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末期がんに侵されたシェルター犬。最期の時を刻みながら私たちに伝えたいこと。


 

残された時間を謳歌する犬「テラ」

安楽死寸前だった

テラはニュージャージー州の動物シェルターから引き取られた、5歳のジャーマンシェパードです。テラの後ろ足は完全に麻痺して機能しておらず、そればかりか背骨の80%は悪性腫瘍に侵されています。選択肢もお金もない状況で、安楽死させられる運命にあったテラをシェルターから救い出したのは、ニューヨーク州のロングアイランドで活動する動物レスキュー団体でした。

腫瘍切除の手術をすれば、他の部位の麻痺が予想されるのに加えて、回復には何か月もかかります。そこでこのレスキュー団体は、腫瘍摘出手術の代わりに、テラの残りの人生をより豊かなものにすることにフォーカスしようと決めました。テラの残された時間が最高のものとなるように!

テラはアリソンとマットという里親に引き取られ、自由に動き回れるようにと車いすが贈られました。

残された最高の人生

テラはすぐに車いすを乗りこなしました。そしてまさしく「最高の人生」がテラを待っていたのです。

人生を終える前に多くの人が抱く夢、それは「全国を旅してまわる」こと。テラはこれを実現したのです。アリソンとマットの自宅はワシントン州シアトルにありますが、二人はテラの人生最後の旅に連れ添うことを少しもいといませんでした。

テラを引き取ったニュージャージー州から自宅のあるワシントン州まで飛行機で戻ればあっという間に着くところを、二人はトラックをレンタルして、テラと一緒にゆっくりと旅をしながら帰ることにしたのです。しかも二人が元々飼っていたもう1匹の犬とネコも一緒に!

車いすのテラ1匹でも大変なところを、みんな一緒の大所帯ですから、旅は決して簡単なものではありません。でもこれこそが、アリソンとマットのテラへの愛情の示し方だったのです。

今テラは、アリソンとマット、テネシー州でゴミ箱に捨てられているところを保護され、二人に迎えられた犬のフランキー、そしてネコのヴァイパーと一緒に、毎日をめいいっぱい楽しみ、生きています。

「とにかくテラが最後まで幸せに生きることだけを考えています。二人で下した決断に、後悔のかけらもありません。」

何が2人をこのような行動に駆り立てたのかと聞かれると、アリソンは迷うことなく次のように答えたそうです。

「シェルターにたどり着いた動物たちは、誰もが特別なストーリーをもっています。テラもそうでした。そして彼女がもつストーリーが、私の何かを動かしたのです。もしかしたらテラが特別に過酷な運命にいたからかもしれません。末期の病気に侵された犬、しかも自分で排泄もできない犬を、ひとつ返事で引き取る人はあまりいませんよね。でも私は、すべての動物が愛されてその人生を終えるべきだと信じているんです。テラの命は他の犬に比べて短いものになるかもしれません。でも彼女は毎日を全力で生きています。そんなテラの残された時間の一部になることができて、私は本当にラッキーです。テラは私たちの人生を豊かにしてくれているんです。」

相棒のフランキーはインスタグラムのアカウントを持っています。この素晴らしい旅の様子は、フランキーの目線からインスタグラムに次々と写真がアップされました。

「本当に素晴らしい時間を満喫しています。そしてテラとフランキー、ヴァイパーはとにかく元気いっぱいです。この3匹は、私たちよりも旅をエンジョイしているかもしれません。」

残された時間も全力で楽しむテラ

旅行先でのたくさんの思い出

旅のハイライトをいくつかご紹介します。

— 馬車をひくティラノサウルスと一緒にランチ
— ノートルダム大学のキャンパスを散策して、かの有名な黄金の寮を見学
— ハーレーダビッドソン博物館でテラは野生のウサギに遭遇
— ミシシッピ川にそって朝のお散歩 (ついでにアヒルと追いかけっこ)
— サウスダコタ州ラピッドシティにあるおいしいレストランでVIP級の扱いを受ける。本来はペットお断りのレストランなのに、テラとフランキーのために特別許可。甘やかされ過ぎたふたり!
— サウスダコタ州ラシュモア山でまたもやVIP扱い。「この先ペットの侵入禁止」と書いてある看板のその奥まで入ることが許された。
— ジャクソンホールのペットと泊まれる素敵なホテルで、川辺での朝食を満喫(テラはその後恒例のアヒル追い)。
— イエローストーン公園で、レンジャーがテラとフランキーにバッファローの角のにおいをかがせてくれた。2匹ともかいだ途端に舐め始めちゃった!
— モンタナのボーズマンホテルの窓から見たすさまじい稲妻
— モンタナのクラークフォーク川で水遊び


この旅が唯一憂鬱でならないのは、きっと追いかけられているアヒルたちでしょう・・・

ここには書ききれないほどの沢山の思い出を胸に、この家族はシアトルの自宅に到着しました。
今後の予定は何かって?

家の裏には、テラが自由に走り回れる広大な庭があります!
そしてその向こうには、テラのためのプライベートビーチも!

アリソンは話します。

「フランキーは7年以上ニューヨークの大都会で生きてきたんです。そして(まわりに水辺が全くない)テネシー州でゴミ箱の中から発見されました。ビーチで泳ぐ人生なんて想像もしなかったと思います。もちろんテラも!」

アリソンとマットはこの恵まれた環境を利用して、今後さらに動物を引き取って、里親として世話をしていくことを考えています。その様子はきっとまたフランキーの視点からインスタグラムに記録されていくことでしょう。

このプライベートビーチでも、また恒例のアヒル追いならぬカモ追いに没頭するんでしょうね!

どの犬にも愛される権利はある

テラは、里親として犬を引き取りたいと考えている人にとっては好ましい犬とは言えないでしょう。
でも、テラのような犬のために「Fospice program」というプログラムが存在するのをご存知ですか?
Fospiceとは、里親を意味する「Foster」とターミナルケア施設の「Hospice」を合わせた造語です。
残された時間の少ない動物を引き取り、その最期の時間がよりよいものとなるように里親としてサポートしていくプログラムです。
このプログラムの創設者であるサラ・ブラスキーさんは話します。 「シェルターには、老犬や病に侵された犬たちが沢山います。難しい健康問題を抱えた犬たちも、シェルターには送られてきますから。でもそういった犬たちも、愛に溢れた家族に引き取られ、適切な医療サポートを受けながら残された時間を謳歌する権利があるのです。」

命の長さに関係なくどんな犬にも愛される権利がある・・・テラの残された時間は、愛する家族と共に過ごすためであったと同時に、そんな大切なことを一人でも多くの人に気付かせる使命を果たすためだったのかもしれません。

 
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