きに繋がる簡単な歯磨きの方法とは
私が聞いた先生によると、猫の歯磨きに一番適しているのは、人の赤ちゃん用の「乳幼児ブラシ」
これはサイズ的にも猫の口にフィットすると言います。子猫にこの歯ブラシを使う場合は、歯ブラシの後ろの2列ほどのブラシ部分を短くカットすると使いやすいそうです。
歯磨きの方法としては歯ブラシは45度くらいに傾けて小刻みに動かすのがポイント。なるべく歯と歯茎の境目に当たるように意識するのがコツです。
歯垢は歯と歯茎の境目にたまりやすく、よく「歯周ポケット」と呼ばれます。人間でもそうですが、この歯周病になりやすいのはこの部分の磨き残しが原因だそう。
■上手に磨くコツは1分以内のすませること
ほとんどの猫は歯磨きが大嫌い。長時間耐えられることはまずないでしょう。猫の歯磨きは、上手に磨くコツはできるだけ短く。1分以内にすませることが肝心です。
抱っこが難しい猫の場合は、猫壱の「落ち着くネット」に入れて抱っこするとやりやすいはず。そして歯磨きは「鉛筆と同じ持ち方」で歯ブラシを持つと、痛過ぎず、強過ぎない力加減で磨くことができるそうです。
飼い主さんは猫を膝に乗せたら、猫を両脇で挟み、脇をしっかりと閉めること。この時は猫の背中に自分の体をピッタリと密着させ、猫の体を緩やかに拘束してみてくださいね。
■最後に
猫の歯磨き。慣れれば1回30秒程度でささっとすませるのが理想的です。丁寧に磨くよりも、猫が嫌がらない時間でやめ、猫のストレスにならないようにするのが継続できるコツだとか。
確かに毎回毎回、猫に嫌がられると、飼い主さんのメンタルも凹みますよね。
猫の歯石がたまると、その部分が黄土色に変色してくるのですぐにわかります。また、健康な猫の歯茎は薄いピンク色。
飼い主さんは、時々愛猫の口をチェックして、遊び感覚で歯磨きを習慣にすると良いでしょう。できれば子猫のうちから習慣にしておくと、成猫になった時に歯磨きがラクになります。
私もやってみましたが、指でガーゼをつけてやるよりも、乳幼児ブラシを使ったほうがラクラク。皆さんもぜひ参考にしてくださいね。