日本の盲導犬第一号は、意外な事実がありました。
今では警察犬として有名なジャーマンシェパードですが、実はこの”恐面”の犬種が、国産盲導犬第一号です。
アメリカの軍人でもあるW.Cノーベル大佐という人物が、昭和32年に日本に贈呈した一匹の犬を、滋賀県彦根市の盲学校教諭である塩屋賢一さんが1人で訓練し、誕生しました。
盲導犬自体は、日本では明治時代に日本で紹介
一般的な認知度は低いままでしたが、明治21年に「独訓盲書」の中にその記述が見つかります。
一方世界の盲導犬の歴史はかなり古く、起源1世紀のイタリア・ボンベイに既に盲目の人が犬と歩く様子が、絵として残されています。そして人間が盲導犬として訓練したのは、1819年のウィーンのキリスト教カトリック神父、ヨハン・ウェルヘイム・クラインさんが正式に行ったのが最初です。
そして本格的に盲導犬が社会福祉として取り組み始めたのは、第一次世界大戦で使われた毒ガス兵器による失明した兵士のために、ドイツに設立された盲導犬訓練学校からでした。
ジャーマンシェパードは、ドイツの牧羊犬という意味
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軍人の福祉のために正式に誕生したので、知的で忠誠心が強い犬種として、元牧羊犬として活躍してその後に軍用犬として利用されたジャーマンシェパードが選ばれるのは、当然といえば当然でしょう。 しかしながら、現在ではこの犬種は盲導犬の訓練には適したものでしたが、「顔」が不向きということで訓練されることは日本では殆どなくなりました。 盲導犬はユーザーに同伴しいろいろな所へ出かけて行きます。小さな子供や犬嫌いの人の中へも入らねばならないことから優しい顔の犬が向いているとされます。日本では警察犬のイメージも強く精悍な顔つきのジャーマンシェパードは不向きな犬種となっているのはとても残念なことです。