犬の老化は運動機能低下につながる
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犬も人間同様に、老化が進むと活発に動かなくなり、それによって筋肉が衰えていきます。
普段の生活でも伏せやお座り、立ち上がりが難しくなったり、お散歩中も段差などを飛び越えられなくなっていきます。
歩くこと自体を嫌がったり躓いたりし始めたら、筋力低下による運動機能が低下しているかもしれません。
老化により筋肉が衰えると動くのが億劫になり、最終的に寝たきりになってしまいます。
また寝たきりだけでなく、体を動かすことが減ると、筋肉だけでなく内臓の機能も衰えていきます。
筋肉をつけることは、身体機能だけでなく老化防止にもなり、健康全体に影響を与えます。
筋肉をつけて健康維持に努めよう
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筋肉の維持は犬にとってもストレスを減らすことができます。
自分で思うように動けないのはつらいですよね。
小型犬か大型犬によって飼い主が手を貸せる範囲が変わってきますが、小型犬でも抱っこばかりせずにできる範囲を自分で動けるように、筋肉をつけておきましょう。
筋肉をつける方法は運動が一番ですが、犬の健康面をよく見極めて行いましょう。
筋肉をつけると膝蓋骨脱臼の補助になりますが、膝蓋骨脱臼の犬は激しい運動を制限させるので、毎日負担の少ない方法で筋肉をつけるようにしましょう。
日常の動作には筋肉をつける動きがほとんどです。
運動は肥満防止などにも役立ちますので、健康管理として日頃から気にかけておきましょう。
筋肉をつける運動方法
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健康的に筋肉をつける方法は、飼い主の工夫次第でいろんなやり方があります。
最も重要なのは、老化により身体機能が低下している犬に対して、環境を万全にし、滑らないように工夫するなどして安全を確保して行うことです。
筋肉をつける方法を意識しすぎて、やりすぎないように注意しましょう。
老化により体を動かすことに消極的になった犬自身が運動したいと思う意欲を掻き立てるように、仕向けるようにするとよいでしょう。
飼い主が楽しそうに誘ったり、長く歩けなくてもキャリーやバギーに乗せて外の空気に触れさせてあげるのもよい方法です。
自分で歩く楽しさを、思い出してくれるはずです。
坂道を歩こう
犬に筋肉をつける方法で、一番簡単なのはお散歩です。
立ち上がりが難しくなった犬でも、一度立ってしまえば勢いに乗って歩くことはできます。
ゆっくり犬のペースで構わないので、短い時間だけでも歩かせるようにして筋肉の維持に努めましょう。
特に坂道は筋肉をつけるのに効果的ですが、勾配や距離は犬の体調に気を使いながら、無理をさせないように行いましょう。
心臓や呼吸器、骨や関節に疾患のない健康な犬であれば、上り坂の途中で5秒間「お座り」をさせると後ろ足や腰回りの筋肉を鍛える運動になります。
さらに「伏せ」ができる犬であれば、これも5秒間追加すれば前足や肩の筋肉も強化することができます。
子犬やシニア犬なら1日3回まで、成犬なら10回までが適切な回数です。
布団の上で遊ぼう
犬の大きさによってはタオルや毛布でも構いませんが、少し厚めのふかふかした状態を作りましょう。
この上ならバランスを保つために犬自ら筋肉を使うため、均等に筋肉をつけることができる方法です。また、万が一の転倒でもけがをするリスクが減ります。
健康的な犬ならば、タオルや布団の中に潜っておもちゃやおやつを探させる遊びをしましょう。ほふく前進で筋肉をつけることができます。
発展した遊びとして、布団の上に枕やクッションをいくつか置いて上から毛布をかけ、デコボコになった所をバランスよく歩かせると体幹筋肉を鍛える運動になります。
タオルや飼い主の足をハードル代わりにしてジャンプで飛び越えるのもよいでしょう。
普段の遊びの中で生活に必要な筋肉は自然とついてきます。
老化が進みあまり動きたがらない犬も、できることを毎日少しだけ取り入れて老化を遅らせましょう。
日頃のトレーニングを続けよう
お座りや伏せは体全体を動かし、特に後肢の筋肉をつける方法として有効です。
ただし、後肢を横に投げ出したり両肢とも外側に開いてしまっている状態は関節にもよくないですし、きちんとした筋肉をつけることができません。きれいな姿勢で行うように補助してあげましょう。
健康面に問題があってもなくても、無理のない範囲で行い、老化を防ぎましょう。
健康な犬は日頃の運動で、身体機能に問題がある場合は獣医師に相談の上、無理のない範囲で行いましょう。また、体を支える補助ハーネスなどを使うのもいいでしょう。