猫が毛づくろいする意味って?
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猫が毛づくろいに費やす時間
猫って、いつも毛づくろいしているイメージですよね。
一説によると、成猫は起きている時間の半分近くをグルーミング(毛づくろい)に費やすのだとか。
中には毛づくろいしすぎで、ハゲている子も。
猫の毛づくろいの意味って何でしょうか?
猫の毛づくろいの意味
猫が毛づくろいする意味は、次の理由が考えられます。
1.Protection against predators(捕食者からの防衛)出典:http://www.webvet.com/main/2012/03/08/why-do-cats-constantly-groom-themselves
2.Cooling down(冷却効果)
3.Fur maintenance and warmth(体毛のメンテナンス)
4.Nail care(ネイルケア)
5.Self-medicating(自己治癒)
6.Relaxation(リラクゼーション)
7.Stimulation of blood flow(血流の刺激)
8.Friendship(フレンドシップ)
これをまとめると、清潔に保つため、体温調節のため、心理的な問題のためになります。
猫が清潔好きなのは消臭のため
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口周りは特に清潔に
ああ、美味しかった!猫がご飯のあと、掌や口周りをペロペロ毛づくろいしているとき、目を細めて幸せそうですよね。
本来は狩猟によって得た獲物を食べるので、汚れる口周りや前肢から毛づくろいで異物を除くのは、感染の予防のためにも必要です。
毛づくろいしすぎじゃないの?と思うほど潔癖症な猫もいますね。
狩りの準備の消臭作業
「食うか食われるか」の野生動物の社会では、自分の体臭を消すのは捕食者に見付からないため、また獲物に感づかれないために重要です。
毛づくろいをして、自分の匂いを消そうとするのです。
体温調節のための毛づくろい
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放熱による冷却効果
家猫の祖先は乾燥地帯で過ごした期間が長いので、水分を効果的に使うように体ができています。
だから汗も肉球からわずかに出るだけです。
暑いときに体をクールダウンさせるには、体毛に付着した唾液の気化熱を使います。
体毛を毛づくろいするのは、このためです。
夏に猫が毛づくろいしすぎのようだったら、温度管理に注意してください。
体毛の維持で保温効果
逆に寒い季節には、毛づくろいによって体毛を油分でコートし、毛の間に空気を閉じ込めて保温効果を高める意味があります。
猫の舌はブラシのようなざらざらの突起があって、ブラッシングにも効果的です。
毛づくろいには殺菌効果も
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唾液には殺菌作用もあります
猫に限らず、動物の唾液中の酵素は殺菌作用もあるので、自己治癒のためケガの部位をグルーミングすることもあります。
毛づくろいしすぎかな、と思ったら皮膚が炎症を起こしていないか見てあげてください。
ダニなどによる発疹や、赤い湿疹などがあったら、獣医さんに診て貰いましょう。
ビタミンサプリ?
猫は紫外線でビタミンDを作り、毛づくろいで舐め取る、という俗説は証明できなかったようです。
しかし毛づくろいには、血流改善によるリラクゼーションの意味があります。
また狩りに備えての爪とぎの意味でも、ざらざら舌で毛づくろいします。
リラックス効果もあります
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仲間とのコミュニケーション
仲間とのコミュニケーションの意味で毛づくろいするのはよく知られています。
多頭飼いの猫なら、猫同士グルーミングしますし、仲の良い同居犬がいるなら毛づくろいしてあげます。
飼い主さんへの愛情表現の意味でも使われます。
落ち着け自分!
イタズラなどで怒られたとき、視線をそらしてセルフグルーミングに熱中していることがあります。
「ヤバイ」という内心の動揺を鎮めるのに、毛づくろいは有効なのだそうです。
毛づくろいしすぎの原因と対処
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病気が原因の場合
猫が毛づくろいのしすぎで、体毛の一部がはげちゃったりすると心配ですね。
脱毛に至らないまでも、毛づくろいしすぎは、溜まった毛玉を嘔吐するなど余計な負担がかかります。
毛づくろいしている部分が、赤く炎症を起こして痒そうにしていたら、皮膚病の疑いがあるので獣医さんに診せましょう。
お腹の部分が脱毛するのは、腹部が接地するぽっちゃり型の猫にはよくあるようです。
肥満は健康に良くないので、必要ならダイエットも心がけましょう。
脱毛が副腎皮質や甲状腺のホルモン異常に関係していたら、治療が必要なことがあります。
ストレスへの対処
ストレスサインの意味で毛づくろいしすぎている場合は、飼い主さんが対処してあげる必要があります。
ストレスの原因として、食事や水まわり・トイレの状態、温度管理や独りで過ごせる場所などの環境の問題、多頭飼いの場合は仲間との関係などを確かめ、ストレスの原因を排除します。
また適度に遊んであげて、ストレスを発散させてあげましょう。
家の窓から外をじっと見ているのは、外に出たいんじゃないの?と思う人がいるかもしれません。家の中と外で猫が感じるストレスの違いや、愛猫のストレスサインの症状、ストレス解消法まで徹底的にご紹介していきます!
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