猫のしっぽの役割
猫のしっぽの役割はいくつかあります。
バランスを取るため
猫の日常生活に欠かせない役割のひとつがバランスを取ることです。動物のなかでもバランス感覚の優れた猫は、幅が細い塀の上や屋根の上でさえも上手に歩くことができます。
家の中でもキャットタワーやタンスの上などに登るのは日常的で、カーテンレールの上など不安定な場所も、上手に移動できるという猫も多いのではないでしょうか。
実は高い場所に飛び乗ろうとする瞬間も、しっぽでバランスを取っていて、バランスを崩しかけると、素早くしっぽでバランスを取っています。それだけしっぽは、バランスを取るのに重要な機能を担っており、しっぽが短い猫は長い猫に比べてバランス感覚を取るのが苦手な可能性があります。
ただし子猫のときはバランス感覚が悪くても、月齢が進むにつれて筋肉が発達し、しっぽの短さをカバーできるようになるため、ほとんど心配はありません。
感情表現
猫のしっぽは自分の感情を表す役割も担っています。
人間のようにわかりやすい表情を浮かべるわけではありませんが、しっぽの動きで豊かな感情を表し、人間やほかの猫とコミュニケーションを取ろうとしています。
防寒対策
寒い時期になると、しっぽをくるんと身体や顔に巻きつけているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
人間がマフラーを巻くように、猫のしっぽは防寒具としての役割もあるのです。保温する必要がない気温の高い時期は、冬に比べてしっぽを体に巻きつけて丸くなることが少なくなります。
その他
他にもしっぽの付け根には臭腺があり、マーキングをするためにしっぽをこすりつけたり、巻きつけたりすることがあります。
猫のしっぽの種類
猫のしっぽは単純に長い、短いだけではなく、分類すると9種類あります。
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①フルテイル
中でも一般的な長くてまっすぐなしっぽは「フルテイル」と呼ばれ、長さは25cm程度です。
長いしっぽでもまっすぐではなく、カールしている種類もあります。
②エアリアルカールドテイル
空中でくるっとカーブしているのが「エアリアルカールドテイル」です。
③フランクカールドテイル
脇腹のほうに垂れ下がりながらカーブしているのが「フランクカールドテイル」です。
④コークスクリューテイル
コルクの栓抜きのようにカールしている「コークスクリューテイル」という種類は、豚のしっぽの形状に似ていることから「ピギーテイル」と呼ばれることもあります。
⑤カギ尻尾
猫のしっぽには途中でカクっと折れ曲がっていたり、ねじ曲がっていたりする「カギ尻尾」と言われるタイプもあります。
⑥フラットトゥバックテイル
根元で折れて背中に沿うような形になっているのが、「フラットトゥバックテイル」です。
⑦キンクドテイル
先端でねじ曲がっているのが「キンクドテイル」です。
⑧ボブテイル
短いしっぽの種類では、長さが6~7cm程度の「ボブテイル」です。ボブテイルは日本をはじめとしたアジアに多い種類です。
⑨マンクス(ランピーマンクス)
ほとんどしっぽがない「マンクス(ランピーマンクス)」があります。