子供のころ、ゴムの力でプロペラが回る「おもちゃの飛行機」で遊んだことはないでしょうか?。
シンプルな構造でありながら遠くまで飛べることに驚いた人も多いでしょう。
そして「この原理で本物の飛行機も飛ばせないのだろうか?」なんて事を子供心に考えた人も多いのではないでしょうか?
YouTubeチャンネル「Think Flight」のカビン・グスタフソン氏は、そんな私たちの思いを実現しようとしました。
なんと翼幅約5mの世界最大のゴム動力プロペラ飛行機を作ってしまったのです。
目次
- ゴム動力プロペラ飛行機の巨大化に成功
ゴム動力プロペラ飛行機の巨大化に成功
ゴム動力プロペラ飛行機とは、翼幅数十cmの飛行機のおもちゃです。
多くの場合、胴体とプロペラが輪ゴムで繋がっており、プロペラを指で回して輪ゴムにエネルギーを蓄えることができます。
そして手を離すことで、プロペラが回転しながら前方へ飛行するのです。
輪ゴムを巻けば巻くほど長時間の飛行が可能になり、精巧に作られたゴム動力プロペラ飛行機は、驚くほど遠くまで飛ぶことができます。
安価な作成キットが販売されていたり、輪ゴム・割りばし・厚紙などを使って自作したりできるため、「このおもちゃで遊んだことがある」という人も多いでしょう。
では、人間よりも大きなゴム動力プロペラ飛行機を作ることはできるのでしょうか?
最近、グスタフソン氏はこの「子供たちの夢」を実現させるため、大人の知恵と技術を使って、世界最大のゴム動力プロペラ飛行機を製作しました。
翼幅16フィート(約5m)の飛行機を7カ月かけて作ったのです。
しかしこの取り組みは簡単なものではありませんでした。
最初グスタフソン氏は、おもちゃを単純にスケールアップしたものを作成しました。
軽量断熱材をカットしただけの平らな翼と細い胴体の飛行機を作ったのです。
しかしこの初期バージョンは地面から浮かぶことすらなく、高い場所から押したとしても、バランスが崩れ、数秒後にはバラバラになるだけでした。
ゴム動力に対し機体が重すぎること、そして風をうまく捉えていないことが原因でした。
そこでグスタフソン氏は、おもちゃの単純なスケールアップをやめ、実在する飛行機の構造を取り入れることにしました。
翼やプロペラの形状を現代の航空力学に基づいた本格的なものにしたのです。
軽量化にもこだわり、最終的に薄いガラス繊維素材、カーボンロッド、通気性の高いカバーフィルムを使った翼が完成しました。
胴体も「ただの板」からトラスフレームに変更され、軽量かつ頑丈になっています。
またプロペラを回すための輪ゴムには、魚突き(スピアフィッシング)用のゴムが大量に使用されました。
こうした試行錯誤を経て、大幅に進化した巨大ゴム動力プロペラ飛行機が完成しました。
そしてテスト飛行では、わずかな時間(少なくとも12秒間)ですが、世界最大のゴム動力飛行機を飛ばすことに成功しました。
動画ではグスタフソン氏が思わず叫び声をあげて喜んでいる様子が見られます。
本格的に「飛行した」とは言えないかもしれませんが、この結果に対して彼は、「良い出発点です」と述べています。
「巨大なゴム動力プロペラ飛行機を飛ばす」という彼の夢はまだまだ始まったばかりなのでしょう。
参考文献
Is this the world’s largest rubber band-powered airplane?https://thekidshouldseethis.com/post/large-rubber-band-powered-airplane-video