犬も猫のように香箱座りをする?
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立ち姿が凛々しい柴犬ですが、猫にはおなじみの座り方でくつろいでいる柴犬を見たことがおありでしょうか?見た目はしっかりとした柴犬ですが、猫のように前足をぐっと折りたたんで座っています。
ウルウルした目で飼い主さんを見つめて香箱座りをしている柴犬の女の子コウちゃんがネットで人気です。見ていると飼い主さんでなくても癒されます。猫にとってはよく見かける香箱座りですが、柴犬で香箱座りをする犬もいるそうです。
猫のような犬たちの姿に、普段とのギャップがあって可愛いし面白いとさまざまな姿が投稿されています。猫にとっての香箱座りと犬にとっての香箱座りは心理的に異なるのでしょうか。見ていきましょう。
猫が香箱座りをするときと同じ気持ち?
香箱座りとは、お腹を地面につけた状態で前足と後足を折りたたみ身体の下にしまい込む座り方です。猫の座り方としてよく知られています。キレイにまとまった四角い形が香道や茶道の道具として使われる「香箱」に似ているということから、「香箱座り」という名前が付けられています。
海外では猫の香箱座りのことを「catloaf」という名前で呼び、「パンの塊」という意味で親しまれています。猫が香箱座りをしているときの気持ちは、とてもリラックスしている状態であると言われています。
この座り方は、猫が動き出すのに重要な部分である「前足」を身体の下にしまう座り方です。突然何かが起こったときにすぐに反応ができない座り方なので、それだけ反応も遅くなり、避けることや攻撃することができません。
そのため、全く危険がないときや安心しているときに猫は香箱座りをします。警戒中の猫は香箱座りをすることが滅多にないことからも、この座り方はリラックスしている証拠と考えられています。
室内で飼われている猫はよく香箱座りをしています。これは信頼できる飼い主さんと安心できる環境で過ごしていることの表れとも言えるので、飼い主さんとしては見ていてほっこりとする姿ですよね。
犬が香箱座りをする姿も、同じように前足を器用に折りたたんで座っている姿ですが、穏やかな眼差しで飼い主さんに視線を送りつつ、一度香箱座りをするとなかなか動かないワンちゃんが多いのでリラックスしている姿と言えるでしょう。
香箱座りをしたままウトウトしている子もいるので、警戒心がないリラックスしている状態であることが伝わってきます。猫も犬も周りに敵がいないと認識していて、飼い主さんと生活環境に安心しているのでリラックスして過ごせていると言えるでしょう。
犬がリラックスしているときのサイン
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香箱座りは犬にとっても安心できているリラックスしているときの姿ですが、ほかにも犬が見せるリラックスしているときのサインにはどのようなものがあるのでしょうか。
1.口を開ける
穏やかな目で、口角を少し上げて口を開いているときはリラックスしています。大好きな飼い主さんのそばにいる時やお気に入りに場所でまったりと過ごしているときにも見られるでしょう。
ただ気をつけていただきたいのは、「ハァハァ」と呼吸が荒いときにも犬は口角を上げて口を開いています。これはリラックスしているのではなく、「暑い」や「苦しい」ということを伝えているので、よく観察して違いを見抜いてあげるようにしましょう。
2.おへそを見せて寝ている
通称「へそ天」と言われるスタイルでぐっすりと寝ている姿を見ることがありませんか?
安眠の代表格とも言える「へそ天」は、お腹を天井に向けて仰向け状態で寝ることです。へそ天をしながら布団をかぶって寝ている様子は、小さな子どもが寝ているような感じですね。
犬がお腹を見せるということは、無防備であるということの証拠と言えます。お腹は野生動物にとって襲われたくない弱点ですので、その弱点を見せるということは、飼い主さんに対して野生の心を忘れて警戒心がすっかり解けているからこその寝相と言えるでしょう。
3.体をくねらせてしっぽを振っている
これは大好きな人や犬に対して行なう仕草です。溢れ出る嬉しさを全身で表現しているので、とても幸せな気持ちになっていることの表れです。幸せな気持ち=リラックスしていると考えると、こちらも犬のリラックスサインと言えるでしょう。
4.笑顔で耳を伏せている
「うれみみ」なんて呼んだりもしますが、嬉しい気持ちや幸せな気持ち、とてもリラックスしているときに見せる仕草です。しかし、警戒したり怖がっているときにも「耳を伏せる」という仕草をすることがあるので、周りの状況や愛犬の表情も観察して判断するようにしましょう。
5.お尻をくっつけて寝る
犬にはお腹以外にも急所があります。それは「後足」です。野生の世界では、後足をケガしたり使えなくなったりしてしまうと、敵や危険から素早く逃げることができず死んでしまうので、特に後足を守ることが大切になってきます。休むときには仲間や盾になるものにお尻をくっつけて寝るそうです。
もともと群れで生活していた犬は仲間と寄り添って眠っていましたので、飼い主さんにくっついて寝るということは、飼い主さんを信頼している証拠と言えるでしょう。寄り添うことで体を温かくしたり、安心感を得ようと思ってしたりする行動なのでリラックスしていることが分かります。
動物にとって警戒が必要なのは背後ですので、飼い主さんを背後にしているということは「背後にいて大丈夫な人」という安心感を表して信頼していることを伝えていると言えるでしょう。寄り添って寝ることが安心できるというのは子どものようでとても可愛らしいですね。