ワンちゃんは飼い主である私たちに理解しがたい行動をとることがありますよね。それが突然生じるものであれば、飼い主だけでなく周囲の人もびっくりしてしまいます。その中にはワンちゃんの「いきなりダッシュ」があります。
前触れなく、いきなりワンちゃんが全速力で走りだすことがあるのではないでしょうか?走り出したと思えば、今度は急に止まって伏せ状態になります。あまりにも突然の出来事で思考が追いつきませんよね。
こうした行動には何か意味があるのでしょうか?ワンちゃんはどうして急に走り出したり、急に止まったりするのでしょうか?
ワンちゃんの「ダッシュ&ストップ」
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走ることが大好きなワンちゃんたちは多いでしょう。散歩している時や公園で遊んでいる時も走ったりすることがあります。そのような自然な場面で走りだすことには何の不思議もありませんよね。
しかし、今まで落ち着いていたのに、急にダッシュすることがあります。特に広い場所でなくてもいきなり走りだすのです。ものすごいスピードで走りだしたかと思えば、今度は急ブレーキをかけて、床に伏せってしまうでしょう。とても平常心で行えるような行動とは思えません。
この行動の特徴
ワンちゃんの「ダッシュ&ストップ」にはどんな特徴があるのでしょうか?
まず急に始まることが挙げられます。何の前触れもなくいきなり始まることが多いでしょう。同じように急に終わります。長く走り続けるのではなく少しの時間走ると突然ストップして伏せってしまいます。その切り替えの早さは不思議な要素の1つと言えます。
またワンちゃんのダッシュに目的がないのも特徴と言えます。何かを追いかけているわけでもなく、決まったゴールがあるわけでもありません。ただ、いきなり走るのです。
そしてこの走りが「ダッシュ」であることも特徴的です。徐々に加速していくのではなくて、いきなり全速力で走るのです。周りが見えていない点も特徴的です。狭い場所であろうが、物にぶつかろうがあまり気にしていないようなのです。
何かにとりつかれて走っているように見えます。ダッシュ中は飼い主の声が聞こえていないことがほとんどです。普通に呼びかけるだけでは全く聞こえていないかのように走り続けます。
どんなワンちゃんに多いの?
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このような行動はすべてのワンちゃんにありえますが、とくに突然走り出しやすいワンちゃんはいるようです。
ワンちゃんたちのなかでも落ち着いていて穏やかなワンちゃんと、元気いっぱいで興奮しやすいワンちゃんがいます。とくに後者のワンちゃんは「ダッシュ&ストップ」することが多いようです。また弱気で憶病なワンちゃんは行動に移すことが少ないようです。
また、ワンちゃんが幼い時期にはこのような行動が多いようです。子犬が元気いっぱいに走り出す姿は見ていて微笑ましいものですし、周りにもあまり影響が少ないですよね。
子犬が「ダッシュ&ストップ」をするときは、ある程度は多めに見てあげると良いでしょう。大人になっても多いワンちゃんは飼い主から甘やかされていることが多いようです。
ワンちゃんが急に走り出す理由
ワンちゃんが急に走り出す理由は何でしょうか?いくつかの理由が考えられます。その時のワンちゃんの心理状態もお伝えしたいと思います。これからワンちゃんが急に走り出して、急に伏せる4つの理由をご紹介したいと思います。
興奮
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ワンちゃんが興奮しているときにはその気持ちを爆発させるかのように突然走り出すことがあります。ワンちゃんの興奮にもいくつか原因がありますが、特にうれしくて興奮していることが多いかもしれません。
走り出した時のワンちゃんの表情を確認してみてください。興奮で目を見開いているかもしれませんが、それと同時に嬉しそうな表情をしていたり、嬉しそうに尻尾を振っていたりするかもしれません。
飼い主が帰ってきたときに走り出すワンちゃんもいるのではないでしょうか?
まずはご主人様のところに走ってくるのですが、しばらくすると興奮のあまり、いきなり走り出します。部屋中を走り回った後にやっと落ち着くなんてこともあるのではないでしょうか?ワンちゃんがストップするのは興奮が収まったということなのかもしれませんね。
人間でも興奮したときには、急に大声を出したりすることがあるのではないでしょうか?ワンちゃんの場合は走ることでその興奮を爆発させているのですね。
ストレス発散
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ワンちゃんも日々ストレスを抱えてしまいます。運動不足や散歩に行けないことが原因でストレスは溜まっていきます。またワンちゃんによっては状況の変化が大きなストレスになることもあります。
引っ越しをした時には強いストレスを抱えることがあります。またいつもと違った公園にいったり、旅行に行ったりした後にはストレスが溜まっていることでしょう。
ワンちゃんのしつけのために、ワンちゃんを叱ることもあるでしょう。しつけが続くならばストレスを抱えてしまうものです。ワンちゃんたちの性格にもよっては、ストレスを抱えやすい場合もあるでしょう。
日常のちょっとしたことでもワンちゃんが苦手だと感じていることであれば、嫌な気持ちになりストレスを感じることがあるでしょう。シャンプーや爪切り、長期間のお留守番などはワンちゃんにとって苦手な分野です。
そうしたことが終わった後にも、ストレスが爆発して突然走り出すことがあるでしょう。いくらか走った後にはハッとしてもとに戻るのです。
ストレスが原因である場合は、飼い主さんがうまく対処したり、日々のストレス解消を意識してあげたりすることが大切ですね。
エネルギー発散
ワンちゃんには十分な運動が必要です。ワンちゃんの中には運動が不足していて元気が有り余っている場合があります。
ストレスとなるほどではないかもしれませんが、余っている体力を爆発させるようにダッシュ&ストップするかもしれません。活動的な子犬にダッシュ&ストップが多いのも、このことが原因だと思われます。
もちろん大人のワンちゃんでもエネルギーを発散させたいときがあるでしょう。飼い主の皆さんは犬種によって必要とする運動量が大きく異なることを知っておいた方が良いでしょう。
小型犬は基本的に多くの運動を必要としません。しかし、中型犬以上の大きさのワンちゃんや、小型犬でも狩猟犬を源としているワンちゃんたちはたくさん運動する必要があります。しっかりとワンちゃんたちに必要な運動をさせてあげましょう。
ダッシュ&ストップだけでは十分にエネルギーを発散させることはできません。一時的な発散に過ぎません。ですから、皆さんのワンちゃんがこの行動を繰り返すのであれば、定期的な運動の量を増やすようにしましょう。
獲物を発見した
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ワンちゃんには本能があります。獲物を見つけたならば追いかけるという習性があるのです。もしかしたら、短いワンちゃんのダッシュにはこうした理由があるのかもしれません。これはそのほかの原因とは少し趣が違った理由です。
飼い主たちには何も見えていないのですが、ワンちゃんだけには獲物が見えていた(獲物のように見えた何かがあった)可能性があります。風でホコリなどが動いたのかもしれません。また光の反射によって、光や影に動きがあったのかもしれません。
そうしたものをワンちゃんが見た時に本能が刺激されて捕まえようと急に走り出すことに繋がったのかもしれません。これが原因の場合は、獲物の近くまで走ったならすぐにストップするはずです。ですから、ある程度の時間ぐるぐると走り回るようなダッシュ&ストップとは違います。
獲物を発見したときの反応はワンちゃんたちによって自然なものですから、心配する必要はないでしょう。