フォトグラファーのむらかみかづをさんには、17歳のももこちゃんという老犬の家族がいます。そんなももこちゃんとお散歩に出かけると、道行く人に本意ではない言葉をかけられることがあるんだとか。その言葉に対するむらかみさんの意見が、同じように老犬を家族に持つ人たちの共感を呼んでいます。
最近ももこの散歩中、通りすがりに声を掛けられる事がよくあるのだが、「頑張ってね」か「かわいそうにねえ」と言われることが多い。なんとも返事し辛いので、ありがとうとか適当に返すのだけど、老犬がよろよろ歩いているとかわいそうに見えるんだな。Twitterでもたまに言われる事がある。
—もも (@momodog22) December 7, 2016
犬を飼ってられるアカウントから「汚い犬(老犬)の写真は嫌」「かわいそうな犬の写真は苦手」というコメントもたまに頂くし、今でも老犬についての投稿やRTがたまに続くとフォロワ数もさーっと減る。確かに仔犬や若い犬の元気な姿は見ていて楽しいけど、最後には必ずこの現実の姿が待っている。
— もも (@momodog22) 2016年12月7日
ところがここだけの話、実はこの終生飼育の最後にある穏やかな老犬の姿こそが一番いとおしい時期。これは秘密。だから秘密結社。
— もも (@momodog22) 2016年12月7日
犬にかわいそうもなにもない。そんな事を自分では考えないだろうから。ただ生きてるだけ、生きようとしているだけ。
—もも (@momodog22) December 7, 2016
静かなる 夜ふけとなりてわが側に 老い犬はあり寝息たてつつ
(平岩米吉 「犬の歌」より) 2015年 ももこ16歳 pic.twitter.com/S1SwiK38rg—もも (@momodog22) September 6, 2015
かわいそうだの汚いだの、もってのほか!
人間と同じように、犬だって老いはやってくるもの。それはかわいそうなことでもなければ、それで可愛さや愛しさが減るわけでもありませんよね。
さらにむらかみさんはこう続けています。
賛否両論ある某人気動物番組の中で、可愛い仔犬仔猫のコーナーに混じってうちの老犬も負けずに楽しさやかわいらしさを全面に出してメインで放送されたのがとても誇らしかったよ。老犬はかわいそうでも汚くもない。誇りだ。よぼよぼやけど。
—もも (@momodog22) December 8, 2016
「犬孝行したいときに犬はなし」という諺が昔からあるように、生きてるうちに精一杯犬を可愛がりたいもの。死んでからもっとああしてやればこうしてやれば良かった…と後悔しないように。
—もも (@momodog22) December 8, 2016
生き物を飼う人は、そのかけがえない命を預かった者として、最後の最後まで愛情もって接する責任があります。それに、長い人生を一緒に暮らしていたら愛さずにはいられないはず。そんな老犬のことを周りがとやかく言う資格はありません。
また、むらかみさんはTwitter上でハッシュタグ「#秘密結社老犬倶楽部」を作り、老犬を飼っている人たち同士でコミュニティを作っています。むらかみさんはこのコミュニティについてこんなコメントをしています。
犬に限らず何か生き物を飼おうと思っている人は、将来その生き物が老いても愛し続けられるのか、今一度自分に問いかけてみるといいかもしれませんね。
ももこちゃんの写真をもっと見たい!という人は、なかむらさんのフォトエッセイ「ももとじん 小さな甲斐犬と耳の聴こえない雑種犬」も要チェックです。