猫にブルーベリーを与えても問題ない?
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ブルーベリーは、ツツジ科スノキ属の小果樹です。20世紀初めに、北アメリカで品種改良が始められ、現代では世界の温帯圏で広く栽培されています。
ブルーベリーには、食物繊維やビタミンなど、様々な効果が期待できる栄養素がひと粒にギュッと詰まっているため、健康のために摂取している人も多いことでしょう。
見た目が「ぶどう」と似ているブルーベリーですが、ぶどうと違ってブルーベリーには猫にとって中毒となる危険な成分は含まれていないため、基本的に猫がブルーベリーを食べても問題ありません。しかし、大量に与えてしまうと体調不良を起こす可能性があるので、注意が必要です。
猫にブルーベリーを与えてもいい量
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少量であれば、猫にブルーベリーを与えても問題ありません。しかし、ブルーベリーに含まれるビタミンCは、尿路結石の原因となる「シュウ酸」を生産します。
健康な猫の場合、ブルーベリーを食べただけでシュウ酸が問題になることはありません。しかし、尿路結石、なかでもシュウ酸カルシウム結石を患ったことのある、もしくは患っている猫には注意が必要です。
子猫の場合
子猫の場合、消化器官の機能が未発達なので特に注意が必要です。ブルーベリーは健康に良い栄養素がたくさん含まれていますが、与えすぎると下痢を引き起こす可能性があります。
リスクを上げないためにも、子猫にわざわざブルーベリーを与えることはやめた方が良いでしょう。
成猫の場合
猫にブルーベリーを与える量は、ブルーベリーの大きさにもよりますが、数日に1回1~3粒程度の量でOKです。それ以上与えてしまうと、下痢や胸やけを引き起こしてしまう可能性があります。
本来、猫は肉食動物なのでブルーベリーを食べる必要はありません。ブルーベリーを消化することには慣れていないので、おやつとして少量だけ与えるようにしましょう。
老猫の場合
7歳以上の老猫の場合も、子猫同様、消化器官が弱っている可能性があるので注意が必要です。尿路結石を患ったことのある、または現在患っている老猫や、胃腸が弱い老猫にブルーベリーをたくさん与えてしまうと、体調を壊してしまうかもしれません。
リスクを抱えてまでブルーベリーを食べさせる必要はないでしょう。
猫にブルーベリーを与えることで期待できる効果
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ブルーベリーには、フラボノイドの一種である「アントシアニン」が豊富に含まれています。アントシアニンには、強い抗酸化作用を持ちガンや心臓病などの予防効果が期待できます。
また、視力改善作用があるとも言われており、視力回復や眼精疲労の改善等にも効果があります。ただし、猫の目に良いかに関しては科学的にまだ立証されていません。
さらに、ブルーベリーには「食物繊維」も豊富です。食物繊維が多いバナナと比較しても、ブルーベリーはバナナの倍以上の食物繊維を含んでいます。ブルーベリーを摂取することで、便通を良くする等の整腸作用が期待できるでしょう。
加えて、ブルーベリーには「ビタミンA」「ビタミンC」「ビタミンE」といったビタミンも豊富に含まれています。これらのビタミンにも、抗酸化作用や血流促進等の効果が期待できます。
猫にブルーベリーを与えるときの注意点
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猫にブルーベリーを与えるときは、基本的には加工されていない生のブルーベリーを与えてください。ブルーベリーの実は小さくて食べやすい大きさのものがほとんどなので、そのままあげても問題ありませんが、気になる方はカットして与えてあげましょう。
先ほども取り上げたように、ブルーベリーに含まれるビタミンCは、尿路結石の原因となるシュウ酸を生産します。繰り返しになりますが、過去に尿路結石になったことのある猫や、現在患っている猫にはブルーベリーを与えないようにしましょう。
また、アレルギーを持っている猫もいるので、初めて猫にブルーベリーを与える場合は少量だけ与え、しばらく様子を見るようにしましょう。ブルーベリーを食べた後に、下痢や嘔吐など何らかの症状が表れた場合は、すぐに病院に連絡し獣医師の指示に従ってください。
ブルーベリージャムやドライブルーベリーは与えても問題ない?
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ブルーベリーを使ったジャムやドライブルーベリーを猫に与えても問題ないのでしょうか。
ブルーベリージャムを与える場合は、手作りで無糖のものであれば与えても問題ありません。市販のジャムには保存料や砂糖が多く含まれており、猫の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、与えない方が良いでしょう。
また、ドライブルーベリーも基本的には与えても問題ありませんが、中には砂糖でコーティングされているものもあるので、きちんと確認してから与えるようにしてください。
他に、冷凍されているブルーベリーも大丈夫です。ただし、与えすぎるとお腹を壊して下痢になる可能性があるので、与える量には注意が必要です。