アメリカンブルドッグの特徴
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筋肉質でガッチリとした体型が特徴のアメリカンブルドックは、平均体重がオスは30~58キロ、メスは27~41キロほどの大型犬です。
頭部は正方形のようで、筋肉質な頬と両目の間には深いくぼみがあります。特徴の一つでもある短毛は、ザラザラとしたスムースコートで、赤毛、白、栗毛、ブチなどのコンビネーションが豊富です。
イギリスのブルドッグ「オールド・イングリッシュ・ブルドッグ」をアメリカ人が改良した品種で、3つのタイプに分けられます。JDJタイプは大柄、脚が長めのスコットタイプ、これら2つのタイプの中間にあたるハイブリッドタイプがあります。トムとジェリーに出てくるブルドッグがまさにこのアメリカンブルドッグです。
番犬にピッタリの強そうな外見と、しつけ次第では家族を守ってくれる勇敢な性格の持ち主です。
アメリカンブルドッグの外見的特徴
アメリカ合衆国が原産国のアメリカン・ブルドッグはイングリッシュ・ブルドッグに比べると四肢が長胃のが特徴です。
体つきはがっしりとした筋肉質な体をしており、アメリカン・ブルドッグの雄の体重は30~58kgと60㎏近くあります。
大型犬で、グループ分けではスポーティンググループに分類されています。
ちなみに雄は雌より一回り大きな体型をしています。
雄の体高は58~71cm程度なので、かなり逞しい体つきをしていますね。
アメリカンブルドックの3タイプ
アメリカンブルドッグには3タイプが存在しているのをご存知でしたか?
イギリスのブルドッグがアメリカに入ってきた後、アメリカ人の手によって交配され、異なる3タイプのアメリカンブルドックが誕生しました。
どのタイプもタフで力強く、足も速い、アメリカンブルドックならではの特徴を持っていますが、見た目が少し異なります。
それでは簡単にご紹介しますね。
まずは、切れ長の目が印象的で足の長い「スコットタイプ」
次に、筋肉質で胸部分が発達した「ジョンソンタイプ」
最後に、スコットタイプとジョンソンタイプの間に誕生した「ハイブリッドタイプ」
皆さん、見て違いがわかりますか?是非一度、画像や動画などを調べて、見比べてみて下さい
アメリカンブルドッグの歴史
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アメリカンブルドッグの歴史を知るには、まず大元の犬種である、ブルドックについて少し触れておきましょう。
ブルドッグは、イギリス原産の犬種です。
時は13世紀から18世紀まで遡ります。
皆さんは、ブルドックの名前にある、ブルって何だろう...?と考えた事はありますか。
実はこのブルドッグのブルは、雄牛という意味があります。
名前の由来にもなっている、ブルドックと雄牛の関係をご説明しましょう。
当時、イギリスでは「ブル・ベイティング(牛いじめ)」 という犬の闘技が娯楽として人気でした。
※「ブル・ベイティング」は、雄牛と数匹のブルドッグを闘わせる競技で、鎖でつながれた牛に向かって数匹の犬を放ち、最初に牛を倒した犬に賞金が渡される、という娯楽です。
当時は現在主流となっているブルドッグよりも、はるかに大きいサイズのオールド・イングリッシュ・ブルドッグという犬が活躍していました。
現在のブルドッグの名称は、この「ブル・ベイティング」が起源 になっています。
ちなみに、このブル・ベインティング、雄牛だけでなく熊とも闘わせる、ベア・ベイティングも行われていましたが、もちろん現在では動物愛護に反する娯楽として禁止されています。
この闘技の為に、ブルドックは強く逞しい犬として人間によって改良されていきます。
ブルドッグのたるんだ皮膚は、牛の角が当たっても深手を負いにくく、重心の低い体格は牛の角で足元をすくわれて飛ばされない為、また、特徴的な低い鼻は牛に噛み付いた際でも呼吸しやすいものとなっています。
闘犬として活躍する為に、様々な改良がなされてきたと思うと、切ないですね。
1835年にブル・ベイティングが禁止され、ブルドックの闘犬としての活躍の場はなくなって行きます。
当時のブルドッグは闘犬用に改良された犬種でしたから、攻撃性がとても高かった為、愛玩犬として迎え入れるのはとても難しい状態でした。
結果として、行き場を失ったブルドッグ衰退し、ブルドッグの人気も減少して行く事になりました。
こうしてブルドックの闘犬としての歴史を振り返って見ると、娯楽の為だけにブルドックを改良し、長い間闘わせてきた人間の身勝手さが、浮き彫りにされますね。
幸い、闘犬の終わりと共にブルドックが絶滅してしまうといった事態は免れました。
ブルドックを愛するブリーダーたちの手により、今度は飼うことの出来る愛玩動物とし改良されて行きます。
穏やかな犬種と交配し攻撃性をなくして、その結果現在みられるような温厚な性格のブルドックがついに誕生したのです。
ブルドックは長い歴史を経て改良されて来ましたが、今
現在でもイギリスの人々から深く愛されています。
かつては闘犬に過ぎなかったブルドックが、現在ではイギリスの国犬とされており、優しく穏やかな日々を人と共に過ごしていると思うと、本当に嬉しいですね。
さて、ここからは本題の、アメリカンブルドックの歴史に入って行きましょう。
時は1600年代、17世紀頃から18世紀の、アメリカ植民地時代に遡ります。
イギリス人がアメリカ移住の際にオールド・イングリッシュ・ブルドッグを持ち込んだのが、アメリカンブルドックの始まりだと言われています。
つまり、イングリッシュ・ブルドッグがアメリカン・ブルドッグの祖先犬という事になりますね。
ちなみにアメリカンブルドックは、別名オールド・カントリー・ブルドッグとも呼ばれています。
先ほどブルドックの歴史で触れたように、この時代のイギリス原産のブルドッグは非常に大型で、牛と戦う闘犬として凶暴性の高い犬種に改良されている状態でした。
イギリスのブルドックが、足が短く優しい性格に改良されたのに対し、アメリカンブルドックは長い足と凶暴な性格に改良されましたが、現在では、かなり温和な性格に改良されています。
このように、オールド・イングリッシュ・ブルドッグを元に、改良されてきたアメリカンブルドックは、アメリカのアラバマ州の農家で、クマやイノシシを撃退する活躍をする過程の中で、凶暴ではない温和な性格へと更に改良が進んで行きます。
そして現在のアメリカンブルドックとして、今から約30年ほど前に彼らは誕生したのです。