犬のおしっこにはたくさんの情報が隠れています。犬はお互いにおしっこを介してコミュニケーションをとっています。
時にはマーキングをして自分をアピールしたり、大きく見せたりするために自分のニオイをつけることもします。特に発情期のオスに見られる行動ですが、避妊していないメスもマーキングしてしまうこともあります。
犬が家の中でマーキングするのはどうして?
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散歩中など、屋外で犬がマーキングをしている姿はよく見かけます。しかし、家の中でも犬がマーキングをしてしまうのはどうしてでしょうか。考えられるいくつかの原因を取り上げます。
環境の変化に順応できないとき
犬はストレスに弱いといわれています。引越しや赤ちゃんが産まれた時などは、新しい環境に慣れるのに時間がかかるでしょう。
それと共に、かなりのストレスを抱えてしまいます。このストレスを発散する方法がわからずに、マーキングしてしまうことがあるかもしれません。
分離不安などの精神的不安を抱えているとき
1匹で留守番が多い犬に多い傾向でしょう。飼い主さんから離れることに異常に不安を感じて、その不安を落ち着けるためにマーキングして自分のニオイをつけます。そのようにすることで安心しているわけです。
怖いとき
飼い主さんにきつく叱られた時など、極度の恐怖で思わず漏らしてしまうかもしれません。この行動も、自分を落ち着かせる意味があります。
自分がリーダーだと思っているとき
犬は群れで生活し、上下関係がしっかりしています。飼い主さんと愛犬では、もちろん飼い主さんが上になるわけですが、まれに犬が飼い主さんを下に見てしまうケースがあります。
このようなとき、「自分が上だよ」とアピールするために犬はマーキングをします。
愛犬にマーキングをやめさせることはできるの?
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マーキングするしないは個体差があります。これは犬の本能に組み込まれている行動なので、愛犬は自分でコントロールできません。
飼い主さんのちょっとした工夫で、愛犬をコントロールしてあげられるでしょう。
ストレスを抱えたときはいつもより気遣ってあげよう
環境の変化はどうしても避けられないものです。それでも、愛犬が変化に順応しやすい環境を用意してあげることはできます。
たとえば、ハウスの中に飼い主さんのニオイがついたものを入れてあげるなら安心するかもしれません。赤ちゃんや新しい犬猫をお迎えしたなら、きちんと時間をかけて先住の愛犬を構ってあげてください。
そうすることで、飼い主さんにとって大切な存在であることを愛犬は実感できます。
一緒に過ごす時間を増やそう
愛犬が分離不安の傾向を持っているなら、一緒に過ごす時間を増やしましょう。このようにすれば、少しずつ信頼関係が産まれて不安を解消できるはずです。
叱り方を見直そう
自分の叱り方を思い出してください。恐怖心を与えたり、叩いたりしてませんか?
そのような叱り方は恐怖心を与えるだけで効果がありません。人間不信になることもあるので、絶対しないでください。
上下関係を見直そう
恐怖心による主従関係は長続きしません。大切なことは信頼関係です。縄張り争いをする相手でないことを理解してもらうためにも、信頼関係に基づいた上下関係を作りましょう。
そうするなら、飼い主さんを争う相手ではなく、信頼できるリーダーとして認めてくれるようになります。
マーキング対策グッズを利用しよう
おしっこの臭いが残っていると、犬は本能的にそこにおしっこをしてしまいます。ですから、犬がマーキングした場所からおしっこの臭いをしっかり取り除くことが必要です。除菌消臭スプレーなどを利用して、完全に取り除いてください。
習慣的にマーキングしてしまうようなら、マナーベルトを利用することをおすすめします。消臭効果があり洗濯もできるので、家の中を清潔に保つことができます。
ペットプロ マナーベルト去勢や避妊で落ち着くこともある
マーキングが発情期の行動によるものである場合、去勢や避妊の手術をすることで落ち着くことがあります。
しかし、絶対にマーキング行動が無くなる保証はありません。また手術にはリスクも伴いますので、獣医さんと相談して決めてください。
まとめ
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マーキングは犬の自己アピールの行動なので、飼い主さんに構って欲しくて行うことが多いようです。
愛犬がおしっこを失敗した時でも、できるだけ大きなリアクションをしないようにしましょう。飼い主さんのリアクションを見て、愛犬は喜んでいると勘違いしてさらにマーキングしてしまうかもしれません。
犬はとても繊細です。ちょっとした変化や、飼い主さんの行動に反応します。愛情と時間をたっぷりかけて濃厚な時間を一緒に過ごすことで、マーキングなどの問題行動を防ぐことができます。