猫は日照時間が長くなり始める2月くらいに発情期を迎え、2カ月間妊娠します。そのため春に子猫がたくさん生まれます。
飼い猫が出産した時に、生まれた子猫を捨ててしまうということはかなり減ってきているものの、その数はゼロではありません。また、野良猫が出産して子猫を置いてどこかに行ってしまったり、子猫が親猫とはぐれてしまったり、さまざまな理由で保護を必要とする猫が街に増えます。
では、捨て猫を見かけたら、どう保護したら良いのでしょうか?この記事では捨て猫を保護した時の手順をご紹介します。
捨て猫を保護した時の4つの手順
いざ捨て猫を見かけた時にあせらずに対処できるよう、これから猫を保護する際の4つのステップをご紹介します。
ステップ1:近くに家族がいないかを探す
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子猫の捨て猫を見つけたら、まずは周りをよく観察して、母猫や兄弟猫が近くにいないか探してください。母猫がたまたま巣を離れているだけかもしれませんし、母猫が少し目を話したすきに、子猫が勝手にウロウロと出てきただけかもしれないからです。
母猫がいれば保護しなくても大丈夫というわけではありませんが、子猫だけの場合より母猫と一緒の場合の方が生存確率は高くなります。ざっと周囲を見回して子猫の家族が見えなかったとしても、警戒心の強い母猫がこちらの様子を伺っているかもしれません。
すぐに保護するのではなく、少し離れて時間をかけて見守るようにしてください。ある程度待っても、近くに家族がいないようなら次の手順に移ります。
ステップ2:体を温める
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子猫は母猫や兄弟猫とくっついて体温を保っているので、一匹だけでいる捨て猫は低体温になっている可能性が考えられます。雨などで体がぬれていたり、寒い所で長時間じっとしていたり、ケガをしていたりすると体温が下がります。また、精神的にショックなことがあっても低体温になります。ですから、保護したらすぐに体を温めるようにしましょう。
体がぬれていたら、タオルやドライヤーで乾かし、タオルをしいた段ボールに入れてあげてください。湯たんぽやカイロをタオルで包んで段ボールに入れるのもおすすめです。もし丸くなって動かなかったり、ぐったりしていたりしたら低体温になっている可能性が高いです。できる限りすぐに体を温めるようにしてください。
ステップ3:動物病院に連れて行く
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捨て猫は栄養失調になっていたり、病気や何かしらの菌に感染していたりするかもしれません。元気そうでも、とりあえず動物病院に連れて行き、健康診断をしてもらいましょう。病院に連れて行くと、ノミやダニの駆除・予防をしてもらえますし、性別や年齢判定もしてもらえるので、今後の里親探しのためにもおすすめです。
治療費が心配になるかもしれませんが、保護猫であることや、自分の限界などを正直にお医者さんに説明すれば、その状況下でできる最善のアドバイスをくれるので、怖がらずに相談してください。
動物病院は宿泊施設も兼ね備えている所が多く、ペット禁止の住居に住んでいたり、同居猫がいて家に連れて帰れなかったりしても安心です。また「家に連れて帰ると愛着が湧くからイヤだ」という場合にも利用できます。
ステップ4:自分で里親を探す
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健康チェックが終わったら、いよいよ捨て猫の将来について考えなければいけません。自分で飼育できるなら全く問題ないですが、見つけた捨て猫を全頭飼育するのは現実的に難しいです。
そこで引き取り手を探すのですが、これは「拾った人の責任」ということを肝に銘じておきましょう。友人や保護団体に助けを求めることはできますが、猫の保護活動に携わっている人や組織は、既に手一杯という現実があります。
ですから「誰かがやってくれるだろう」という他人任せの感覚はNGです。その猫を保護した当人が責任を持って動く必要があります。
具体的には、拾った猫のポスターを作成して動物病院やお店などに貼ってもらったり、地域の情報サイトに里親募集の記事を書いたり、SNSを活用して広範囲に情報を発信したりできるでしょう。
まとめ
猫が大好きな方は、捨て猫を見たら「ほっておけない」「助けたい」と感じるものです。とはいえ、猫を拾うということは、その猫の命に責任を持つことを意味します。時には、一生懸命探したとしても、里親がすぐに見つからない場合もあります。
ですから捨て猫を拾う時には、感情に流されずに、責任の重さをじっくり考えることが大切です。自分がその責任を果たすと決意してから手を差し伸べるようにしましょう。もし無理だと思うなら、潔く諦め、その猫の生命力にかけてみるしかありません。拾うだけ拾って、動物病院や猫カフェの前に置いたりすることだけは絶対に避けてください。現実を見据えつつ、捨て猫の保護に取り組むことが大切です。