犬のハーネスの利点とは?
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犬のハーネスとは胴輪とも呼ばれ、細いベルト状のものからベストタイプのものまで様々な製品があります。
デザインの可愛さや首への負担をかけない利点から人気の商品ですが、首輪かハーネスのどちらを選ぶべきなのかは犬の性格や体質で決めましょう。
ハーネスの利点と欠点を理解し、愛犬にあった犬具の選択をしましょう。
ハーネスの利点① 気管支の保護
犬のハーネスの最大の利点は、首輪の欠点である首への負担が少ないことです。
老犬や体質的に気管支が弱い犬などは、首輪による少しの刺激でせき込んでしまうこともあります。
そういった犬の機関紙の保護のためにも、首輪ではなくハーネスを使うことが利点となります。
犬ぞりにも使われます。
ハーネスの利点② 脱走防止のリスク減
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犬のハーネスは首輪と違い、前肢や上半身を包み込んでいるので、首輪のようにスポッと抜けてしまうことがありません。
首輪も適切な調整をすれば抜けることはありませんが、ウィペットやイタリアングレーハウンドのように首の太さと頭の大きさが同じような犬種は、後ずさりや踏ん張られたときに首輪が抜けてしまうことがあります。
犬種によっては、このハーネスの利点がとても重要になりますので、首輪抜けで困っている方はハーネスを検討してみてはいかがでしょう。
ハーネスの利点③ ドライブ時のシートベルト活用できる
ケージ動車に乗せるときはラゲッジにクレート(バリケン)やケージを置いてその中に入れることがおすすめなのですが、乗り物酔いをしやすい犬や自動車に乗り慣れていない犬の場合は、飼い主さんも犬も心配です。
犬を後部座席にそのまま乗せている飼い主さんも多いのですが、急ブレーキや追突事故などで後部座席に乗っていた犬がフロントガラスに激突して、重症を負ったり亡くなった例も報告されています。
こうした事故から愛犬を守るには、犬にもシートベルトを装着することが必要ですが、犬へのストレスが少ない方法は自動車のヘッドレストにリードを通して車内に犬をつなぐことです。
このときは、もしものときに犬に与える衝撃が分散されるハーネスが断然おすすめです。
シートベルトに活用するハーネスの選び方は、なるべく犬の胴体を覆う部分の広いものがおすすめです。
背中にファスナーがついた洋服タイプのものや、ベルトタイプでも太目のベルトにクッション素材がついたものが適しています。
愛犬の胸囲(前足の付け根の最も太い部分)を基準に選びましょう。
ハーネスの利点④ イザというときに犬を制御しやすい
犬が動きやすいハーネスですが、ドッグランで遊んでいるときやお散歩中に他の犬とケンカになりそうなとき、愛犬を引き寄せるには首輪よりハーネスの方がうまくできます。
特に大型犬では、首輪を引っ張っても、犬が前足を上げて立ち上がると制御できず、飼い主さんも転んでしまうことがあり危険です。
背中にナスカンのほかに持ち手がついた形のハーネスもあり、お散歩中に気になるものを見つけると突進してしまう性格の犬には便利です。
もちろん制御してしのぐのは当面だけで、突進しないしつけは必要ですが、しっかりしたハーネスを持っているとしつけに焦らなくてよいのでおすすめです。
ハーネスの欠点
ハーネスの欠点① 散歩中の引っ張り行動の助長
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よく首輪だと、息をあげながらの苦しそうな散歩になるので胴輪に変えましたという話を聞きますが、それは全くの逆効果です。
ハーネスは首輪と違い、引っ張ってリードから伝わる力が分散され、首も苦しくないのでどんどん引っ張るようになります。
引っ張り行動に悩む飼い主にとっては、ハーネスの利点も欠点となります。
一つの問題行動は、それを引き金に他の問題行動も引き起こします。
ハーネスに変えるのではなく、首輪でしっかりと散歩のしつけをしましょう。
ハーネスの欠点② しつけ訓練には不向き
首に負担がかからないハーネスの利点は、しつけでは欠点となります。
犬をコントロールするのには、リードから伝わる合図が犬に的確に届く必要があります。ハーネスだと合図がうまく伝わらないので、しつけを行う上では欠点となります。
ハーネスの欠点③ 金具の故障
ハーネスの欠点として製品にもよりますが、よく見られるプラスチックタイプの接続部分は落下などの衝撃に弱く壊れてしまい、きちんとロックできなくなることがあります。
壊れてしまったものは使用せず、確実に装着できるものを使って散歩に行きましょう。
ハーネスの欠点④ 犬種によっては注意が必要
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ハーネスは首輪に比べて着脱に手間がかかることも欠点ですが、特にコーギーやダックスフントのように足が短い犬では脱げやすいため注意が必要です。
着脱は面倒でも毎回丁寧に行い、脱げやすい犬種ではベルトを調節してサイズをきちんと合わせておきましょう。
欠点を克服したハーネスもある!?
ハーネスでは引っ張り癖が助長され、しつけに適さないという欠点は仕方ないのですが、引っ張り癖を矯正し、飼い主さんと一緒に大人しくお散歩できるよう訓練するための専用のハーネスもあります。
これは『ジェントルリードハーネス』、『イージーウォークハーネス』といった商品名で販売されています。
発育中の子犬だと買換えが必要になりますが、成犬であれば多少の体格変化にはベルトを調節することで対応できます。
正しいサイズを選び、犬にぴったりに調節していれば脱げてしまう心配もなく、耐久性も普通の首輪と変わりません。
デザインは簡単なものですが、カラバリは豊富でどれも綺麗な色なので迷ってしまうほどです。
犬具はおしゃれと実用を両立できます!
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ハーネスには利点と欠点がありますが、特別の目的を持ったものもあり、何よりデザインが豊富でおしゃれです。
ハーネスだけで洋服のようなものもありますが、雨の日にレインコートを着せたり暑い時期にクールベストを着せたいなら、服の上からでも装着できるものを選ばなければなりません。
ドッグライフを楽しくできる選び方は、首輪やリードも含めて複数用意しておくことです。万一壊れてしまったときにも慌てないで済みますよ。
愛犬にハーネスを検討されているのなら、利点と欠点をよく考えて最適な犬具を選びましょう。