猫が飼い主の手を押さえるときの意味とは?
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空前のペットブームの中、猫を飼う方も増えていますね。かわいい猫を観察していると日々いろいろな表情やしぐさを見せてくれます。
猫が好きな人にとっては、愛猫の仕草一つ一つすべてがかわいらしいですよね。それぞれのしぐさにはどんな意味があるんだろう?と考えることもあるのではないでしょうか?
実はそれらの中にはいろいろな意味が隠れています。私たちが思っている通りの意味の場合もあれば、ちょっと違う時もあるかもしれません。
猫がする仕草の一つに「人間の手を押さえるようなしぐさ」があります。かわいらしいプニプニの肉球を押し付けてきてかわいいですね。私たちが他の人の手を押さえるのにはどんな意味があるでしょうか?
普通私たちが人の手を押さえるときは、何かを止めさせる、拒否している時かもしれません。他にも好意を示しているときも手に触れますね。では猫の場合はどうなのでしょうか?猫の場合にはこんな意味があるようですよ。
・撫でてほしい
・獲物だと思っている
・行かないで!もっと遊んでほしい
・止めてほしい
では一つずつくわしく見てみましょう。
撫でてほしい
一つ目は「撫でてほしい」という猫の気持ちがあるようです。愛猫が飼い主のそばに寄ってきて構ってほしくて手を押さえることがあります。
普段気ままに自分のペースで過ごしている猫ですが、構ってほしい時やなでてほしい時などは自分の方から寄ってきて催促することがあります。その催促方法の一つが自分の手を飼い主の手に乗せることなのです。
この時の愛猫の表情はどうですか?いかにも「欲しい」というおねだり顔になっているはずです。こんな時は愛猫の気持ちが満たされるまでじゅうぶんナデナデしてあげましょう。
獲物だと思っている
二つ目は「獲物と勘違い」していることもあります。これは特に愛猫と一緒に遊んでいるときにあるかもしれませんね。手を使って遊んでいると、飼い主の手を獲物だと勘違いしてしまうのです。それでそのまま手を押さえつけてしまうのです。
手を押さえつけられるとだいたいガジガジと噛まれたり、足蹴りされたりすることでしょう。この時は完全にあなたの手を獲物だと思い込んでいるのでしょう。
こうなったら早く避難しましょう。そのまま噛まれて怪我してしまうかもしれません。その前に獲物だと勘違いされないように、猫の手につかまってしまわないように気を付けましょう。
行かないで!もっと遊んでほしい
三つめは「いかないでほしい、もっと遊んでほしい」という猫の欲求の表れです。これは猫と一緒に遊んでいるときや構っている最中に見られるかもしれません。
ある程度一緒に遊んで飼い主さんがちょっと席を立とうとした時などに、飼い主の手を押さえることがあります。これは「いかないでもっと遊んでほしい」と思っているのでしょう。
大好きな飼い主とずっと一緒に遊んでいたいという愛猫のかわいらしい姿です。時間が許す限り一緒に遊んで、愛猫の気持ちを満たしてあげてください。
止めてほしい
四つ目の意味はこれまでとは少し異なります。「これ以上かまうな、やめて!」という拒否の意味です。
猫をかまっているとき、ナデナデしているとき、何か猫にとって嫌なことをした時、嫌な部分を触った時など「やめて」と思って手を押さえることがあります。この時は手だけではなくあなたの顔や身体なども押さえてくることでしょう。
猫にとって嫌なことを続けるのは、猫に大きなストレスとなります。ですから愛猫から拒否のサインが出たらすぐにやめてあげましょう。
猫が手を使って表現しているいろんな気持ち
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ここまで猫が飼い主の手を押さえるときの意味についてみてきました。
しかし猫は自身の手を使って他にもいろいろなことを表現しています。ではそのいくつかを紹介します。
眩しい
一つ目は猫が寝ているときに見られる仕草の一つで、前足を顔に当てるようにして寝ている姿です。他にも土下座をしているような姿勢で両手を前にそろえそこに顔をうずめるようにして寝ていることがあります。これはよく「ごめん寝」「すまん寝」などともいわれています。
どうしてこのような姿で寝るのでしょうか?その理由は「眩しい」からです。
猫は蛍光灯の光を苦手としています。人間よりも動体視力が優れているために、蛍光灯のチカチカしたのがどうも気になっているようです。そのため自然の太陽光は全く問題ないのに、蛍光灯を使用しているところは苦手に感じている猫は少なくありません。
また蛍光灯の明かりは猫にとっては明るすぎるともいえるでしょう。明るすぎて寝にくいので目の部分を手で覆っているのかもしれません。
眠いけど暗い所に移動するのは面倒なときは、よく手で顔を覆って寝ていますよ。他には尻尾を使って顔を覆う猫もいます。
ですから猫のことを考えるのなら、猫のベッドの部分にブランケットで覆ってあげるとか、段ボールを寝床として与えるなどの工夫ができるかもしれませんね。可能でしたら猫がゆっくり休めるように照明を消したり暗くしたり、蛍光灯ではなく優しい光を出す白熱灯なども良いでしょう。
甘えている
二つ目は猫が前足を使って「もみもみ」してくる仕草です。飼い主に対して、また毛布やクッションなどを前足を開いたり閉じたり足踏みするような動作です。これは簡単に言うと猫が「甘えている」仕草の一つといわれています。なぜそう言えるのでしょうか?
子猫は母猫の母乳をのんで大きく成長していきますが、このモミモミの仕草は子猫が母乳を飲む時の行動なのです。モミモミすることで母乳の出がよくなるからです。ですからモミモミするのはこの仕草の名残だといわれています。
中にはモミモミしながら、何かを吸うようなちゅうちゅうといったしぐさをすることもあります。これも母乳を吸うところからきているのでしょう。
多くの猫は飼い主のことを母猫と思っているようです。そのためこのモミモミは母猫に甘えている行動の一つなのだといえるわけです。飼い主の体温ややわらかい毛布などが母猫のぬくもりを思い出させるのでしょう。
猫がモミモミするのはたいていリラックスしているときです。寝る直前、飼い主の膝の上、寝転びながらなどモミモミします。ただしこの時爪を立てていることも多いので、大切な服を着ているときは注意してくださいね。
好き
三つめは猫が前足を使って飼い主の顔を触ってくることがありますが、これには猫の愛情表現で「飼い主のことが大好き」という思いが含まれています。
抱っこしたときに前足で顔をタッチすることがありませんか?寝ているときにベッドに乗ってきて顔に手を置くこともあるでしょう。口元をやさしくちょいちょい触ります。これらは猫なりの愛情表現なんですよ。
中には飼い主に伝えたいことがあるときやただ単に飼い主を起こすために、気づいてもらうために顔を触っているというケースもあります。
リラックスしている
他にも猫がのんびりくつろいでいるときの姿を見ると、前足を折りたたんで体の下に入れて座っていることがありませんか?「香箱座り」ともいわれるスタイルです。この時は猫が完全にリラックス状態にあるといっても良いでしょう。
なぜならこの姿勢をしているときの猫は前足を隠している状態ですので、すぐに動くことができません。ということは今は安全で、安心してよい状況と思っていなければ、香箱座りをしないはずです。
なので猫が前足を体の下に隠していたらリラックス状態にあるということができるのです。さらにリラックスするとおなかを無防備に見せてくれるでしょう。