いきなり壁に向かってシャーッ!とおしっこを引っ掛けるスプレー行為。これはオス猫が発情期に行う本能的な行為だと言われていますが、実はメス猫も同様のスプレー行為をします。
猫がスプレー行為をする理由は、発情による性衝動だけではありません。避妊、去勢が済んだ成猫でもやりがちなスプレー行為。その理由と対策についてご紹介しましょう。
■同居猫へのストレス
「猫を3匹飼っています。みんなシニアの猫なので、比較的のんびりした性格の猫ばかり。しかし先日1歳になるオス猫を新しい家族に迎えた途端、いきなり部屋のあちこちに先住猫たちがスプレー行為をするようになりました。」
避妊、去勢の済んだ成猫がいきなりスプレー行為を始めた場合、考えられるのは「生活の変化によるストレス」です。
猫は変化を嫌う生き物。昔から一緒に暮らしている同居猫との暮らしの中に、いきなりやんちゃな若いオス猫が混じって一緒に暮らすことは、メスのフェロモンが刺激されるのと同時に、縄張りが荒らされる心配で猫はストレスを感じるのかも。
新しい猫の匂いがよくする場所や部屋の角などにスプレーすることが多い場合は、先住猫たちは飼い主さんを取られるかもという不安や、縄張りを侵される心配がスプレーの原因だと考えられます。
できれば慣れるまでは新入り猫と同居猫の生活スペースを分けたり、飼い主さんが個別に猫とスキンシップをとる時間を多くするなどをして、猫のストレスを軽減させてあげてください。
■環境の変化による不安
「うちの愛猫は外を見るのが大好き。猫が喜んでくれるように、リフォームして部屋の窓を大きくしました。」
「8階のマンションから一戸建ての家に引っ越しました。」
猫に喜ばれないのが、これらの「環境の変化」です。愛猫にもっと良い環境を!と飼い主さんの愛情が詰まった行為なのかもしれませんが、変化を嫌う猫にとって、環境をカスタマイズされると不安とイライラが溜まってしまうかも。
今まで一度のこんなことしなかったのに、なんだか性格が変わった、と感じたら、それは部屋の環境が変化したからかも。
猫は自分の匂いに安心する動物です。自分の匂いがしない環境は不安がいっぱい。今までと違う窓からの景色や、新しい家具の匂いなどもストレスの原因になります。
この場合はスプレー行為をすることで、部屋の中に自分の匂いが定着すればもうやらなくなる可能性があります。
この場合はある程度様子を見る、猫が落ち着くというフェロモン製剤を部屋全体に拡散させるなど、猫が落ち着く「匂い」を使って対策を立ててあげると良いでしょう。
猫のスプレー行為にはなんらかの理由があります。何にストレスを感じているのか猫の気持ちを推測してみてください。原因さえわかれば、それを解決することで猫のスプレー行為はなくなるはずです。