猫に雑穀米を与えても問題ない?
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雑穀米とは白米に玄米や黒米、赤米、あわ、ひえ、きびやハト麦、大豆や小豆など数種類の雑穀を混ぜて炊き上げたもので、食物繊維やミネラルなどさまざまな栄養素が含まれています。
猫は基本的に肉食の動物なので炭水化物を必要とはしませんが、少しの炭水化物とミネラルと食物繊維を必要としています。ですから、栄養バランスの取れた雑穀米をバランスよく猫の食事に取り入れることができます。
雑穀米は色々な穀類がブレンドされているので、食感や香りを楽しむことで満腹感を感じることができます。猫の食欲増進なども期待することができます。
猫に雑穀米を与えてもいい量
猫の年齢や体重によって雑穀米を与えてもいい量が異なります。それは、年齢によって必要な摂取カロリーが異なるからです。また、日頃からキャットフードを主食にしている場合は、摂取カロリーがオーバーにならないように注意することが必要です。
では、年齢別に猫に雑穀米を与えてもいい量をご紹介します。
子猫の場合
生後12ヶ月未満で体重が1kg未満の子猫の場合、1日の摂取カロリーは約80kcalです。お米は100gで130kcalです。ゆえに、成長に必要なカロリーを考慮するなら、子猫には5~10g程度の雑穀米で十分です。
成猫の場合
生後12ヶ月から7歳で体重が3~5kgの成猫の場合は、必要カロリーは約320kcalと言われています。先述のように、お米は100gで130kcalあります。キャットフードを併用することを考えると、成猫の場合10~30g程度を与えることができます。
老猫の場合
7歳以上の老猫の場合、消化器官が弱っているので注意が必要です。雑穀米は消化が良い食べ物ではないので、積極的に老猫に与える必要はありません。どうしても老猫に雑穀米を与えたい場合は少量にとどめてください。
猫に雑穀米を与えることで期待できる効果
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一言で雑穀米といっても、メーカでブレンドされている穀類が異なります。ですから、それぞれの栄養も異なります。ここでは、良く配合されている穀類の栄養素と期待できる効果をご紹介します。
代表的なあわはミネラルや食物繊維を豊富に含んでおり、整腸効果があります。ですから、便秘気味の猫の便秘解消効果を期待することができます。
さらに、キビやひえにはタンパク質が多く含まれており、これによってエネルギーを補給し、必要なアミノ酸を摂取することができます。
他にもカルシウムや鉄分、マグネシウムやカリウムなどのミネラルが豊富に含まれているのも雑穀米の特徴です。
猫に雑穀米を与えるときの注意点
生の雑穀米や雑穀米のとぎ汁は与えないでください。炊く前の生の雑穀米は非常に硬く、消化不良を起こす可能性があります。とぎ汁には農薬や害虫が残っていることがあり、食中毒を起こす危険があります。
雑穀米は白米に比べて消化の悪い食べ物です。また、元々肉食動物の猫には炭水化物を消化酵素を持っていません。ですから、猫に雑穀米を与える際には柔らかく炊いて与えてください。お粥にして与えることもできます。
ふりかけなどをかけて味をつけてしまうと、猫にとっては塩分の取り過ぎになり、高血圧などの病気のリスクが高まります。猫に雑穀米を与える際は、絶対に味をつけないでください。
ごくまれに、お米などの穀類にアレルギー反応を起こしてしまう猫がいます。初めて雑穀米を与える際には少量を与えて様子を見るようにしましょう。
アレルギー反応が起きると、痒がったり毛を掻きむしったりする場合があります。その結果、傷口から細菌が入ったり、掻きむしった箇所が脱毛してしまったりすることもあるので注意が必要です。少しでも異変が現れたなら、すぐに病院に連絡し獣医師に相談してください。
米ぬかや米麹などは与えても問題ない?
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キャットフードの中には米ぬかが使用されているものもあります。ゆえに、猫に米ぬかを与えても問題ありません。米ぬかには食物繊維が多く含まれています。食物繊維には便秘を解消する作用や、腸内環境を整え栄養を吸収する働きがあるので、猫にとっても健康維持のために欠かせない栄養素です。
米麹は消化がとても良いので、猫に与えても問題ありません。特に、米麹が原料となっている米麹甘酒は栄養価がとても高く、消化吸収がしやすいため、栄養補給として猫に与えることができます。
また、食欲が低下している老猫の水分補給や栄養補給にも米麹甘酒は有効です。老猫に与える際は、水で薄めて少量与えるだけにしてください。米麹甘酒は糖度やカロリーがとても高いので、与え過ぎには注意しましょう。