猫に油揚げを与えても問題ない?
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油揚げは、薄切りにした豆腐を油で揚げた食べ物です。主に、味噌汁の具や稲荷寿司、おでんや煮物の具などに使われることが多く、私たちにとって身近な食材の一つです。
油揚げの原料は、大豆です。「畑の肉」と呼ばれるほど、大豆には体に良い栄養素が豊富に含まれています。そのため、油揚げなどの大豆製品からも、良質なたんぱく質、脂質、カルシウム、鉄、ビタミンEなど、大豆由来の成分を摂取することができます。
基本的には、猫に油揚げを与えても問題ありません。しかし、油揚げは高カロリーな食べ物なので、猫に与える場合は、「量」に注意が必要です。
猫に油揚げを与えてもいい量
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本来、猫は肉食動物なので、植物性の食べ物を消化するのが苦手です。そのため、猫に油揚げをたくさん与え過ぎると、消化不良を起こし、胃腸内にガスが溜まってしまう可能性があります。また、猫は栄養素を体内に吸収し、分解するのに時間がかかるので、一度に大量の油揚げを与えると、下痢などを起こす原因にもなりかねません。
基本的に、猫に必要な栄養素はすべてキャットフードで摂取することができます。なので、油揚げを与える場合は、あくまでフードにトッピングする程度にとどめておいてください。
子猫の場合
生後12カ月未満、体重1kg未満の子猫の場合は、特に注意しましょう。なぜなら、子猫は消化器官機能が未発達なため、消化不良を起こしやすいからです。
まだ体力や抵抗力が低い子猫が、体調不良を起こすと、小さな体に大きな負担となってしまいます。ゆえに、リスクを抱えてまで、子猫にわざわざ油揚げを与える必要はありません。
成猫の場合
生後12カ月~7歳、体重3~5kgの成猫に油揚げを与える場合は、ごくたまに、キャットフードに少量トッピングしてあげたり、おやつとしてほんの少し与える程度で良いでしょう。油揚げはカロリーが高いので、毎日与える必要はありません。
老猫の場合
7歳以上の老猫の場合、加齢が進むにつれ消化器官が弱ってくるので、子猫同様、注意が必要です。積極的に老猫に油揚げを食べさせる必要はありませんが、食べさせたい場合には、少量だけにしておきましょう。
猫に油揚げを与えることで期待できる効果
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先ほども述べたように、油揚げは、「畑の肉」とも呼ばれる大豆から作られています。そのため、「たんぱく質」が豊富に含まれています。たんぱく質は、筋肉や内臓、血液、被毛、骨などを作るのに欠かせない栄養素です。また、体の調子を整える働きもあります。
さらに、大豆には「大豆サポニン」という成分が含まれています。この成分は、抗酸化作用があり、体内の活性酸素を除去してくれます。そのため、免疫力アップや老化防止、ガン予防などに効果的です。
加えて、「大豆イソフラボン」も豊富です。大豆イソフラボンには、ガンや動脈硬化の予防、アンチエイジング効果、骨粗鬆症の予防に効果があると言われています。
猫に油揚げを与えるときの注意点
先ほども述べたように、油揚げはカロリーが高い食べ物なので、与え過ぎは肥満の原因にもなりかねません。繰り返しになりますが、猫に与えるときは少量だけにしてください。また、味付けされた油揚げは、猫にとって塩分の摂り過ぎになってしまうため、与えてはいけません。
カロリーが心配な場合は、沸騰したお湯で1~2分茹でるなどして、油抜きをしてから与えると良いでしょう。油抜きをするだけで、油揚げ1枚につき、10kcalのカロリーダウンができます。また、油抜きをすることにより、油臭さもとれるため、食べやすくなります。油抜きをしたら、キッチンペーパーで水気をとり、細かく刻んでから猫に与えるようにしてください。
猫によっては、大豆アレルギーを持っている子もいます。猫に初めて油揚げを与える場合は、ごく少量から始めましょう。下痢や嘔吐などのアレルギー症状があらわれた場合は、与えるのを中止してください。そして、速やかにかかりつけの動物病院に連絡し、獣医師の指示に従うようにしましょう。
おからや納豆は与えても問題ない?
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おからや納豆などの大豆製品も、猫に食べさせて大丈夫なのでしょうか。
少量であれば、猫におからを与えても問題ありません。おからは、豆乳のしぼりかすですが、食物繊維やビタミン、たんぱく質などが豊富に含まれています。栄養満点の食材なので、猫のフードにも少量混ぜて与えることができるでしょう。ただし、与え過ぎると消化不良を起こしてしまう可能性があるので、与える量には十分注意してください。
納豆も猫に食べさせて大丈夫です。納豆にも体に良い栄養素がたくさん含まれています。また、納豆は発酵食品なので、消化しやすく、胃腸にも優しい食べ物です。しかし、だからといって猫に大量に与えるのは良くありません。猫に納豆を与える場合も、少量だけにしておきましょう。また、タレや薬味などを入れて与えるのは絶対にNGです。