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人生は何度でもやり直せる。闘犬施設から救助された犬が家庭犬として愛されるようになるまで。


 

史上2番目に最悪の大規模闘犬飼育現場事件「The 367」

地元警察、裁判所、FBI、愛護団体が総出で捜査に!

「犬達を保護し健康診断を受けさせるため、捜査員は忍耐強く犬達が少しでもリラックスできる状態になるのを待ちます」

Humane Society of the United States(HSUS)によると、このような多くの闘犬飼育現場では、御用済みとなり命を落とした犬達の亡骸がそこら中に放置されており、生きている者は重い鎖で繋がれ、野ざらしにされ、栄養不足であったり病気であったり、傷の手当もせず放置されていたという

大規模な闘犬飼育現場に捜査のメスが入り約370頭の犬が救助される!
「アメリカ史上2番目に大規模な闘犬飼育現場は捜査に3年もの月日を費やし、遂に367頭の犬を保護。金曜日だけでもアラバマ、ミシシッピ、ジョージアの3つの州にある13の飼育現場で260頭が保護された。これはHSUSやAmerican Society for the Prevention of Cruelty to Animals(ASPCA)をはじめとする合同捜査機関の長きに渡る捜査の賜物である。保護されたピットブル達は産まれたばかりの子犬から12歳位の老犬まで様々で、その多くは闘犬の典型的な特徴である生傷や傷跡が見られた」

助け出された367頭の犬達はHSUSとASPCAと提携するシェルターに収容され、リハビリを開始します

虐待された犬達とリハビリする人間との苦悩の日々

2年に渡る治療やリハビリも...

保護施設ではレスキュー後2年に渡り犬達の怪我や病気の治療や心のケアをしてきました。しかし、長い間虐待を受けたり闘犬として生きて来た犬達の心のリハビリは容易いものではありませんでした。

この黒いピットブル「エヴァン」もそんな中の一匹でした。

エヴァンは犬舎の一番奥に引きこもりがちで、他の犬の姿が視界に入ると取り乱したりしていました。更にエヴァンの歯は人為的なのか重い鎖を嚙みちぎろうとしたのか、酷くすり減っていました。もし人為的に歯を削られていたとすれば、それはエヴァンが闘犬訓練のためのベイト犬(かませ犬)だった証拠!

長い間治療もせず放置されていたエヴァンの口腔内は感染症により酷い状態で、結果全ての歯を除去することに。更に荒れた皮膚にはアレルギーも見つかりました。

かませ犬(かませいぬ)とは、本来は闘犬において調教する犬に噛ませて自信を付けさせるためにあてがわれる弱い犬のことである。若い闘犬には、まず弱い犬をあてがい、その犬を十分に噛ませることで勝つ味を教える。しかし若い犬は戦い方がわからず、うまく噛めないこともあるため、そういう場合には弱い犬の口を縛ったりする例もあるという。往々にして、闘犬を引退した老犬がかませ犬として使われる。
出展:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8B%E3%81%BE%E3%81%9B%E7%8A%AC

預りボランティア家族の元へ

「The 367」は刑事事件であったため、レスキュー当時のエヴァンは裁判所の管理下にありましたが、ほどなくして管理はTwin Cities Pet Rescueという保護団体に移りました。最初はTwin Citiesのボランティアであるマレセク夫妻の元で預り生活を始めたエヴァンでしたが、マレセク夫妻は近々引っ越しの予定だったため、エヴァンに何度か会ったことのあるステファンソン夫妻が預りを申し出てくれました。そしてエヴァンはステファンソン家へ。

ステファンソン夫妻の元で適切な食生活を送り薬浴を根気よく行った結果、アレルギーは随分改善されました

エメットがお手本!

エヴァンは他の犬を見ると興奮しやすいタイプだったため、当初はステファンソン夫妻の愛犬で6歳のピットブルのエメットと13歳のダックスフンドのペネロープとは隔離されていました。

しかし、エヴァンに他の犬との付き合い方を教えてくれたのはエメットでした。エヴァンはエメットの行動を観察し真似するようになったのです。最初はリードを着けた状態でエメットと対面。次はペネロープとも対面。それから3頭一緒に散歩に出かけるようになり、遂にリード無しで3頭でいられるようになりました。

3ヶ月が過ぎエヴァンがすっかり兄弟とも打ち解けてきた頃、以前の預かりボランティアだったマレセク夫妻の引っ越しも完了しエヴァンは夫妻の元へ戻ることになりました。

エヴァンの旅立ちを記念してステファンソン夫妻はサマー・キャンプを催しました。3匹はバーベキューをとても楽しんだよう。そしてエヴァンはステファンソン夫妻から「勇気を持って他の犬と仲良くすることを学んだで賞」の記念の勲章をもらいました。更にエメットとペネロープからのお手紙も。

勲章と手紙を持ってマレセク夫妻の元に旅立ったエヴァン。この頃にはもう他の犬との隔離は必要なくなっていました

元の預りさん宅に戻りはしたものの、時々仲良しのエメットとペネロープに会わせてあげようとマレセク夫妻とステファンソン夫妻はエヴァンの管理権をシェアすることにしたそう

新たな人生を歩み始める犬たち

今度はボクがお手本!

ステファンソン夫妻はその後もう一頭のピットブルの女の子「アイビー」を預かることになりました。そしてなんとアイビーと一番最初に打ち解けたのはエヴァンだったのです。

レスキュー当初のエヴァンのことを考えると、こんな日が来ることを誰が想像しただろうか? それはまさに奇跡のような光景でした。

更にマレセク夫妻の家にはエミリーという猫もいて、いつもエヴァンと仲良く抱き合っているのだそう

闘犬にも生きるチャンスを

元闘犬はたとえ保護されても長年戦いを強いられてきたため狂暴性が懸念され、心のリハビリのチャンスさえ与えてもらえない場合がほとんどです。

しかしエヴァンはそんなジンクスに見事に打ち勝つ、リハビリ次第で元闘犬でも立派な家庭犬になれることを証明しました。

「彼が家庭犬として立派に成長していく姿を見れるのは本当に喜ばしいことです。家庭犬として生きることを知らなかったエヴァンが今ではソファで昼寝することを覚え、他の犬を遊びに誘うことさえできるようになったんです」
ステファンソンさんは嬉しそうにそう語ります

2013年8月に「The 367」事件の犬達が地獄の現場から解放されて3年が経った今でも、エヴァンは時々大きな音に恐がったり、知らない場所に神経質になることがあるという。それでも、自分の寝床を整えたり、寝床の周りにお気に入りのおもちゃを整理整頓したりと「エヴァン王国」を満喫しているそう。

しかし、一つだけ今の彼に足りないものが。それはピットブル飼育経験のある、一生彼を大切にしてくれる「預り」ではなく「飼い主」です。

一日も早く永遠の「エヴァン王国」がみつかりますように。

 
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